国立博物館で仏像を拝んで来た。仏像の表現は、地域や時代によって異なるが、個人的には平安期の日本のものが好きである。完成当時はきらびやかだったのだろうが、年月を経てそうした上辺の虚飾が剥がれ、仏像本来の姿が露になっているような気がする。そこには彫った人の息づかいが感じられるのである。それぞれの仏像が彫られた時の事情など知る由もないが、この時代のものには純粋な信仰心が込められているように思える。それが武士の時代になると、仏像を彫らせる人の虚栄心や邪気が見え隠れしているように感じられるのである。お経にしても、美しいけれど無機質的な文字と、多少の乱れはあっても心を打つ文字があるように思う。
自分も齢を重ねてみて、本物への憧れのような気持ちが強くなったような気がする。
自分も齢を重ねてみて、本物への憧れのような気持ちが強くなったような気がする。