昨日、ヒースロー空港の新ターミナル(第5ターミナル)が開業した。BA専用の施設で、総工費43億ボンドをかけた最新鋭施設だそうだが、開業初日に荷物の運搬装置が機能せず、35便が欠航を余儀なくされた。応急措置として、BAは機内預け荷物の受け入れを制限し、7便は機内預け荷物をひとつも積まずに離陸したという。(以上、3月28日付けCITY A.M.紙に拠る)
空港運営会社BAA発行の”Terminal 5: Information”によれば、開業へ向けた予行演習は昨年9月に開始されている。荷物の搬送システムというこの施設の目玉とも言うべき設備が、入念な準備にもかかわらず、何故、機能しなかったのだろうか。
この国で暮らして感じるのは、実際に使う人のことが考慮されているとは思えない施設が多いことである。毎日通勤で利用する地下鉄が、車両や信号の故障で頻繁に不通になることは以前にも書いたが、駅の構造も妙である。例えば、私の職場の最寄り駅では、プラットホームと改札階との連絡はエスカレーターとエレベーターだけで階段が無いのである。朝の通勤時間帯には、到着する列車から多くの客が吐き出されるが、その人たちがエスカレーターの乗り口に集中し、ホームは人で溢れかえる。万が一の事態があれば、エスカレーターに人が集中して、混乱が生じることは容易に想像がつく。ほかにもいろいろあるのだが、生活上の小さな不満は数限りない。
おそらく、問題の搬送システムも、作業員の操作の便を考慮していなかったのではないだろうか。この国の仕組みとして、手先を動かし、汗水を流すことへの敬意が無いように思う。メディアでは、人権がどうの、フェアトレードがどうのと賑やかな割に、差別意識は人一倍強く、地道な労苦を厭う傾向があるように感じられる。
空港運営会社BAA発行の”Terminal 5: Information”によれば、開業へ向けた予行演習は昨年9月に開始されている。荷物の搬送システムというこの施設の目玉とも言うべき設備が、入念な準備にもかかわらず、何故、機能しなかったのだろうか。
この国で暮らして感じるのは、実際に使う人のことが考慮されているとは思えない施設が多いことである。毎日通勤で利用する地下鉄が、車両や信号の故障で頻繁に不通になることは以前にも書いたが、駅の構造も妙である。例えば、私の職場の最寄り駅では、プラットホームと改札階との連絡はエスカレーターとエレベーターだけで階段が無いのである。朝の通勤時間帯には、到着する列車から多くの客が吐き出されるが、その人たちがエスカレーターの乗り口に集中し、ホームは人で溢れかえる。万が一の事態があれば、エスカレーターに人が集中して、混乱が生じることは容易に想像がつく。ほかにもいろいろあるのだが、生活上の小さな不満は数限りない。
おそらく、問題の搬送システムも、作業員の操作の便を考慮していなかったのではないだろうか。この国の仕組みとして、手先を動かし、汗水を流すことへの敬意が無いように思う。メディアでは、人権がどうの、フェアトレードがどうのと賑やかな割に、差別意識は人一倍強く、地道な労苦を厭う傾向があるように感じられる。