熊本熊的日常

日常生活についての雑記

されど、どら焼き

2012年09月01日 | Weblog

明日、所用で新潟へ出かけるのに手土産を用意しようと思い、浅草へ出かけた。お目当ては、どら焼きだ。お茶を習っていた頃は、毎回美味しいお茶菓子を頂くので、どこそこのナントカという美味しいリストのようなものが自分の舌の記憶として蓄積されてきたものだ。また、そこから会話で周辺情報も加わり、茶菓子に限らず、日常生活のなかのちょっとしたことへの知恵のようなものもついてくる。それが、そういうルーチンが失われてしまうと、そのリスト自体が消えてしまう。寂しいことだが、かといって今はお茶の稽古を再開する気持ちはあまり強くはない。

どら焼きに関しては、上野のうさぎやのものが好きだ。よほどそのうさぎやのどら焼きを持って行こうかと思ったのだが、念のため職場で隣の席の物知りに尋ねてみた。彼の答えは、「うさぎやもいいですけど、まだ召し上がったことが無いなら浅草の亀十のものも試されたらどうですか」というので、こうして浅草を訪れたのである。店の場所はすぐにわかった。雷門の向かいで、大きな看板が出ていて、一見するとごく普通の土産菓子屋のようだ。昼過ぎに店に着いたのだが、行列こそできていないが、ひっきりなしに客が訪れ、それにテキパキと対応する店員がいて、いかにも人気店らしい風情だ。とりあえず、味見用に白あんと黒あんをひとつづつ頂く。

見た目のインパクトは大きい。まず、でかい。皮はふわふわ。自分のなかにあった「どら焼き」のイメージを大きく変える食体験だ。自分の「どら焼き」というイメージのなかの最高を選べと言われれば、うさぎやかもしれない。しかし、何事にも創意工夫や革新というものが無ければ続くものではない。きっとこのどら焼きの創始者は熱い思いで、これまでにないどら焼きを作ろうと、このどら焼きにたどり着いたのではあるまいか。かなり大きなどら焼きだが、そんなことを考えながら食べていると2つくらいはぺろっといける。