熊本熊的日常

日常生活についての雑記

はるばるブルネイ

2012年06月05日 | Weblog

現地時間の午前6時半頃にシンガポールに着く。乗り継ぎ便は11時55分発で、チェックインカウンターはトランジットといえども3時間前にならないと開かないのだそうだ。過去を振り返れば、ブリスベンからマウント・アイサへバスで向かっていたとき、進路上の悪天候のためロング・リーチで運行が打ち切られ、深夜1時にバスを降ろされたことがある。このとき、そのバスに乗ったままブリスベンへ引き返すか、翌日のバスに乗るかという選択肢があった。私は後者を選んだわけだが、オーストラリアの田舎町というのは、今の日本では例えるものがないほど田舎なのである。そこで翌日の深夜1時に来る予定のバスを待った。それほど客の乗っていないバスだったが、私と同じ選択をしたのは3人くらいだったと記憶している。それぞれに深夜の暗闇に消えていった。そのときの私はとりあえずバス停のベンチに腰をおろしていた。『フォレスト・ガンプ』のオープニングでは主人公がバス停のベンチに座って相手かまわず隣に座った人を相手に自分のことを語るのだが、そのときの私には隣に座る人もなければ、誰かがいたとしても、その人にすすめる箱入りのチョコレートもなかった。

乗り継ぎ便が遅延したのでシンガポール空港には6時間滞在し、さらに空港に駐機中の飛行機なかで1時間過ごすことになった。出張資料の準備で寝不足が続いていた上に、羽田=シンガポールは6時間半ちょいという中途半端なフライトなので、食事を断って寝たところで寝不足は蓄積されていくだけだ。ちょうどよい機会なのでターミナル内のベンチで横になる。もちろんしっかり眠ることはできないが、身体はだいぶ楽になった。

ブルネイからの便が遅れ、その折り返しとなる私の搭乗便も出発が1時間ほど遅れることになった。その搭乗便にはVIPが搭乗するとかで、チェックインバゲジも念入りに調べたら不審物が発見されたという。飛行機のドアを閉め、出発直前という段になって、その荷物と荷物の持ち主が機外へ排除されることになった。遅延している飛行機の出発間際に乗り込んできたマッチョな男性2人組でちょっとラリっている風だ。乗務員との間で多少言い合いはあったが、比較的おとなしく降りていった。この騒動でシンガポール出発がさらに1時間遅れた。飛行は比較的順調で遅れを20分ほど縮めたが、ブルネイに到着してからそのVIPを先に降ろすとかでターミナルビルに駐機する前に15分ほど儀式めいた催しがあったので、結局2時間遅れのまま到着となった。

機内で食事が出たとき、「ベジタリアン用の食事はありますか」と尋ねてみた。すると「ベジタリアン用というのはないが、ソースを掛ける前のチキンのグリルがあります」という。はじめ意味がよくわからなかったが「clean」だというのである。なるほど鶏を忌避する宗教というのは聞いた事がないし、ソースが掛かっていないので、肉汁もない。「それでいいです」といっていただいたものの、食べてみて後悔した。ソースをかけるつもりで作ったものにソースを掛けないというのは無謀というよりほかにない。たまにベジタリアンのふりをするのだが、そういうことは慎んだほうがよいようだ。

ブルネイでの宿泊先はリゾートホテルだ。部屋は46㎡あり、これは私の巣鴨の住処よりも広い。敷地も180haなので、ふらりと街に出て、コンビニで水を調達したり、地元の食堂でわけのわからないものを頂くというようなことが出来ない。そもそも門の外はジャングルだ。コンビニなどあろうはずもないのである。仕方がないので、夕食はホテルのなかで一番カジュアルな店でバイキングを頂く。明日からどうしようかと悩む。贅沢な料理がふんだんにあるのに、水や粗末な軽食がないというのも奇妙なことだ。


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