熊本レポート

文字の裏に事件あり

1年程前にホテル日航熊本で下書きされた菊池市庁舎整備等の絵

2015-06-17 | ブログ

 菊池市は明日(18日)、桜山配水池(機械設備、電気計装・予定価格1億3000万円)と市営プール建築工事(予定価格2億250万円)の入札審査を終えたと、その落札者を発表する。
 同市は7月、今期最大事業とされる庁舎整備事業(同増改築・約25億円)と生涯学習センター(約17億円)の着工に向けて入札を実施するが、今回の入札はその庁舎整備等の入札、発注と密接にリンク、いや後の庁舎整備等の入札を基本に繋がっていると確信される。1年間の検証結果として詳細に7月末で報告となるが、今回はその序論。
 先に断っておくが同入札は、行政的には首長に管理責任があるものの後述する現場サイドの意地からの抵抗からして、シナリオは外部作といえる。さらに説明を加えると、入札担当の責任者は同審査委員長でもある副市長。
 入札は郵便入札による条件付一般競争入札で、その設定された条件が実に興味深い内容なので紹介すると、配水池築造工事の方は参加資格の第一条件が県内に本社を置く企業。ここで同種施工でもメジャー級である九電工が除外された。
 公正、公平な発注を謳う市長なら菊池市内業者の育成、利益配分から地元業者と県内大手業者との共同企業体で全員参加を図ったと考えるが、提案者が地元ながら部外者だったのか、その理想に壁を敷いた。単独1社への発注として、しかも第2の条件で経営審査点数800点以上としたのだ。地元の菊池市で唯一残ったのは宮本電気工事。
 ところが、それに追い討ちを掛けたのが第3の条件。同種9300万円(同事業の70パーセント)の実績を参加資格で求めたのである。そもそも地元業者との2社JVが否定された時点で、菊池市内の業者には同事業への道が断たれた。
 それでは九電工外しは何を意味したかとなるが、ここまで条件によって重ね重ね絞り困れると、これは一般競争入札からは離脱した特命発注に向けた作業。この異様な行為が首長に出来るかとなると、常識的に市民の誰もが首を傾げる。
 同入札の案内で、業者なら「小学生の戯言か」と思う問答集が添付資料として出た。水道課の作成と考えられるが、公平な入札を前に「既設業者は◯◯」と特定の業者名を発表したのだ。該当業者には、脚本家側に余程の密接な係わりでもない限り致命傷。
 さて、目前で見逃した宮本電気工事だが、地元業者の代表として同脚本家側に噛みついたとも想像される。7月の大事業で、同業代表として貸しがどこまで実るかが注目される。
 次に市営プール建築工事(予定価格約2億250万円)の方だが、こちらは地元Aランク(7社)の中での2社JVが条件で、少なくとも菊池郡市の13社の参加ならともかく、指名入札と何ら変わらない3組の中の1組となると、ここは八方建設・美麗建設工業の共同企業体と直ぐ頭に浮かぶ。ついでに落札率まで予想すると、公正取引委員会が談合入札と想定する90パーセントは軽く超えると予想。この契約金額が、実はこれが必ず注目されることになるから市民には特注である。
 残るは関係者が最も注目する7月の庁舎整備(増改築)、生涯学習センターということになるが、配分約1億円のプール建設と、地元4割配分の庁舎整備・生涯学習センター建設とを比べたら、そこで機械、電気設備分の約50パーセントを差し引いても先のプール建設受注組には、普通なら悔し涙。そこで再び思惑が浮上する。
 生涯学習センターの方はともかく、庁舎増改築は再び取って付けたような理由で、例えば仮定の話だが西松建設のような全国中堅ゼネコンに一本化発注という策がある。そこで地元4割配分の下請受注と我を通せば、Aランク7社の菊池市なら通る常識。今までなら裏まで覗く、そうした暇な市民もいない。
 そうなると焦点は、辿り着く庁舎増改築の下請け業者群。ところが公正、公平を願う菊池市民が、いつまでも我が儘を許すかという賭けもある。その彼らが忘れかけていたハードルで、国税まで入れての検証となると、1年も前からホテル日航熊本で描いたのだと怒鳴っても、赤く燃える絵という結末も想定されて来るのだが・・・。