法王、訪韓後の機上で「少女連行、利用された」(読売新聞) - goo ニュース
訪問先の韓国からの帰国するに際して、ローマ法王は、機内での記者会見で慰安婦問題について発言されたと報じられています。「侵略下、少女だった彼女たちは兵舎に連れてこられ、利用された。しかし、彼女たちは人間としての威厳を失っていなかった」と…。
韓国国内では、ローマ法王のご発言は、韓国の主張に寄り添うものと解釈し、日本批判の材料になると歓迎しているようです。日本国のマスコミでも同様の論調が見受けられる一方で、ネット上では韓国よりの姿勢を示したとして、法王に対する反発もあるようですが、ローマ法王は、必ずしも韓国の主張を全面的に支持しているとは思えないのです。このご発言は、機内での記者会見において記者からの質問を受ける形で公表されており、質疑応答の全文は、アメリカのカトリック団体のサイトに掲載されています。全文を読み通しますと、法王は、朝鮮戦争による南北分断を念頭に、何度となく戦争による悲劇や被害者に心を寄せています。慰安婦に対する上記の発言は、戦争被害の文脈で語られているのですが、全体を通して法王が強調されていることは、韓国人の”威厳”です。慰安婦のみならず、過去に何度となく侵略を受けた歴史がありながら、それでも、韓国人は、”威厳”を保っていたと評しているのです。実のところ、弱い者に対しては威圧的で横暴な態度で接しながら、強い者に対しては卑屈に徹する韓国人の国民性を嫌と言うほど見せつけられてきた日本人としては、この”威厳”という韓国人評に対して複雑な感覚を覚えるのですが、法王が敢えてこの言葉を使われたことには、何か、特別の意味があるのかもしれません。そして、法王庁が、世界でも屈指の情報収集能力を有し、世界の歴史に目配りをしてきたことを考慮しますと、”侵略下”や”兵舎への連行”といった第二次世界大戦当時の慰安所の状況とは異なる説明をし、しかも、慰安婦を主語とする受動態とすることで、”連行して利用した”動作主を省いてしまったことには、慰安婦問題をめぐる日韓間の対立に対する配慮を感じさせます。韓国側は、動作主を”日本国”と解釈しようとするかもしれませんが、日本国側からしますと、動作主は”事業者”と理解できますし、”慰安婦”は、朝鮮戦争時の韓国軍直属、あるいは、政府管理下の慰安婦とも解釈できます。
韓国政府は、慰安婦問題に関する親韓的な言質をローマ法王からとり、全世界のカトリック信者を自国の味方にする好機と捉えていたようです。しかしながら、この政治利用の試みは、必ずしも思惑通りにはいかなかったように思えるのです。
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韓国国内では、ローマ法王のご発言は、韓国の主張に寄り添うものと解釈し、日本批判の材料になると歓迎しているようです。日本国のマスコミでも同様の論調が見受けられる一方で、ネット上では韓国よりの姿勢を示したとして、法王に対する反発もあるようですが、ローマ法王は、必ずしも韓国の主張を全面的に支持しているとは思えないのです。このご発言は、機内での記者会見において記者からの質問を受ける形で公表されており、質疑応答の全文は、アメリカのカトリック団体のサイトに掲載されています。全文を読み通しますと、法王は、朝鮮戦争による南北分断を念頭に、何度となく戦争による悲劇や被害者に心を寄せています。慰安婦に対する上記の発言は、戦争被害の文脈で語られているのですが、全体を通して法王が強調されていることは、韓国人の”威厳”です。慰安婦のみならず、過去に何度となく侵略を受けた歴史がありながら、それでも、韓国人は、”威厳”を保っていたと評しているのです。実のところ、弱い者に対しては威圧的で横暴な態度で接しながら、強い者に対しては卑屈に徹する韓国人の国民性を嫌と言うほど見せつけられてきた日本人としては、この”威厳”という韓国人評に対して複雑な感覚を覚えるのですが、法王が敢えてこの言葉を使われたことには、何か、特別の意味があるのかもしれません。そして、法王庁が、世界でも屈指の情報収集能力を有し、世界の歴史に目配りをしてきたことを考慮しますと、”侵略下”や”兵舎への連行”といった第二次世界大戦当時の慰安所の状況とは異なる説明をし、しかも、慰安婦を主語とする受動態とすることで、”連行して利用した”動作主を省いてしまったことには、慰安婦問題をめぐる日韓間の対立に対する配慮を感じさせます。韓国側は、動作主を”日本国”と解釈しようとするかもしれませんが、日本国側からしますと、動作主は”事業者”と理解できますし、”慰安婦”は、朝鮮戦争時の韓国軍直属、あるいは、政府管理下の慰安婦とも解釈できます。
韓国政府は、慰安婦問題に関する親韓的な言質をローマ法王からとり、全世界のカトリック信者を自国の味方にする好機と捉えていたようです。しかしながら、この政治利用の試みは、必ずしも思惑通りにはいかなかったように思えるのです。
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