万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

慰安婦問題の”普遍化”の目的は”中国化”では?

2014年08月30日 14時16分25秒 | 国際政治
 歴史問題に関して、中国と韓国が対日共闘関係にあることは周知の事実です。アメリカにおける慰安婦像設置運動においても、韓国系団体による単独の活動ではなく、中国系の団体が積極的に支援しています。

 慰安婦問題は、第二次世界大戦時における朝鮮半島出身の慰安婦達の賃金や預金等の問題となりますと、当然に日韓に限定された二国間問題となり、それは、日韓請求権協定で解決済となります。この状態では中国が入り込む隙はないのですが、この問題が、戦時における女性の人権問題として普遍化されますと、中国にもこの問題を利用できる機会を手に入れることができます。中国の戦略を予測しますに、戦時中に日本軍による女性に対する著しい人権問題があったことを日本国や国際社会に認めさせることが肝心なのでしょう。しかも、日本国を、元慰安婦達の証言のみで賠償請求できる状況に追い込むことができれば、目的を達成したことになります。即ち、一端、韓国人慰安婦で前例を造れば、中国人の元慰安婦達が、日本国に対して謝罪と賠償を求め、後から続々と雨後の竹の子のように出現することでしょう。このように考えますと、朝日新聞社が、自社の虚報を認めつつも、普遍化に固執する理由も解けてきます。

 中国が、本心から韓国の元慰安婦達に同情を寄せて慰安婦運動に加担しているとは考え難く、その裏には、深謀遠慮の思惑が働いているはずです。そして、アメリカにおいて積極的にこの運動を展開している背景もまた、最後には、中国に対して厳しく人権状況を批判してきたアメリカに対するカードとして使えると踏んでいるのでしょう。しかしながら、中国こそ、その長い歴史において女性達を悲惨な境遇に置いてきたことを思えば、この普遍化、否、中国化の試みは、自らにブーメランとなって返ってくるのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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