万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

エボラ出血熱の危機-日本国は新薬で貢献を

2014年08月09日 15時12分23秒 | 国際政治
エボラ熱封じ込め 人・資金・物資不足で「限界」(産経新聞) - goo ニュース
 西アフリカで発生したエボラ出血熱は、パンデミックを引き起こす恐れもあり、対策が急がれています。ところが、現地では、死者の葬礼に関する慣習の違いもあって、”封じ込め”に手間取っていると報じられています。

 エボラ出血熱は、直接的な皮膚接触により感染するため、一度に大量の患者が発生しますと、治療がさらに困難となります。感染を防ぐには、完全なる防菌装備に身を包んだ医療スタッフの活動が必要であり、現地で必要数の装備を調達することは簡単なことではありません。拡大を抑える”封じ込め作戦”に限界があるとしますと、次なる作戦は、罹患しても治してしまう”ウィルス撲滅作戦”です。幸いにして、エボラ出血熱には治療薬が存在せず、致死率が高い感染病ですが、富士フィルムグループの富山化学工業が開発した新薬の「ファビピラビル」に、エボラ出血熱に対する治療効果が期待されているそうです。インフルエンザ薬としては、臨床の最終段階にまで至っていますが(今年3月に製造販売承認を獲得…)、エボラ出血熱用の治療薬としては、申請の第一段階のあるそうです。今般、エボラ出血熱の流行が、国際社会に脅威と不安を与えているため、アメリカ政府も、承認手続きを急いでるとも報じられています(富山化学工業は米製薬企業メディベクターと提携)。

 現在、日本国は、STAP細胞事件以来、日本国の科学技術に対する信頼が揺らぐという事態に直面しておりますが、エボラ出血熱に対する新薬の提供は、失われた信頼の回復にも繋がるかもしれません。日本国政府もまた、新薬の承認手続きを早めるべく、何らかの方策を講じるべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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