フィリピン、中国側の条件付き対話要請を拒否 南シナ海問題で
中国は、今月12日に常設仲裁裁判所で示された判決を拒絶し、あくまでも”武力による解決”を目指しているように見えます。ドゥテルテ大統領の下で親中路線への転換が懸念されていたフィリピンの態度も硬化し、当判決を無視した中国側の条件付対話要請を拒否したとも報じられております(なお、中国が判決履行を拒否する場合、仲裁手続き上、フィリピンには、常設仲裁裁判所に対して履行を訴える権利がある…)
それでは、中国が、仲裁判決を無視したまま人工島の建設を続行した場合、何が起きるのでしょうか。何れのルートであれ、まずは、国連安保理での解決が模索されるのでしょうが、その一方で、米比相互防衛条約が発動される可能性も否定はできません。何故ならば、当条約の第4条には、「各締約国は、太平洋地域におけるいずれか一方の締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」とあるからです。中国海軍の呉勝利司令官は、人工島の建設続行を明言しており、「南シナ海は中国の核心的利益だ。領土の主権で、我々の譲歩を期待するべきではない」と述べております。仮に、スカボロー礁での人工島建設を継続するとしますと、中国は、「九段線」が完全に否定された以上、フィリピンの領土を侵略したに等しくなります。
第一に、中国は、1994年にミスチーフ礁に建造物を建設し占領しますが、同礁は、フィリピンのEEZ内にあります。国際法上、他国のEEZ内に人工島を勝手に建設することはできず、中国は、違法にフィリピンの権利を侵害していることになるのです。第二に、中国がスカボロー礁に人工島を建設し始めるのは2013年頃ですが、フィリピンは、それ以前の1998年8月に、憲法を改正して同礁を正式に自国の領土としています。スカボロー礁は、ミスチーフ礁とは違い、満潮時にも水没しない岩礁であり、領海を設定することができる領土です。「九段線」が否定された以上、中国によるスカボロー礁の人工島を埋め立てて軍事基地化するとしますと、フィリピンの領土を侵略していることになるのです。
同条約の発動条件として、”武力攻撃(armed attack)”とありますが、武装漁民による占領、人工島の建設、軍用施設の設置、並びに、海軍艦船や空軍機の運用は人民解放軍による軍事活動であり、両国の判断次第では、”武力攻撃”とみなされる可能性もあります。南シナ海での緊張は高まりを見せておりますが、何れにせよ、平和を望むならば、中国には仲裁判決に従うしか道はないと思うのです。
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中国は、今月12日に常設仲裁裁判所で示された判決を拒絶し、あくまでも”武力による解決”を目指しているように見えます。ドゥテルテ大統領の下で親中路線への転換が懸念されていたフィリピンの態度も硬化し、当判決を無視した中国側の条件付対話要請を拒否したとも報じられております(なお、中国が判決履行を拒否する場合、仲裁手続き上、フィリピンには、常設仲裁裁判所に対して履行を訴える権利がある…)
それでは、中国が、仲裁判決を無視したまま人工島の建設を続行した場合、何が起きるのでしょうか。何れのルートであれ、まずは、国連安保理での解決が模索されるのでしょうが、その一方で、米比相互防衛条約が発動される可能性も否定はできません。何故ならば、当条約の第4条には、「各締約国は、太平洋地域におけるいずれか一方の締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」とあるからです。中国海軍の呉勝利司令官は、人工島の建設続行を明言しており、「南シナ海は中国の核心的利益だ。領土の主権で、我々の譲歩を期待するべきではない」と述べております。仮に、スカボロー礁での人工島建設を継続するとしますと、中国は、「九段線」が完全に否定された以上、フィリピンの領土を侵略したに等しくなります。
第一に、中国は、1994年にミスチーフ礁に建造物を建設し占領しますが、同礁は、フィリピンのEEZ内にあります。国際法上、他国のEEZ内に人工島を勝手に建設することはできず、中国は、違法にフィリピンの権利を侵害していることになるのです。第二に、中国がスカボロー礁に人工島を建設し始めるのは2013年頃ですが、フィリピンは、それ以前の1998年8月に、憲法を改正して同礁を正式に自国の領土としています。スカボロー礁は、ミスチーフ礁とは違い、満潮時にも水没しない岩礁であり、領海を設定することができる領土です。「九段線」が否定された以上、中国によるスカボロー礁の人工島を埋め立てて軍事基地化するとしますと、フィリピンの領土を侵略していることになるのです。
同条約の発動条件として、”武力攻撃(armed attack)”とありますが、武装漁民による占領、人工島の建設、軍用施設の設置、並びに、海軍艦船や空軍機の運用は人民解放軍による軍事活動であり、両国の判断次第では、”武力攻撃”とみなされる可能性もあります。南シナ海での緊張は高まりを見せておりますが、何れにせよ、平和を望むならば、中国には仲裁判決に従うしか道はないと思うのです。
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