プーチン大統領と会見、4島交渉「別の問題」
プーチン大統領の訪日を前にして、日本国内では、北方領土問題における進展を期待する声が随所から聞こえていました。色丹島と歯舞群島の2島返還論も、交渉妥結を前にした高揚感を表わすかのように、新聞の一面に踊っていました。しかしながら、この期待も、ロシア側による否定報道により急速に萎んでいます。
ロシア側の姿勢が硬化した背景には、アメリカにおけるトランプ大統領の当選の影響も指摘されていますが、この豹変については、必ずしも悲観する必要はないように思われます。その理由は、以前より懸念されていたように、仮に、二島返還を以って平和条約を締結した場合、択捉島と国後島は、永遠に日本国に戻ってこない可能性があったからです。プーチン大統領は、北方4島は第二次世界大戦における”戦利品”と主張していますが、日ソ間では戦争らしい戦争は行われておらず、日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連邦による一方的な侵略でした。両国が正々堂々と戦争を戦ったわけではなく、第二次世界大戦末期における連合国間の”密約”によって、ソ連軍が”火事場泥棒”の如くに北方領土を占領してしまったのです。また、”密約”であるヤルタ協定については、アメリカのみならず、イギリスでも違法とする見解であったことが判明しており、当事国3国の内、2国までが有効性を認めないとなりますと、ロシア側の根拠も失われます。しかも、ソ連軍は、ポツダム宣言のみならず、降伏文書への調印後においても停戦を守らず、占領を継続したのですから、あらゆる方角から照らしても、国際法違反であることは明白です。
仮に、今般、日ロ間で妥協が成立し、侵略による領土拡張というソ連邦の蛮行が追認されたとしますと、それは、日本国のみならず、国際社会においても悪しき前例となります。中国もまた、日本国の妥協に勢いづいて、尖閣諸島を含む周辺地域への侵略を試みるかもしれません。国際社会の”無法化リスク”を考慮すれば、ロシア側からの拒否はむしろ救いですらあります。日本国政府は、ロシアが領土交渉を拒否した以上、常設仲裁裁判所への単独提訴をも念頭に、司法解決を目指すべきではないでしょうか。プーチン大統領の来日に際しては、是非、司法解決の提案をお願いしたいと思うのです(仮にロシア側が応じれば、ICJでも解決可能…)。
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プーチン大統領の訪日を前にして、日本国内では、北方領土問題における進展を期待する声が随所から聞こえていました。色丹島と歯舞群島の2島返還論も、交渉妥結を前にした高揚感を表わすかのように、新聞の一面に踊っていました。しかしながら、この期待も、ロシア側による否定報道により急速に萎んでいます。
ロシア側の姿勢が硬化した背景には、アメリカにおけるトランプ大統領の当選の影響も指摘されていますが、この豹変については、必ずしも悲観する必要はないように思われます。その理由は、以前より懸念されていたように、仮に、二島返還を以って平和条約を締結した場合、択捉島と国後島は、永遠に日本国に戻ってこない可能性があったからです。プーチン大統領は、北方4島は第二次世界大戦における”戦利品”と主張していますが、日ソ間では戦争らしい戦争は行われておらず、日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連邦による一方的な侵略でした。両国が正々堂々と戦争を戦ったわけではなく、第二次世界大戦末期における連合国間の”密約”によって、ソ連軍が”火事場泥棒”の如くに北方領土を占領してしまったのです。また、”密約”であるヤルタ協定については、アメリカのみならず、イギリスでも違法とする見解であったことが判明しており、当事国3国の内、2国までが有効性を認めないとなりますと、ロシア側の根拠も失われます。しかも、ソ連軍は、ポツダム宣言のみならず、降伏文書への調印後においても停戦を守らず、占領を継続したのですから、あらゆる方角から照らしても、国際法違反であることは明白です。
仮に、今般、日ロ間で妥協が成立し、侵略による領土拡張というソ連邦の蛮行が追認されたとしますと、それは、日本国のみならず、国際社会においても悪しき前例となります。中国もまた、日本国の妥協に勢いづいて、尖閣諸島を含む周辺地域への侵略を試みるかもしれません。国際社会の”無法化リスク”を考慮すれば、ロシア側からの拒否はむしろ救いですらあります。日本国政府は、ロシアが領土交渉を拒否した以上、常設仲裁裁判所への単独提訴をも念頭に、司法解決を目指すべきではないでしょうか。プーチン大統領の来日に際しては、是非、司法解決の提案をお願いしたいと思うのです(仮にロシア側が応じれば、ICJでも解決可能…)。
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