自民党では、本格的に改憲草案の作成作業が始まっており、論点となってきた教育の無償化については、第26条の3項に政府の努力義務として加える方針のようです。そう遠くない日に憲法改正を問う国民投票が実施されるのでしょうが、実施に先立って、重要な議論が抜けているように思えます。
それは、国民投票の実施に際しての国民の投票形式です。今般の改正項目としては、(1)第9条、(2)緊急事態条項、(3)参院選の合区解消、(4)教育無償化の4つに絞られています。しかしながら、この4項目、国民は、個別に選択することができるのでしょうか。
国民の中には、4項目全てには賛成できないけれども幾つかは承認したい、あるいは、何れかの一つだけは絶対に賛成しかねる、といった人々も存在しているはずです。仮に、一括選択方式が採用され、個別の項目について国民が一つ一つ丁寧に判断できないとなりますと、改正憲法が国民の選択を正確に反映したとは言い難い状況に至ることも予測されます。例えば、これらの4項目の中には、大多数の国民が反対するような改正項目が含まれているにも拘わらず、他の項目に対する賛意が牽引する形で改正が成立するかもしれません。また逆に、国際情勢等に鑑みて必要とされる改正が、他の項目に対する反対多数の影響で見送られてしまう可能性も否定はできないのです。ア・ラ・カルトで国民が個別に選択することができない一括選択方式では、いわば、“抱き合わせ販売”になりかねず、最悪の場合には、憲法改悪という予期せぬ結果を招くかもしれないのです。
憲法改正は、日本史上において初めての出来事であり、不安を抱く国民も少なくはありません。政府であれ、政党であれ、まずは、どのような形式で国民投票を実施するのか、国民に詳しく説明する必要があるのではないでしょうか。そして、憲法改正案の提案方式について議論するに際しては、一括方式に内在する上記の“牽引効果”及び“ブロック効果”の両面を十分に考慮し、是非とも、個別選択方式を検討していただきたいと思うのです。
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
にほんブログ村
それは、国民投票の実施に際しての国民の投票形式です。今般の改正項目としては、(1)第9条、(2)緊急事態条項、(3)参院選の合区解消、(4)教育無償化の4つに絞られています。しかしながら、この4項目、国民は、個別に選択することができるのでしょうか。
国民の中には、4項目全てには賛成できないけれども幾つかは承認したい、あるいは、何れかの一つだけは絶対に賛成しかねる、といった人々も存在しているはずです。仮に、一括選択方式が採用され、個別の項目について国民が一つ一つ丁寧に判断できないとなりますと、改正憲法が国民の選択を正確に反映したとは言い難い状況に至ることも予測されます。例えば、これらの4項目の中には、大多数の国民が反対するような改正項目が含まれているにも拘わらず、他の項目に対する賛意が牽引する形で改正が成立するかもしれません。また逆に、国際情勢等に鑑みて必要とされる改正が、他の項目に対する反対多数の影響で見送られてしまう可能性も否定はできないのです。ア・ラ・カルトで国民が個別に選択することができない一括選択方式では、いわば、“抱き合わせ販売”になりかねず、最悪の場合には、憲法改悪という予期せぬ結果を招くかもしれないのです。
憲法改正は、日本史上において初めての出来事であり、不安を抱く国民も少なくはありません。政府であれ、政党であれ、まずは、どのような形式で国民投票を実施するのか、国民に詳しく説明する必要があるのではないでしょうか。そして、憲法改正案の提案方式について議論するに際しては、一括方式に内在する上記の“牽引効果”及び“ブロック効果”の両面を十分に考慮し、是非とも、個別選択方式を検討していただきたいと思うのです。
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
にほんブログ村