トランプ大統領「上院勝利は歴史的快挙」民主党に連携呼びかけ
昨日、11月18日、全世界の注目を集める中、米議会上下両院の議員を選出する中間選挙が行われました。開票結果を見ますと、上院は共和党、下院は民主党が過半数を制し、少なくとも今後2年間は、両院間のみならず、大統領と下院との間にも‘捩じれ状態’が続くこととなります。
同選挙結果に関しては、共和党が下院で多数派の地位を失ったにも拘らず、トランプ大統領が‘大成功であった’とツウィートする一方で、熱心な民主党支持者や伝統的に民主党を支持してきたマスメディアも、手放しで勝利の美酒に酔いしれているようにも見えません。また、選挙結果に対する街頭インタヴューでは、民主党に対する積極的な支持というよりも、‘下院での民主党勝利の結果は、米市民のバランス感覚の結果では…’とする意見も少なくないのです。
バランス感覚論とは、アメリカ政治において共和党が大統領、上院、下院の何れの統治機関をも単独で独占すると権力の暴走が起きやすくなるので、安全装置としての制御作用を働かせるために、下院は民主党優位の状態に敢えてバランスをとったというものです。アメリカの統治制度は、建国以来、相互制御の仕組み=チェック・アンド・バランスを組み込んで設計されていますので、今般の選挙は、米国民の多くがこの仕組みを利用したことになります。おそらく、上院選挙では共和党の候補者に一票を投じる一方で、下院選挙では民主党候補者を選択した有権者も少なくなかったことでしょう。
第2に、バランス面から今般の選挙で注目される点は、女性議員数の急増です。民主党の当選者の中には、史上最年少にして中南米出身の女性やイスラム教徒の女性が当選を果たしており、いかにも多様性を志向する民主党好みの展開も見られました。その一方で、女性議員の増加は、今回の選挙結果が、マスメディアを始めとした伝統的な民主党支持層から歓迎を受けない理由の一つでもあるように思われます。何故ならば、女性は一般的に治安を重視する傾向にありますので、共和党であれ、民主党であれ、女性議員たちが、ホンジュラス等から押し寄せる大規模移民集団を無条件で受け入れるよう主張するとは思えないのです。つまり、民主党から選出された女性議員たちは、移民・難民政策に関しては、同じく民主党選出の男性議員たちよりも寛容ではないかもしれず、むしろ共和党と協力する可能性もあるのです。
また、当選した民主党女性議員の全員がマイノリティー出身者というわけではなく、白人系の女性達も少なくありません。ここに第3のバランス感覚が働いたとすれば、前回、共和党に投票した有権者も、民主党内の無制限の移民の容認などの極端で破壊的でもある政策を制御するために、あえて民主党の白人系女性候補者に投票したのかもしれません。テキサス州上院選での共和党現職のテッド・クルーズ氏の、オバマ前大統領の再来との呼び声の高かったベト・オルーク民主党候補者を破っての勝利は、民主党の男性議員にとっては不利な選挙戦であったことを示唆しています。つまり、共和党に対する外部からの制御と同時に、民主党に対する内部からの制御の働きをこれらの女性議員に期待したのかもしれません。いわば、二重の意味でバランスをとったとする見方もできるのです。
そして、第4のバランスとして指摘し得る点は、外政と内政との一種の‘棲み分け’です。アメリカの有権者は、対外政策に関する権限を有する大統領や上院に関しては、よりタカ派のポジションにある共和党に任せ、より全体に対するきめ細かな気配りや弱者への配慮を要する内政部門に関しては、民主党に期待したのかもしれません。もっとも、リベラルなグローバル志向の強い民主党が必ずしも米国民に‘やさしい’とは限らず、自国民軽視が前回の選挙戦での敗北の原因でもありました。
今般の選挙では1億人を越える米国民が投票所に足を運び、アメリカの政治史上、空前の選挙ともなりました。上記の分析が正しければ、国民の政治への関心の高まりは、バランス重視の方向へとアメリカ政治を導いたこととなります。とは申しますものの、バランスに配慮したつもりが制御作用のみが強まりますと、相互にデッドロック状態となり、統治機能が機能不全に陥るリスクもあります。中間選挙後のアメリカ政治の行方については、もうしばらく、慎重に様子を見てゆく必要があるように思えるのです。
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昨日、11月18日、全世界の注目を集める中、米議会上下両院の議員を選出する中間選挙が行われました。開票結果を見ますと、上院は共和党、下院は民主党が過半数を制し、少なくとも今後2年間は、両院間のみならず、大統領と下院との間にも‘捩じれ状態’が続くこととなります。
同選挙結果に関しては、共和党が下院で多数派の地位を失ったにも拘らず、トランプ大統領が‘大成功であった’とツウィートする一方で、熱心な民主党支持者や伝統的に民主党を支持してきたマスメディアも、手放しで勝利の美酒に酔いしれているようにも見えません。また、選挙結果に対する街頭インタヴューでは、民主党に対する積極的な支持というよりも、‘下院での民主党勝利の結果は、米市民のバランス感覚の結果では…’とする意見も少なくないのです。
バランス感覚論とは、アメリカ政治において共和党が大統領、上院、下院の何れの統治機関をも単独で独占すると権力の暴走が起きやすくなるので、安全装置としての制御作用を働かせるために、下院は民主党優位の状態に敢えてバランスをとったというものです。アメリカの統治制度は、建国以来、相互制御の仕組み=チェック・アンド・バランスを組み込んで設計されていますので、今般の選挙は、米国民の多くがこの仕組みを利用したことになります。おそらく、上院選挙では共和党の候補者に一票を投じる一方で、下院選挙では民主党候補者を選択した有権者も少なくなかったことでしょう。
第2に、バランス面から今般の選挙で注目される点は、女性議員数の急増です。民主党の当選者の中には、史上最年少にして中南米出身の女性やイスラム教徒の女性が当選を果たしており、いかにも多様性を志向する民主党好みの展開も見られました。その一方で、女性議員の増加は、今回の選挙結果が、マスメディアを始めとした伝統的な民主党支持層から歓迎を受けない理由の一つでもあるように思われます。何故ならば、女性は一般的に治安を重視する傾向にありますので、共和党であれ、民主党であれ、女性議員たちが、ホンジュラス等から押し寄せる大規模移民集団を無条件で受け入れるよう主張するとは思えないのです。つまり、民主党から選出された女性議員たちは、移民・難民政策に関しては、同じく民主党選出の男性議員たちよりも寛容ではないかもしれず、むしろ共和党と協力する可能性もあるのです。
また、当選した民主党女性議員の全員がマイノリティー出身者というわけではなく、白人系の女性達も少なくありません。ここに第3のバランス感覚が働いたとすれば、前回、共和党に投票した有権者も、民主党内の無制限の移民の容認などの極端で破壊的でもある政策を制御するために、あえて民主党の白人系女性候補者に投票したのかもしれません。テキサス州上院選での共和党現職のテッド・クルーズ氏の、オバマ前大統領の再来との呼び声の高かったベト・オルーク民主党候補者を破っての勝利は、民主党の男性議員にとっては不利な選挙戦であったことを示唆しています。つまり、共和党に対する外部からの制御と同時に、民主党に対する内部からの制御の働きをこれらの女性議員に期待したのかもしれません。いわば、二重の意味でバランスをとったとする見方もできるのです。
そして、第4のバランスとして指摘し得る点は、外政と内政との一種の‘棲み分け’です。アメリカの有権者は、対外政策に関する権限を有する大統領や上院に関しては、よりタカ派のポジションにある共和党に任せ、より全体に対するきめ細かな気配りや弱者への配慮を要する内政部門に関しては、民主党に期待したのかもしれません。もっとも、リベラルなグローバル志向の強い民主党が必ずしも米国民に‘やさしい’とは限らず、自国民軽視が前回の選挙戦での敗北の原因でもありました。
今般の選挙では1億人を越える米国民が投票所に足を運び、アメリカの政治史上、空前の選挙ともなりました。上記の分析が正しければ、国民の政治への関心の高まりは、バランス重視の方向へとアメリカ政治を導いたこととなります。とは申しますものの、バランスに配慮したつもりが制御作用のみが強まりますと、相互にデッドロック状態となり、統治機能が機能不全に陥るリスクもあります。中間選挙後のアメリカ政治の行方については、もうしばらく、慎重に様子を見てゆく必要があるように思えるのです。
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