トランプ米大統領によるオバマ政権時の2015年に成立したイラン核合意からの離脱は、イランによる核開発の再開というリアクションを誘発したようです。同合意によって定められた上限を越えるウラン濃縮に踏み切ったのですから、これまで西側諸国でありながらイランを支えてきたさしもの英独仏、並びに、EUも顔色を失っています。そして、この展開から見えてくるのは、イランの核の開発・保有に向けた不変の意思なのではないかと思うのです。
そもそも、トランプ政権がイラン核合意から撤退した理由は、同合意の内容が不十分であり、将来的にはイランに核保有の道を残していたからです。期限も15年と設定されておりましたので、同政権の懸念は合理的な根拠がないとは言えません。イランは、自らに課せられた制約が緩く、将来的な核開発・保有に含みを持たせていたからこそ、西側諸国との核合意文書に署名したとも言えるのです。仮に北朝鮮に対する核放棄の条件として示されたCVID方式であれば、イラン合意は決して成立することはなかったことでしょう。
少なくともイラン側の核合意の理解が、西側諸国による同国の将来的核保有に対する暗黙の承認であり、開発プロセスにおける一時的な休止期間に過ぎないとすれば、この理解は、トランプ政権のものと奇しくも一致しています。イランにしてみますと、休止期間の間に原油の輸出を梃子に核開発に要する外貨や技術を獲得できれば御の字であり、この意味において、核合意には署名するだけの価値があったのでしょう。一時的な妥協がその後にあって重大な危機をもたらすことは、歴史においてはしばしば人類が経験してきた判断の誤りです。
しかしながら、トランプ政権の合意からの撤退により石油取引に制限が課されますと、イランの上記のシナリオは大きく狂うこととなります。つまり、合意を維持するだけのメリットが失われるのです。中国を含む他の当事国の合意履行要請をあっさりと振り切ってイランがウラン濃縮を拡大させたのは、当初から核開発・保有を放棄するつもりは毛頭なかったからに他なりません。安倍首相のイラン訪問時にあって、同国の首脳は‘宗教的な信念からして核開発の意図はない’と説明したと報じられていますが、同国の行動を見る限り、この言葉には偽りがあったとしか言いようがないのです。
イランには核放棄の意思が全くないとしますと、トランプ大統領がイランに対して交渉の席に着くように促したとしても、それは無駄な試みとなりましょう。再交渉によってイランがCVID方式の核放棄に応じるとは到底考えられないからです。否、イランは、アメリカの核合意撤退を核開発再開の口実とできるのですから、‘渡りに船’であった可能性さえあります。一方、中国やロシアはこの件に関して今のところは沈黙しており、あるいは、両国の助言とサポートの下でイランは核開発を再開させたかもしれないのです(両国はイラン産の原油を独占するかもしれない…)。
このように考えますと、イランを核合意に復帰させる方向で働きかけるよりも、イランの核保有の意思は固いとみて対策を講じた方が賢明なようにも思えてきます。とりわけ、中ロがイランの核開発と保有を認めているとなりますと、NPT体制の根本に関わる問題ですので、国際社会は、核について抜本的な見直しを迫られることとなるように思えるのです。
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そもそも、トランプ政権がイラン核合意から撤退した理由は、同合意の内容が不十分であり、将来的にはイランに核保有の道を残していたからです。期限も15年と設定されておりましたので、同政権の懸念は合理的な根拠がないとは言えません。イランは、自らに課せられた制約が緩く、将来的な核開発・保有に含みを持たせていたからこそ、西側諸国との核合意文書に署名したとも言えるのです。仮に北朝鮮に対する核放棄の条件として示されたCVID方式であれば、イラン合意は決して成立することはなかったことでしょう。
少なくともイラン側の核合意の理解が、西側諸国による同国の将来的核保有に対する暗黙の承認であり、開発プロセスにおける一時的な休止期間に過ぎないとすれば、この理解は、トランプ政権のものと奇しくも一致しています。イランにしてみますと、休止期間の間に原油の輸出を梃子に核開発に要する外貨や技術を獲得できれば御の字であり、この意味において、核合意には署名するだけの価値があったのでしょう。一時的な妥協がその後にあって重大な危機をもたらすことは、歴史においてはしばしば人類が経験してきた判断の誤りです。
しかしながら、トランプ政権の合意からの撤退により石油取引に制限が課されますと、イランの上記のシナリオは大きく狂うこととなります。つまり、合意を維持するだけのメリットが失われるのです。中国を含む他の当事国の合意履行要請をあっさりと振り切ってイランがウラン濃縮を拡大させたのは、当初から核開発・保有を放棄するつもりは毛頭なかったからに他なりません。安倍首相のイラン訪問時にあって、同国の首脳は‘宗教的な信念からして核開発の意図はない’と説明したと報じられていますが、同国の行動を見る限り、この言葉には偽りがあったとしか言いようがないのです。
イランには核放棄の意思が全くないとしますと、トランプ大統領がイランに対して交渉の席に着くように促したとしても、それは無駄な試みとなりましょう。再交渉によってイランがCVID方式の核放棄に応じるとは到底考えられないからです。否、イランは、アメリカの核合意撤退を核開発再開の口実とできるのですから、‘渡りに船’であった可能性さえあります。一方、中国やロシアはこの件に関して今のところは沈黙しており、あるいは、両国の助言とサポートの下でイランは核開発を再開させたかもしれないのです(両国はイラン産の原油を独占するかもしれない…)。
このように考えますと、イランを核合意に復帰させる方向で働きかけるよりも、イランの核保有の意思は固いとみて対策を講じた方が賢明なようにも思えてきます。とりわけ、中ロがイランの核開発と保有を認めているとなりますと、NPT体制の根本に関わる問題ですので、国際社会は、核について抜本的な見直しを迫られることとなるように思えるのです。
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そう考えれば、いたずらに緊張を引き起こしたトランプの我儘と言えるかもしれません。
イランをどうしても敵国扱いにしてイラクのように叩きたいのでは?という疑惑もぬぐい切れません。
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イランは欧州等の仲裁をあてにして核濃縮という看板をあげたのかもしれないのです。
今のところ「どちらともいえない」としか言いようがありませんが。
イランは、たぶん、核開発はやめないでしょう。
なぜならば、現在の国際社会では、核兵器を持てば、決定的な発言権を
獲得できることは、わかりきってるからです。
あの、北朝鮮も、鼻持ちならない小国の分際で、アメリカ大統領と対等?で談判できるんですから、、、
むろん、北朝鮮も、簡単には核兵器を手放さないでしょう。
核兵器を保有することの『妙味』は、忘れることはできますまい。
☆ところで、極論かも知れませんが、
日本も場合によっては、核兵器で武装することも、将来の選択肢のひとつにすべきです。
もし、アメリカのほうから、『日米安保条約』を、解消すると言ってきたら、
『ああ、そうですか。それなら我が日本は核開発しますよ』と、言えばいいです。
☆そもそも、もし、第二次大戦のころ、日本が核兵器を所有していたら、
アメリカは、広島・長崎に原爆を投下できなかったはずです。
感傷的な反戦主義を排して、冷静に考えたら、そういう結論になるはずでしょう。
★★★ところで、イラン人は、おおむね親日的ですが、時々、私たち日本人にこんな事を言うそうです。
【私たちは、あなたがた日本帝国を尊敬しています。
しかし、あなたがたは、アメリカから原爆をおとされて酷い目にあったのに、なぜ、そのアメリカに
へりくだった態度を取るのですか?】
、、、これはイラン人に限らず、アジア・アフリカの多くの国々から、よく言われる事らしいです。
もしかしたら、安倍総理も、イラン人の指導者から、そう言われたかも知れません。
もちろん、現状では日本とアメリカの友好・同盟関係は最重要なことです。
でも、私はイラン人から上記の質問をされたら、どう答えて良いかわかりませんね。
◎全世界 燃え上がりたる いくさから 如何に生きるか 考えるとき
もしかしますと、本当のところは、トランプ大統領もイランも、表面的には対立しているように見えながら、何者かによって操られているのかもしれません(少なくとも、イランが誠実な国とは思えない…)。どこか、不自然なところがあるのです…。
この問題、今後の展開次第では、やはりNPT体制が根本的に問い直されることとなるのではないでしょうか。イランや北朝鮮が核保有するとなれば、他の諸国も、NPTを遵守する理由がなくなるからです。
ひとなれば 如何にいくさを 避けむとて みなびとつどいて 知恵を尽くさむ
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すでに核兵器が戦争の抑止力にならないことはハッキリしている。もはや地球を何十回滅ぼして余りある核兵器で世界は溢れているのだ。
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我々日本国民は世界で唯一核兵器の被害を受けた国民として、核兵器の廃絶を世界に訴える義務があるのだ。もうすぐ8月がやってくる。核武装を訴えるならヒロシマ、ナガサキの被爆者の前に出てそれを訴えてみるがいい。自分の愚かしさを思い知ることだろう。
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これ以上の核拡散が起これば、いつか事故が起こるだろう。筒井康隆『アフリカの爆弾』の世界は目前だ。絶対安全と言っていたフクシマの原発でさえこのテイタラクだからな。
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核兵器禁止条約に署名していない日本の首相がノコノコとイランまで出掛けて、核兵器の開発をやめるよう説得する?何か悪い冗談としか思えんゾ。相手にされなくて当然だ。
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なぜ日本が主体となって全世界に核兵器の廃絶を訴えないのか‼日本がハッキリと核兵器の廃絶を訴えるなら、この問題を解決する
資格があると世界も認めるだろう。それこそがアメリカにおもねることのない日本なのである。
イランはすでに核を持っている可能性がある。ソ連崩壊時にウクライナを独立させたが、カネがなかったか、あるいは惜しんだか、何も支援しなかったので核搭載できるミサイルをイランに売った。ソ連製の核爆弾も売ったかもね。ま、もう爆発しないと思うけど。
でもまあ、濃縮ウランはあるし、プルトニウムも持っているだろう。イスラエルがテヘランを核攻撃すれば、テルアビブに弾頭に濃縮ウラン、プルトニウムを詰め込んだミサイルを打ち返すだろう。すると直ちには死なないが数年後、みんなガンになって死ぬだろうから、ユダヤ人は蜘蛛の子を散らすようにアメリカ、ヨーロッパに逃げるだろう。だから効果は同じだ。
ま、トランプが石油の価格を上げたくて市場からイラン排除をしているのだろう。韓国のサムソンを攻撃して半導体市場を立て直したい日本と同じ。きっとトランプの真似をしたのだろう。アメリカも日本も「そちも悪よのう」だろう。チャイナが漁夫の利で儲けたら目も当てられない。
私といたしましては、核兵器の廃絶を訴えることの方が、余程、簡単なことのように思えます。ところが、実際には、イランや北朝鮮をはじめ、核保有を行う国が後を絶ちません。この状態では、NPT体制の見直しが提起されてもおかしくはないではないでしょうか。この件につきましては、近日中に、記事を認めたいと考えております。
イスラエルやインドの核、そして、国連安保理常任理事国の核保有につきましての問題提起は正論ですし、実際に、必要なことなのではないかと思います。ところが、何故か、イラン自身が声高に国際世論に訴えることもなく、この件については沈黙しているのです…。
シリア戦争で一緒に戦ったロシアのプーチンはイラン革命防衛隊の戦いぶりに「イランは恐ろしい」と言ったそうだが。革命防衛隊がゴラン高原へ進出しようとしたとき、プーチンが止めた。大戦を招く恐れがあるとして。ネタニヤフは跪いてプーチンに感謝だ。
イスラエルは偽ユダヤの国、サウジは英軍の馬引きが王家を作った国と軽蔑しているのだろう。やがてイラクもシリアもレバノンもアフガンも影響下に入るペルシャ帝国が復活する。
ペンス、何、寝言を言っている。遠からず日本の人口を超える。GDPも肉薄する。G7のいくつかの国より大国になる。
将来を期待した現状肯定論、あるいは、威嚇は、説得力に乏しいのではないかと思います。この点、北朝鮮等に対する論調とも共通しているのですが…。また、仮にイランが大国に成長したとしても、帝国を築くには国際法に反し、侵略を実行しなければならないのですから、国際社会が黙認するとも思えません。法の否定や無視こそ、人類にとりまして最も危険な態度なのではないでしょうか。