甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

鳥居さんと三重の町、詩はどこへ?

2016年05月17日 21時06分42秒 | 三重の文学コレクション
 鳥居さんという、制服の歌人さんの本を読みました。久しぶりに最初から最後まで読んだ感じです。そうです。図書館で借りたのも久しぶりです。

 彼女の歌の中から、三重県の街角を探すことにしました。間違ってても、何となくそういう気分がしたらいいなあと思って、探しました。

サインペンきゅっと鳴らして母さんが私のなまえを書き込む四月

あたらしいノートの初めの一ページまだぎこちない文字を並べる

泣いたってよかったはずだ母はただニンジンを切るゴボウを洗う


 鳥居さんの目の前で亡くなってしまったお母さん、もちろん娘を愛していて、あれこれ彼女の世話を焼いてくれたことでしょう。その時のことを歌にしています。

 ひょっとして、彼女の歌の中だけの理想のお母さんなのかもしれないけれど、とにかく亡くなった後、娘は母の姿を思い出の中に探しています。

 お母さんは泣かなかったそうです。何かに耐えて、黙々と仕事をしていたんでしょうか。そういう家庭、三重県にもたくさんある気がします。三重県の家庭は、北陸三県のような、豊かさと穏やかさを、持ちたいのだけれど、持ちきれていない気がします。何だか県としても貧乏な感じです。

 小学校はオンボロだし、プールはたいていないし、公共の建物は各地域に建ってはいますが、スポンサーがいないせいか、設備もサッパリで、環境は田舎で、スポーツも弱いし、伊勢神宮は有名ですけど、実際に訪れてみたら、ただの木造の平屋の建物だし、何だか深みもないし、だからこそ、この味気なさが魅力で、何にもないから、白いキャンバスだから、訪れた人は思い思いのイメージをふくらませることができます。

 サミットがあるみたいですが、みんな素通りすることでしょう。どうしてこんな海側の田舎で会議をするの? という感じです。その時に南海トラフで地震が起こったら、どうなるんでしょうね。まあ、すぐにヘリに乗って、避難するんでしょうね。

 鳥居さん、小学校は通ったんでしょうね。途中から孤児院に預けられたんでしょう。



雷の音がだんだん近くなる鉄塔並ぶ山並みを越え

炎天にいつまでも伸びる道があり重油のような影とたたずむ

ふるさとへつながる電車なつかしく車窓の緑もくもくふえる


 死の影のある歌はなるべく素通りして、風景を詠んでいるものを取り上げました。三重県の風景が見えるかどうか、彼女の見るものについていきたいと思いました。

 そんなに高くない山々、高圧線、田園風景(今は麦の刈り入れ間近)、西側の山から下りてくる雨、けだるい夏、そこに住むにこやかなんだけど、よそ者には少しだけ冷たい感じ。これといった目立ったものがなくて、平坦で、鉄道も所在なげに淡々と走っている。そういうところありますね。

 そんな何にもない風景にも、私なんかはそれなりに気分は高揚するんですけどね、電車が走っていると。



空しかない校舎の屋上ただよいて私の生きる意味はわからず

あおぞらに人が浮いている笑ってるみんなにもあれ見えてるのかな

紙飛行機手から風へと放つときひこうきは空の窓通過する




 鳥居さんは空を見上げる歌人でもありました。「空に窓」があったり、人が笑っていたり、こんなのが見えるなんて、たいしたものです。これを見ることが詩人の素質ですね。

 私は、空を見上げても、飛行機雲と夕映えと飛行機の点滅と、時々演習に向かう自衛隊のヘリと、そういうもの、見えるものしか見えません。ないものが見えるようにならなきゃ、詩人にはなれないですね。



 つづきはまた明日書きます。今から、家に持ち込んでる仕事でもしますか。腰と目が痛いです。日本女子バレー、韓国に負けたみたいです。ザンネンです。私はカゴシマ美人の迫田さんに頑張って欲しいなあ。三重美人の山口舞さんにも頑張ってもらいたかったけど……。




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