うちの奥さん、いつからトリ好きになったんだろう。やけにくわしくなっています。写真もあれこれ撮っていて、感心するくらい。そして彼女はカワイイのには敏感で、鳥たちのかわいい姿をしっかり見つけてきます。私と同じポンコツのカメラなんですけど、なかなかてごわいというか、すごいカメラマンです。もっとあれこれ研究してもらって、野鳥のこととか教えてくれるといいなあ。花と鳥は彼女に任せなきゃ! でも、私も父譲りのトリ好きのはずなんだけど、生半可なんですね、きっと……。
今日は立春です。昨日、奥さんとうちの子は家のすべての窓と扉から豆まきをしました。えらいですね。私は、南側の窓から1回だけしたら、あとは満足して豆を食べてました。どういうわけかおいしくてパクパク食べました。それでふと、母は豆まきとかしたんだろうかと思いました。ひょっとしてしていないかもしれない。
「お父さん、今日は節分やわ。何もないからもう寝るわ。」とか言いながら、いじけて寝ているかもしれないなと心配になりました。母は、節分よりも立春を大事にして、今日、「立春大吉」と十センチくらいの長方形の紙に筆ペンで書いて、それを玄関に貼り付けるのを大事にしていました。それはずっと父の役目でした。
その父がいなくなってから、そうした季節のあれこれはしなくなったかもしれません。甥っ子のや姪っ子の運動会や文化祭に出かけ、秋の区民祭りにでかけたりするのが精一杯の母の季節の行事かもしれません。
つまらない日常を、少しだけ楽しくする節目の行事(これが私たちには大事なのに!)に一切目を向けず、しんなりとした母の生活、どうしたらいいんでしょうね。母は友だちもそんなにいないし、家族がすべての生活をずっと送ってきて、今またひとりポツンと生きている。
土日には弟と甥っ子が一緒にゴハンを食べに来てくれるけれど、それだけが非日常で、あとは淡々とした毎日になってしまいました。予想されていたことだけれど、もっと社会と関わりを持たなくちゃ、と私なんかが言えることではありませんが、もっとそういうチャンネルを築いていてほしいなあ。
息子としては、ションボリした母の毎日が心配です。
夏なら、5時くらいに起きて、洗濯をバンバンして、6時くらいに散歩に行き、そこに集まる人々と一緒にラジオ体操をして、7時過ぎに帰ってきて、シャワーかぶって、それからゴハンというきまりがありました。
それがこの前電話したら、7時を過ぎてても、まだ寝ていたということでした。そりゃ、母は節約家で、暖房はだれかが来たときだけで、あとはずっと厚着をしてしのぐ毎日ですから、フトンの中だけが暖かなのはわかります。早く寝るので、3時くらいに目が覚めるのもわかります。だから、ずっと大音量でラジオをつけながら寝るというのも、仕方のないことかなあと思います。
でも、7時になってもフトンの中にいるとは、どうしちゃったんだろうと思います。父も心配していることでしょう。父なら、ものすごく心配するでしょう。怒って先に散歩に行ってしまうかもしれない。
早くあったかくなってもらわないと、母の生活サイクル、心配です。夕方また電話しようと思います。今日は土曜だから、弟たち来てくれるかな。私は今度いつ大阪に行けるでしょう。古本屋さんの日程見ないといけないけど、月に一度は行かなくちゃと思うのです。