甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

吉野神宮へ その1

2022年05月24日 21時22分45秒 | 聖地を巡礼しよう!

 新しいカテゴリーを作りました。題して「神様のおられるところへ」というものです。

 私の旅の目的は、人に会うこと、山を見ること、電車を見ること、本を探すこと、お酒を飲むこと、神社仏閣にお参りすることなどでした。

 それらのカテゴリーは作ったつもりでおりましたが、食べ物やお酒、人との出会い、山を登ること、そういうことは最近サッパリでした。

 お寺や神社にもあまり行っていません。それでも、最近のテーマは、江戸から明治につながる時に起こった「廃仏毀釈」やら、「大日本国憲法」ができるまでの「自由民権運動」やら、そういったことが気になっておりました。

 といっても、フィールドワークもしていないし、文献を調べることもしていないし、気分だけのテーマでした。

 でも、お参りしたい気持ちはいつも持っていました。


 若い人たちのアニメの聖地めぐりみたいなのがありますけど、私は残念ながら、まったくアニメには興味がないんですけど、その「聖地」を訪ねたいという気持ちは、理解できる気がします。

 教義・原理はないのです。ただ素朴に自分が好きだった世界が生み出されたところに行きたいというのは、宗教ではないけど、その始まりであるような気がします。そこからどれだけ気持ちが深まるのか、それは具体的なアニメがスタートではあるので、そこから気持ちは深まらない気がするんです(具体的なものがありますと、その具体的なものを見てしまったら、そこである程度満足は得られるでしょう)。

 やはり、気持ちが深まるには、漠然としていて、とらえどころがなくて、何か心がひかれて、何かを教えてくれそうで、問答のできる対象・相手ができて、その対話の中で何かが深まるのではないか、と思います。

 あまりに具体的で、どういう意図で、どんな人をターゲットに、どれくらいのねらいがあるものと、わかっていると、対話が難しい気がします。


 答えの見つからない、どこまでもきりがない、何だかわからないものでなくては、本当の「聖地」になれないのではないか。聖地風に見えても、時間とともに消え去っていくのではないか、人々に広がっていかないのでないか、マニア受けしたとしても、いつかは消えてしまうでしょう。

 本当の聖地になるには、時間の収斂に耐えなくてはならないのです。風化していくようではダメなんです。


 私は、近鉄の吉野神宮の駅に降り立ちました。あと一駅いけば、吉野に着きます。そこから、山を少し行けば、大峰修験道の手前の「吉野」という世界にたどり着きます。

 ここは、南北朝の時代に、京都に対抗して南朝の本拠地になったところです。その中心人物が後醍醐天皇様でした。

 結局、後醍醐天皇は、夢破れ、京都を離れ、はるか南の吉野の山にこもることになった。今なら、近鉄で乗り換え一回で二時間足らずで行けるでしょうか。でも、京都から吉野への運賃は相当かかりますから、それなりに遠いですし、南北に長い奈良県のかなり南に吉野はあります。そこから深い紀伊山地がありますけど、それはあまりに深くて、とても入っていけません。

 こんなところまで追いやられてしまった。いつかリベンジして、再び都へ凱旋するのだと、不屈の天皇様は思われたことでしょう。

 何度も何度も失敗しておられますから、今回の南北分裂もその一つである、という風に思われてたんでしょう。ポジティブというのか、めげないというのか……。でも、頼みとする楠木正成とか、北畠父子とか、そばにいた人材がいなくなっていきますし、その心細さはあったはずです。それくらい人のことを思ってくださる天皇様ではなかったのかなあ。きっとそのはずです。


 しかし、時代はもう元には戻りませんでした。鎌倉時代にすでに世の中は武士たちで回っていたし、武士の経済を(彼らの経営する土地を認めないことには)、政治の世界ではにっちもさっちもいかなかったことでしょう。

 もう貴族様が、日本各地を支配し、土地から上がってくる収入は、すべて貴族様のふところへ入る、そういう世の中ではありませんでした。

 世の中の根本をどのように見ていくのか、そこで天皇様は歴史を元に戻そうとしても、とても難しかったのだと思われます。貴族の皆さんも、地域にへばりついて、それぞれの土地経営をし、武士集団を雇い、自分たちの領国経営にいそしまない限り、地域ごとに成立している経済を動かすことはできませんでした。

 武士のみなさんたちは、土地が欲しくて戦う人々でした。その武士たちを満足させる政治ができない限り、政府としては空中分裂するしかありませんでした。

 後醍醐天皇さまのところへお伺いに来たのに、私は何を書いているんでしょう。続きはまた今度書きます!


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