甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

快速に乗って

2023年09月11日 09時01分54秒 | 鉄道のこと

 大学の先輩で、多治見出身の方がいました。三十年以上前、先輩の結婚式に参加して、先輩の生まれ育った町で一泊して、少し飲んで、二日酔いで翌日の結婚式に参加したことがありました。

 余裕があれば、多治見市の観光もしたはずだけど、余裕がなくて、飲んでホテルで寝て、そんな夜だったようです。もっとあれこれできたらいいのに、何にもできないというのが基本ですね。チャンスがあったとしても、これだという強い意志がないと、大抵のものは目の前を過ぎていきます。

 その頃から、多治見と名古屋は電車で30分程度でした。これはなかなか近い距離だと思うけれど、いざ通勤となると、名古屋駅から職場に行くまでに時間もかかるし、一時間以上の通勤になるだろうから、通勤圏とはいえ、少し遠いな。でも、大都会の名古屋は割と近くにあります。

 多治見からずっと中央線沿いにいくつかの町があって、これらの町は東濃と呼ばれたりしています。私は快速に乗って中津川をめざしていました。名古屋から一時間と少しのところにある町です。

 途中には、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市と町が連なっています。いつもこれらの町には何だか羨ましいなという気持ちを抱いてきました。特にこの町に詳しいとか、何々に興味があるとかというのではなくて、地図の上から見たような感想なんですけど、名古屋から見て手前の多治見市が10万人、土岐市が5万5千人、真ん中の瑞浪市が3万6千人、恵那市が4万7千人、一番奥の中津川市が7万5千人、それぞれに独立して存在している。バラバラなんだけど、遠くもないし、同じラインに並んで、みんなで共存共栄している感じがしました。私のただの思いつきかもしれない。

 めったにこちらを通ることがなくて、車で通る時は、「早く美濃路が終わってくれ。早く恵那山トンネルを通して!」そんなことしか考えてなくて、何だか申し訳ないのですが、実はそれぞれに文化はあるのだと思われます。中山道、もっと昔は東山道があって、いろんな人たちが往来したことでしょう。

 だから、歴史ある町々で、木曽川沿いに並んで存在している。山が両側から迫っているし、平地はあまりなさそうです。でも、室町時代のこのあたりの領主であった土岐一族にゆかりのある土地もあるし、恵那市から南の山に入っていくと明智氏のふるさとだってあります。

 何にも知らない私は、ただ先輩のふるさとの多治見と、島崎藤村のふるさとに関わる中津川市と、大学の同級生の女の子のふるさと瑞浪市と、そんなのを地図の上から眺めていただけでしたが、こういうところにしっかりと生きている人たちにシンパシーみたいなのを感じていたのでしょうか。



 中津川は、駅の南側が開けています。というか、北側はどんどん川へと沈んでいく斜面です。川と山のまん中あたりに町があって、道は西南に行くと名古屋へ、東北へ行くと有名な馬籠・妻籠の宿のある木曽路へ入っていき、やがては東の大都会へつながっていく。

 駅横のこの建物は、かつてダイエーのお店だったそうです。1977年にオープンして、地域のお買物の中心になったことでしょう。まだ駐車場が万全ではなかったのかもしれません。地方のお買物の流れからは取り残されて、撤退して、中津川市に引き取られて市民プラザとしての役割でやってたみたいですけど、その機能も別の建物の方へ移転しているようで、使われているのは1階だけのようでした。


 私は、ここのにぎわい特産館というところでバラ売りの栗きんとんを買わせてもらいました。

 栗と砂糖とで作る栗きんとん(お店によってはトレハロースも使ってたりします)ですけど、材料にこだわって、九州産の栗と地元産の栗のミックスとか、砂糖は国産とか、いろいろと工夫があるみたいでした。

 私は、280円の一休、川上屋、新杵堂、美濃屋、しん、柿の木、あと二つお店の名前を忘れてしまったところのを合計8個買いました。

 もちろん、違いは分からなくて、ただおいしいなあと思うばかり。ただ、お茶には合うなあと知り、栗きんとんの秘密を見つけたような気分です。でも、これもまた何十年も食べるチャンスはないかもしれない。

 そんなに何度も食べられるものでもないし、地元の五百円くらいの栗を奥さんが全部むいてゴハンに入れてくれるあの栗ごはんの味に比べたら、すべてそれらは負けてしまう。奥さんの栗ごはんのリアリティが一番、滅多に食べられない栗きんとんは、それなりの味というところでしょうか。


 誰かがくれるといいんだけど、そんな方はいません。あくまでも自分のものは自分でゲットするしかありません。そうなると、栗きんとんはそんなにバクバク食べるものではないし、たまに食べるからいいんでしょう。そういうことにしておきます。

 またいつか、奥さんが栗ごはんを作ってくれるのを楽しみに待つしかありません。快速に乗って、私はせっかく栗きんとんを買ってきたのに(それが快速に乗った大きな目的でした。家から往復8時間もかけて買いに行きました!)、自分の変てこな理屈でまとめてしまった。

 まあいいか、そんなものかな。

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