先日、大津に行って来ました。年末の町は、ソワソワしていて、観光客もまばらで、美術館はお休みで、落ち着かないのは当たり前なんですけど、大津絵のカレンダーを買おうと、出かけました。
18キップで大津の駅の外に出ました。大津には何度か訪れたことはありますが、最近はクルマが多いし、昔は京阪電車でしたし、JRで大津の駅に降りたのは初めてかもしれない。それで、県庁所在地のわりに、駅前は閑散としていて、何だか三重県の津駅と似たような感じです。(滋賀県の人に一緒にするなと怒られるかもしれません)
街道歩きも目的の1つで、旧東海道を、年末に少しでいいから歩くことができたらいいなあと、駅から琵琶湖のある方角へどんどん坂道を下っていきます。どこが東海道なのかわからないくらいに、ところどころビルはありますが、ビルを囲む町のたたずまいは、こりゃもう、古い街並みで、どこでも東海道みたいな感じです。
立派な教会がありました。滋賀県はステキな観音さんや、歴史のあるお寺もいっぱいありますが、キリスト教とも深い関係にあって、そうした方面でいろんな方たちが出ているようです。だから、教会も立派で、中に入れて欲しいくらいです。でも、野次馬なので、外から写真を撮るだけでした。
古い街並みに慣れたところで、突然日本史が飛び出てきました。
大津事件というのは聞いたことがあります。幕末に諸外国と結んだ不平等な条約の2つの問題点、治外法権があって、関税自主権がない。この2つを明治になって解決しようと努力していた明治の頃に、たまたまロシア皇太子(何という人なんでしょう)が遭難したのが大津だったのですね。
そういう形で、自然に私たちは明治が善で、江戸幕府は社会悪みたいに教え込まれてきましたが、私は江戸幕府にもう少し頑張ってもらって、文明開化で進んで、幕府が解体して憲法やら、議会やら、国軍やらを作ったら、これまた時代は変わったかと思いますが、人間のすることですから、今度は朝鮮半島に革命が起こって、旧態依然の日本列島に攻め込んでくるかもしれないので、どうなるかわかりませんね。
皇太子さんが東海道を人力車か馬車かで移動している時に、襲われたのでしょうか。東海道もいろいろなことがあったのですね。象が通ったり、大名は当然通っただろうけど、そうした道の歴史って、知れば知るほどおもしろいのでしょう。でも、私は古本と大津絵カレンダーでした。
商店街に出て、年末なのに閉まっているお店がいくつかありました。活気がないのかなと心配になったところで、古本屋さんを見つけました。こんなところにあるというのを知らなかったので、びっくりしてお店の中に入りました。
お店の雰囲気はしっとりした、黒を基調にした感じで、本の種類もいろいろあるようでした。私は文庫本コーナーだけをのぞくことにしました。2冊の本を選びました。
1 三浦梅園集(1953年初版→1967年版 岩波文庫)……長崎紀行が入っているというので買いました。長崎好きですけど、今度はいつ行けるんでしょうね。
2 戦国連歌師/岩井三四二著(2002年単行本→2008年文庫化 講談社文庫)……普通は、見たことも聞いたこともない作家の小説なんて買わないのですが、「異色ロードノベル」という文庫カバーのことばに、つい買ってしまいました。いつ読むんでしょうね。ひょっとして、ただの積ん読ならぬ棚読かな。
本を入れていた紙袋が、舟をあしらっていて、いかにも滋賀県の本屋という感じです。今度はここを目標に来てもいいですね。
商店街をさらに京都よりに進んでいくと、以前鶴瓶さんの「家族に乾杯」というNHKの番組で取り上げられていた漬物屋さんがありました。ここには人だかりがいっぱいです。でも、私はここも写真を撮って、帰りにすぐきでも買えばいいかなと、どんどん突き進みます。もっといろいろと味わえばいいのに、とにかくむやみに歩くのです。変なアドリナリンが出ていたのでしょう。
面白いポスターを見つけました。この商店街の突き当たりに三井寺(園城寺 おんじょうじ)があって、ここの除夜の鐘は有名で、テレビで見たことがあるような気がします。その募集のポスターで、これは、鐘をつかせていただくというのを目的に準備しないと、とても無理です。そこに参加できる人は幸せ者だったんですね。煩悩なんて関係なかったのです。
大津絵のお店に着きました。中年夫婦が何を買うかで、お店の人とお話をしています。ぜひいろんな絵を買ってもらいたいと、心の中で応援して、店員さんが忙しいので、店の中を勝手に見てしばらく待って、カレンダーを買うことができました。意外な小ささに少しがっかりしたけれど、何だったら自分で大津絵にチャレンジしたらいいんですね。今度やってみたいと思います。
長等神社がありました。この右手が三井寺で、今回は行きませんでした。左手に大津絵のお店の1号店。でも、ここは閉まっていました。
だったら、長等山まで歩いてみよう、山頂には平忠度(たいらのただのり)さんの歌碑があるらしい。そこをめざして歩くことにします。本当にいい加減な目標設定です。
三橋節子美術館は年末閉館期間に入っていました。
20分くらい歩いて、だれにもすれ違うこともなく、無人の山頂を独り占め、歌碑だって見放題です。
さざ波やしがの都は荒れにしを昔ながらの山桜かな だったでしょうか?
中学の頃に、仲代達也さんが平清盛役をやった「新平家物語」という大河ドラマがあって、ここで清盛の異母弟の忠度役は中尾彬さんでした。その頃は若々しい美青年で、彼の印象から、清盛さんの弟さんの中では1番に好きになれました。その次は山本学さんだったかな……。
年末の大津の町に、時々霧雨のようなものが落ちてきます。
商店街でまたもおもしろいポスター。それにしても、商店街って、どこも平均年齢が高い気がします。もうこうなりゃ、年寄りのための商店街になるしかないですね。そうしたら、若者たちが寄ってくるかな……。
18キップで大津の駅の外に出ました。大津には何度か訪れたことはありますが、最近はクルマが多いし、昔は京阪電車でしたし、JRで大津の駅に降りたのは初めてかもしれない。それで、県庁所在地のわりに、駅前は閑散としていて、何だか三重県の津駅と似たような感じです。(滋賀県の人に一緒にするなと怒られるかもしれません)
街道歩きも目的の1つで、旧東海道を、年末に少しでいいから歩くことができたらいいなあと、駅から琵琶湖のある方角へどんどん坂道を下っていきます。どこが東海道なのかわからないくらいに、ところどころビルはありますが、ビルを囲む町のたたずまいは、こりゃもう、古い街並みで、どこでも東海道みたいな感じです。
立派な教会がありました。滋賀県はステキな観音さんや、歴史のあるお寺もいっぱいありますが、キリスト教とも深い関係にあって、そうした方面でいろんな方たちが出ているようです。だから、教会も立派で、中に入れて欲しいくらいです。でも、野次馬なので、外から写真を撮るだけでした。
古い街並みに慣れたところで、突然日本史が飛び出てきました。
大津事件というのは聞いたことがあります。幕末に諸外国と結んだ不平等な条約の2つの問題点、治外法権があって、関税自主権がない。この2つを明治になって解決しようと努力していた明治の頃に、たまたまロシア皇太子(何という人なんでしょう)が遭難したのが大津だったのですね。
そういう形で、自然に私たちは明治が善で、江戸幕府は社会悪みたいに教え込まれてきましたが、私は江戸幕府にもう少し頑張ってもらって、文明開化で進んで、幕府が解体して憲法やら、議会やら、国軍やらを作ったら、これまた時代は変わったかと思いますが、人間のすることですから、今度は朝鮮半島に革命が起こって、旧態依然の日本列島に攻め込んでくるかもしれないので、どうなるかわかりませんね。
皇太子さんが東海道を人力車か馬車かで移動している時に、襲われたのでしょうか。東海道もいろいろなことがあったのですね。象が通ったり、大名は当然通っただろうけど、そうした道の歴史って、知れば知るほどおもしろいのでしょう。でも、私は古本と大津絵カレンダーでした。
商店街に出て、年末なのに閉まっているお店がいくつかありました。活気がないのかなと心配になったところで、古本屋さんを見つけました。こんなところにあるというのを知らなかったので、びっくりしてお店の中に入りました。
お店の雰囲気はしっとりした、黒を基調にした感じで、本の種類もいろいろあるようでした。私は文庫本コーナーだけをのぞくことにしました。2冊の本を選びました。
1 三浦梅園集(1953年初版→1967年版 岩波文庫)……長崎紀行が入っているというので買いました。長崎好きですけど、今度はいつ行けるんでしょうね。
2 戦国連歌師/岩井三四二著(2002年単行本→2008年文庫化 講談社文庫)……普通は、見たことも聞いたこともない作家の小説なんて買わないのですが、「異色ロードノベル」という文庫カバーのことばに、つい買ってしまいました。いつ読むんでしょうね。ひょっとして、ただの積ん読ならぬ棚読かな。
本を入れていた紙袋が、舟をあしらっていて、いかにも滋賀県の本屋という感じです。今度はここを目標に来てもいいですね。
商店街をさらに京都よりに進んでいくと、以前鶴瓶さんの「家族に乾杯」というNHKの番組で取り上げられていた漬物屋さんがありました。ここには人だかりがいっぱいです。でも、私はここも写真を撮って、帰りにすぐきでも買えばいいかなと、どんどん突き進みます。もっといろいろと味わえばいいのに、とにかくむやみに歩くのです。変なアドリナリンが出ていたのでしょう。
面白いポスターを見つけました。この商店街の突き当たりに三井寺(園城寺 おんじょうじ)があって、ここの除夜の鐘は有名で、テレビで見たことがあるような気がします。その募集のポスターで、これは、鐘をつかせていただくというのを目的に準備しないと、とても無理です。そこに参加できる人は幸せ者だったんですね。煩悩なんて関係なかったのです。
大津絵のお店に着きました。中年夫婦が何を買うかで、お店の人とお話をしています。ぜひいろんな絵を買ってもらいたいと、心の中で応援して、店員さんが忙しいので、店の中を勝手に見てしばらく待って、カレンダーを買うことができました。意外な小ささに少しがっかりしたけれど、何だったら自分で大津絵にチャレンジしたらいいんですね。今度やってみたいと思います。
長等神社がありました。この右手が三井寺で、今回は行きませんでした。左手に大津絵のお店の1号店。でも、ここは閉まっていました。
だったら、長等山まで歩いてみよう、山頂には平忠度(たいらのただのり)さんの歌碑があるらしい。そこをめざして歩くことにします。本当にいい加減な目標設定です。
三橋節子美術館は年末閉館期間に入っていました。
20分くらい歩いて、だれにもすれ違うこともなく、無人の山頂を独り占め、歌碑だって見放題です。
さざ波やしがの都は荒れにしを昔ながらの山桜かな だったでしょうか?
中学の頃に、仲代達也さんが平清盛役をやった「新平家物語」という大河ドラマがあって、ここで清盛の異母弟の忠度役は中尾彬さんでした。その頃は若々しい美青年で、彼の印象から、清盛さんの弟さんの中では1番に好きになれました。その次は山本学さんだったかな……。
年末の大津の町に、時々霧雨のようなものが落ちてきます。
商店街でまたもおもしろいポスター。それにしても、商店街って、どこも平均年齢が高い気がします。もうこうなりゃ、年寄りのための商店街になるしかないですね。そうしたら、若者たちが寄ってくるかな……。