櫛田川は、松阪市の西南の飯高町の山奥、高見山とか、奈良県境の山々の水を集めて市内を蛇行しながら海をめざし、数十キロ流れたら、伊勢湾へとつながる川でした。
私は最近はずっとこちらの方を行ったり来たりしています。川に沿って走ってみて、少しだけ中流域の蛇行というのに思い当っています。
下流の平地に出てからは、わりとスンナリ流れています。でも、中流は山に阻まれて、あっち行ったりこっち行ったりして、大きく蛇行していました。あまり意識したことはありませんでした。
今まで、川があるから橋を渡るという感覚で、川の流れということを考えたことがありませんでした。とはいうものの、毎日グルッと蛇行に沿った道を走っていて、どうしてこんなに大回りしなきゃいけないんだろうと、今さらながら思い至ったというところです。
まあ、好きでこっちを走っているわけだから、別にイヤではないんです。
とにかく、川を遡って、国道からは見えない花の名所に行ってみようとしたんです。そろそろ開花するかも、というのを聞いたような気もしました。私の都合のいい空耳だったのかもしれません。
光はあふれていました。しかし、こんなに誰もいないのであれば、もしクマが出たらどうするんだろう。まさか、クマは私みたいな貧相なオッサンなんて無視するだろうけど、向こうもついウッカリというのがないとも限らないし、何だかソワソワしながら歩いています。
ハゼの木も、朱色です。でも、大きな岩やら、きれいな水やら、はるか彼方に見えますが、何だか水面は遠いのです。
どうしてこんな高いところに道路があるんだろう。やはり、最上流にはダムがあるし、時々は放流もするだろうし、山が迫ってるから、ある程度の深さはキープして、人は少し高い大地の上に暮らしを立てているようです。
台地の上は、茶畑がたくさん作られていて、お茶には適度な霧もあることでしょう。
ぐるっと蛇行を大回りして、その内側に入る橋を見つけました。ここを越えたら、めざす大木があるようです。
実は、対岸から、あれが有名な大木かもしれないなとは思ってたんですけど、あまりに遠くて、花の色もぼんやりとしか見えてませんでした。
橋の上から上流を眺めると、これくらいの高さに橋があって、人々はもう少し高いところで生活している。
そうなんです。ここらあたりの人たちは空中生活をしていて、川に触れようと思ったら、思い切り下に降りねばならないし、それはポイントを決めて、何かをしなくてはならない時でした。
ここらあたりでは、川に触れるというのは大変な作業でした。川はあまりに低いところにありました。もう少し川を下ると、もう少し目と鼻くらいの感覚になれるかな、というところです。
いくつかのおうちを見つけました。さきほどの谷沿いの道には、平地はほとんどなかったので、ずっと家はありませんでした。
そして、やっと茶畑の向こうにめざしていた大木が見えました。
あの赤い花、何なんでしょう。
今年の紅葉は台風が無かったため美しいですね。
サザンカの花も例年より早いようですね。
明日は花見に出かける予定です。