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この二月から、いつ終わるのだろう、人々だけが希望だ、とずっと思っていましたけど、そんなに簡単なことではなく、もう五か月が過ぎてしまいました。Pはまだまだやる気ですし、どんな姑息な手段を使ってでも、勝利してみせるというのか、ウクライナ全土を支配下におさめる作戦を続けるのでしょう。
そんなことは許されるはずはないし、ウクライナにはゲリラ戦ができるようなジャングルがないから、反抗するには時間はかかると思われますが、兵士を動員することにおいてはさすがのPも苦労しているみたいで、自国の若者は使えないから、占領した親ロシア地域の若者たちを刈りだして兵士に仕立てているようです。
彼らは、何のための戦争か分からないから、もちろん士気は低いでしょうし、激戦であれば、逃げ出したくなります。だから、なるべく接近戦ではなく、遠くの場所から闇雲にミサイルを打つだけです。ターゲットは、何となく人がいさそうなところだったらOKみたいな、とてもいい加減な攻撃です。それだけでも、普通の日常ではないから、ウクライナの人々には辛いでしょう。
ウクライナは、めざましい反撃はしていないようで、ジリジリと後退させられていて、そこは悔しいところではあります。が、長期戦になったら、ロシアもこたえてくるでしょうか。それこそPの遠征が冬になったら敗北する形になればいいんだけど、それまでずっと戦う兵士のみなさんたちは本当に気の毒です。21世紀のナポレオンにならないかな。
特にロシア側の皆さんは、意味のない戦争をやらされていて、とても苦しいものがあるでしょうね。
敗戦間際の日本も、そんなことを若者に命令していました。島尾敏雄さんと吉田満さんという特攻を体験させられた二人の方の対談集も読みましたけど、やはり何とも言えないものがありました。
若者は、どうしてこの自分の命を投げ出さねばならないのか、その答えが見つからなかったし、むしろ答えはなかったでしょう。ただの国家の命令でした(志願という形は取らせていましたけれど)。そんな命令の上に載せられた自分が情けなかったし、その情けなさを誰とも共有できないという、怖ろしい孤独を味わったでしょうね。
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少し引用してみます。
この商売(ロシア語通訳)を始めて以来、100回以上も崩壊前のソ連邦を訪れている。通訳として、実に様々な思想、信条、党派の人々に同行した。そして面白いことに、共産党や社会党系の人々の多くは、ソ連を訪れて失望し、自民党系の多くの人々が、
「なんだ、それほどひどい国じゃあないではないか」
と結構ソ連を見直したりしたのである。奇妙だが、当然といえば当然のパラドックス。
人間の判断が、いかに事前に形成されたイメージに左右されるかを物語る好例ではないだろうか。〈米原万里『魔女の1ダース』1996〉
おそらく、2022年にロシアを訪れる人がいたら、もっと人々は縮こまり、独裁におびえ、物不足で困窮した人々が町にあふれていて、警察が町じゅうにあふれている、みたいなイメージで現地に飛び込むでしょうか。
たぶん、今はそうではないのですね。まるでモスクワでは、
「果たしてこの国は本当に戦争をしているの? 私たちがこの国を訪れる前までの報道は何だったの?」
なんて思うんでしょうか。実際は、シコシコとミサイルを打ち続けているし、戦車隊はとにかく進撃しているはずです。それも大きく固まって、いつ戦車砲のターゲットにされるか、そういうのにおびえつつ、ゆっくり進んでいるはずです。だから、自分たちの前で、目についた動くものには片っ端から砲撃しているんでしょう。それが見知らぬ国に侵略した軍隊の在り方なのでしょうか。戦々恐々としていつも敵におびえているはずです。
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Pにはそんな苦労は感じられていない。軍の上層部も、早く進撃しろ、ウクライナ全土をロシア化しろ、そういう命令を推し進めているだけです。それは、果たして誰の国なんでしょう。ウクライナも、ロシアの人々も、その考え方の中には入ってないですね。悲しいことです。
Pが侵略した土地は、ウクライナの人も、ロシアの人もまともに住めない荒廃した土地が残るだけです。何のために戦争をするのか。Pの独裁を安定化させるため、なのかもしれません。Pだって、そういうおかしな理屈でよその土地を侵略している、というのは分かっているはずなのに、それでもあえてしなくてならないなんて! Pに悟らせることは無理なのだとわかっていても、神の啓示が降りて来てくれること、人々の反発が起きること、そういうのをお願いするしかありません。