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あともう少し、俳句を読みながら漢字のよみを答えてやってください。
15 啄木鳥( )や落葉をいそぐ牧の木々 水原秋桜子
……昔、教科書で読んだような記憶があります。どんどん冬の装いにになっていく森、そこでコツコツ虫を探しているこのトリ。静かな風景を詠んだんですか、それとも冬の到来がうれしかったのか。まさかねえ。
16 暫(しばら)くは四十雀(しじゅう )来てなつかしき 高浜虚子
……このトリは、わりと人のふところにポンと飛び込んでみたり、すっと退いたり、変幻自在な感じがします。賢いんでしょう。だから、わりと好かれるのかもしれない。
17 蜩(ひ )のなき代りしははるかかな 中村草田男
……カナカナカナ、夕暮れ、曇りの日など、うす暗い時に鳴いているセミ。このセミたちもいろんな世代交代がひと夏の間にもある、ということなんだろうか。
18 とどまればあたりにふゆる蜻蛉( )かな 中村汀女
……なかなかステキな感性です。よくぞ、そういう瞬間を見つけましたね。
19 鮪( )揚ぐ沖曼陀羅(おきまんだら)に茜雲(あかねぐも) 水見悠々子
……そういう場面をイメージしたこの人の勝利です。とてもそんな海の現場をイメージすることができません。
20 古びたる舟板に置く海鼠( )かな 日野草城
……どうしてそんなことをしたのか、どうして海鼠なのか、そのナンセンス加減が詩人なんですね。舟板に折り紙置いたり、水筒置いたり、タオルを置いても詩にはならないんだ。
21 河豚( )食ふたとて偉(えら)くなるものでなし 中田みづほ
……食わず嫌いの私が言っても仕方がないけど、「あんなのちっとも食べたかないや! お金持ちの人がステータスとして食べてるだけだ」なんて思ってしまう。
22 牡蠣( )食へり重たき肩を起こしては 石田波郷
……それに比べて、こちらはわりとスンナリ入ってきます。これを食べる時、「何か元気をつけよう」とか、「さあ、みんなと一緒にこのおいしいものを食べよう」と、背筋がピンとなる感じです。生で食べるの、好きなんだけど、なかなか食べられません。
23 水ひろき方へ鴛鴦( どり)の進みけり 鈴木花蓑
……ただの風景描写、あるがままという気がするけれど、そうではないんですね。この鳥たちに重ね合わせて、人間の運命も掛け合わされているんだと思われます。
24 団欒(だんらん)にも倦(う)みけん木菟(み )をまねびけり 芝不器男
……このトリが、こんなふうに扱われるのが不思議です。そんな唯我独尊なトリなんだろうか。この句を見せられたら、このトリとしては、「オレを変人扱いしやがって!」と怒りそうな気がします。
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答え 15・きつつき 16・しじゅうから 17・ひぐらし
18・とんぼ 19・まぐろ 20・なまこ
21・ふぐ 22・かき 23・おしどり
24・みみずく