廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

見識が必要なゲーム

2017年01月28日 | Jazz LP (安レコ)



今月に入ってUK買付けロー・プライス品が放出されて、段ボール箱に入れられて床にずらりと置かれている。 懐かしい光景が戻ってきた。
それらをゴソゴソと漁り、今週はこれらを引っこ抜いた。 これだけ買って、合計2,900円。 まあ、とにかく安いのだ。

これらの中で意外な拾い物だったのは、以下の2枚。



Al Haig / A Portrait Of Bud Powell  ( 米 Interplay Records IP-7707 )

まずは音の良さに驚かされる。 70年代の録音とは思えない、くっきりとした輪郭で生々しい音。 楽器が生きている感じがする。
アル・ヘイグの演奏も非常に闊達で、パウエルの息吹をしっかりと発している。 これは素晴らしい演奏で感動した。 



Dexter Gordon / Jive Fernando  ( 米 Chiaroscuro Records CR 2029 )

デックスにこんなアルバムがあるなんて知らなかった。 1981年8月のサンフランシスコでのライヴを収録したものだが、ピアノがジョージ・デューク
というのが珍しい。 この人の生ピアノなんて初めて聴いたけど、これが正統派のジャズピアノで、ブラインドで聴いてその名前を当てられる人はまず
いないだろう。 デックスは相変わらず絶好調で、太く大きな音でアフタービートながらなめらかな演奏が最高だ。 音質も良好で、何も問題なし。
"The Shadow Of Your Smile" を見事なバラードに仕立て上げていて、これで "いそしぎ" の名演がまた1つ増えた。


結果的には満足度の高い漁盤だったけれど、やっぱり探すことそのものが愉しい。 いかに安くていいものを買えるか、というこのゲームは止められない。
音楽やレコードへの見識が試されるのは、まさにこういう時だろうと思う。


コメント
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