今月に入ってUK買付けロー・プライス品が放出されて、段ボール箱に入れられて床にずらりと置かれている。 懐かしい光景が戻ってきた。
それらをゴソゴソと漁り、今週はこれらを引っこ抜いた。 これだけ買って、合計2,900円。 まあ、とにかく安いのだ。
これらの中で意外な拾い物だったのは、以下の2枚。
Al Haig / A Portrait Of Bud Powell ( 米 Interplay Records IP-7707 )
まずは音の良さに驚かされる。 70年代の録音とは思えない、くっきりとした輪郭で生々しい音。 楽器が生きている感じがする。
アル・ヘイグの演奏も非常に闊達で、パウエルの息吹をしっかりと発している。 これは素晴らしい演奏で感動した。
Dexter Gordon / Jive Fernando ( 米 Chiaroscuro Records CR 2029 )
デックスにこんなアルバムがあるなんて知らなかった。 1981年8月のサンフランシスコでのライヴを収録したものだが、ピアノがジョージ・デューク
というのが珍しい。 この人の生ピアノなんて初めて聴いたけど、これが正統派のジャズピアノで、ブラインドで聴いてその名前を当てられる人はまず
いないだろう。 デックスは相変わらず絶好調で、太く大きな音でアフタービートながらなめらかな演奏が最高だ。 音質も良好で、何も問題なし。
"The Shadow Of Your Smile" を見事なバラードに仕立て上げていて、これで "いそしぎ" の名演がまた1つ増えた。
結果的には満足度の高い漁盤だったけれど、やっぱり探すことそのものが愉しい。 いかに安くていいものを買えるか、というこのゲームは止められない。
音楽やレコードへの見識が試されるのは、まさにこういう時だろうと思う。