

Claude Thornhill and his Orchestra / Dancing After Midnight ( Columbia CL 709 )
もう、このジャケットを見ただけでどんな音楽なのかわかりそうなものです。 真夜中過ぎに男と女が踊る目的は1つだし、踊るには音楽が
必要でしょう。 幸い、アメリカにはそういう類いの音楽はたくさんあります。 レイモン・ルフェーブル、パーシー・フェイス、マントヴァーニー。
中古レコードを探していると、エサ箱にこういうレコードが入っているのを見かけることも多いでしょう。
クロード・ソーンヒルはそういう音楽とは一線を画す本格派で、まあ、わかる人にはわかるのですが、中々知名度も上がりません。
知っている人だけが大事に聴き続ける、そういうタイプの音楽です。 彼の音楽を慕って集まったミュージシャンは多く、ジェリー・マリガン、
リー・コニッツ、バリー・ガルブレイス、レッド・ロドニー、名前を挙げればキリがない。
この楽団のテーマ曲でもある "Snowfall" が収録されているこのレコードはトレンドの10インチと並ぶこの楽団の決定盤。 お抱えのコーラスグループ、
SnowFlakes が歌う "I Don't Know Why" や "Rock-A-Bye Baby" の夢見るような歌がたまりません。 まるで、天上の音楽です。
クリス・コナーも若い頃、このグループの一員でした。
ジャズにはいろんな形があるんだなあ、と思います。 そして、それぞれの形の中に一流の音楽家がいるのです。