報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“アンドロイドマスター” ボツネタ

2014-02-01 19:15:47 | 日記
 ある日の財団仙台事務所。
「マリオでス」
「ルイージです」
「2人揃っテ……“スーパーマリオ・ブラザーズ”!」
 ♪♪(あの曲)♪♪
「さっきから何やってるんだ、あいつら?」
 ここはエントランスホール。いかにロボット研究の最先端を行く研究機関を統括する財団の地方事務所とはいえ、かつては無差別テロロボットとして設計、製造された2機のロボットが漫才やってるのに敷島は呆れた。
「ドクター・アリスの・“ビジネス”の・ようです」
 エミリーが敷島の疑問に答えた。
「ノー!ノー!ダメよ!そんなんじゃ、ウケないわよ!!」
 パンパンと手を叩いてダメ出しをするアリス。
「ボーカロイド・プロジェクトの・成功により・ドクター・アリスも・参入される・と……」
「あのなぁ……」

 そして……。
「どこが問題だっていうのよ!?今、ボーカロイド達は歌って踊れるだけじゃなく、ドラマや映画、ミュージカルと引っ張りだこでしょ?そのニッチとして、コメディアンに参入するのよ!」
 事務室で敷島に説教を受けたアリスは、猛反発。
「いや、確かにボカロはお笑いは基本やってないけど……」
「メディア展開によっちゃ、やってなくもないッスけどねー。ちびミクさんとか
 敷島の部下が口を挟む。
「黙ってろ。まあ、アイディアとしては悪くは無いけども……」
「でしょ?」
「バージョンはもっと違う用途に使うべきだろう。バージョン・シリーズは、無差別テロロボットというイメージが強いんだし……」
「それをコメディアンへの転用に成功したってなれば、大注目じゃない!」
「いや、だからさ……」
「ずっと倉庫に保管じゃもったいないわよ」
「そりゃそうだけど、もっと他に用途を考えようよ。例えば更に改良して、それこそ福島第一原発への作業ロボットにするとかさ」
「それこそ、ムリよ」
「何で?」
「それこそ無差別テロロボットを原発地域に送り込もうとしたら、猛反対されるに決まってるじゃない」
「そんなことないさ。バージョン・シリーズは、どんなに放射能に汚染されている地域でも、人間に代わってどんどん奥に入って行けるんだろ?」
「まだ無事な原子炉を更に爆破させる為だってよ」
「お前の祖父さん、世界の滅亡が目的だったのか?」
「年金が目的だったんじゃない?」
「関係あるのか、それ!」
「とにかく、テロ用のロボットはあくまでも、そのイメージを変える為に、まずはエンターテイメント用に転換すべきだわ」
「いやいや、実用性からして危険地域での作業ロボットに転用した方がいい!」

 それから……。
「コレハコレハ、カーネル・エミリー!」
 ビシッと敬礼を決めるマリオとルイージ。
「カーネルとは……初めて・呼ばれた。まあいい。それより・総務部で・トラブル発生と・聞いた。何が・あった?」
「ハッ。私共ノ用途ヲドノヨウニ転換スルカデ、敷島参事トドクター・アリスとデ、トラブルニナッテイル模様デス」
「既ニ総務部ハ、業務休止状態デス」
「!」
 エミリーが中の様子を伺うと、ギャーギャーと敷島とアリスが大ゲンカになっているのが分かった。
 エミリーが分析してみる。
「ん?……」
「ドウナサイマシタ、カーネル?」
 赤い塗装のマリオが違和感を顔に出すエミリーに聞く。
「いや……。分析エラーだ。再度、分析する」
「ハッ」
「……ダメだ。良い分析結果が・出ない」
「ドノヨウナ結果ガ?」
 緑の塗装のルイージが聞いた。
「敷島さんと・ドクター・アリスの・トラブル。夫婦喧嘩と出た」
「ハア!?」
 2機の無差別テロロボット兄弟は、崇敬するガイノイドの突拍子もない分析結果に、危うくフリーズするところだった。
「犬も・食わない・とか・どういう意味だ?」
「ソレ、諺デアリマス!」
「いいから、早くその夫婦喧嘩を止めんかい」
 訪ねて来た十条が、事務室前で屯っている2機のロボットと1機のガイノイドに突っ込んだ。
「ドクター十条。ですが・敷島さんと・ドクター・アリスは・結婚していません。この・分析結果は……」
「やかましい!後で説明するから、取り急ぎ早くケンカを止めんかーい!」

 折衷案。
〔「エー、皆サン、長ラクお待タセ致しまシタ。マモナク、ボーカロイドのトップアイドル、初音ミクのソロライブを開催シタイト思イマス!」〕
 マリオはボーカロイドのライブイベントの司会者に、
「皆サン、行キマスヨ!ニーハイ!オーハイ!」
 ルイージは最前列席でサイリウムを振りながら、他の熱狂的ファンのヲタ芸を指揮する役をやっていた。
(気が散る……)
 ミクは用途転換の実験中とはいえ、あのバージョン2機がライブ会場にいるということを物凄く気にしていた。
「何これ……?」
 舞台袖で呆れた顔をするアリスだった。
「いきなりステージに上がるのはまだ早い。まずは裏方の仕事からだ!」
 敷島は大きく、拳を握って言った。元プロデューサーとして、昔取った杵柄のつもりのようだ。
「No...違うと思う……」
 アリスは首を横に振った。

 最後列の観客席では、十条がライブの様子を観客として見に来ていた。
「しかしこの折衷案、どちらかというとアリス君寄りではないかね。だいぶ敷島君も譲歩したな」
「そうですね」
 キールとエミリーも、一緒にサイリウムを振っていた。
「ふむ……。意外のお似合いの2人ではないかね?」
「ええ」
「イエス」
 2人のガイノイドとアンドロイドは、同時に大きく頷いた。
コメント (1)
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“ユタと愉快な仲間たち” ボツネタ

2014-02-01 15:23:51 | 日記
[2月3日16:00. 東京都内の大学→藤谷のベンツ車内 稲生ユウタ&藤谷春人]

「はぁ……」
 取りあえず、今日の講義は終わった。
 ユタは大学構内から外に出て、最寄りに向かう。吐く溜め息が白い。
 と、そこへ1台の車が横に止まり、パッパーッとクラクションを鳴らした。
「よう、どこへ行くんだ?乗せてってやろうか?」
 左ハンドルの車から顔を覗かせたのは、
「藤谷班長。どうしてここへ?」
「アミューズメント・ビルディングの建設、うちが担当することになってさ、その現場の視察に行ったところさ」
 藤谷は得意げに車の後ろを指さした。そこには何も見えなかったが、テレビでも話題になった複合ビルは確かその方向だった。
「ま、この信心をやってて、ようやく……ってところかな」
「いいですね」
「ん?」

[同日16:30.都内の首都高速を走るベンツ ユタ&藤谷]

「大学は威吹君達と一緒じゃないんだな?」
「あの2人が来ると目立ってしょうがないですから」
「おいおい、個性的な大学生も多くいるんだから、別にいいんじゃないか。大学って所は、高校までと違って開かれた場所なんだし。……まあ、女子大に俺達が行ったら大変だけどな」
「はは……」
「建築の仕事でも無けりゃ、一生女子大に出入りできんよ。それより、何か最近、覇気が無いじゃないか。どこか体の具合でも悪いのか?」
「い、いえ、そういうことじゃ……」
「勤行ちゃんとやってるか?」
「はい!」
「威吹のヤツ、稲生君が宗門に来てから霊力が落ちたって騒いでたからな。もしかすると、信心の妨害でもしてくる魔に変化したかと思ってさ」
「信仰の意思は尊重されます。それを妨害することは、獲物取扱規定に反するそうです」
「霊力が落ちる原因ってのは、お前らみたいな人喰い妖怪に狙われないための防衛だって言ってやれよ。C級だか何だか知らんが、キミの霊力とやらが弱かったら、今頃ヤツは石像の中だったんだろ?」
「まあ、そういうことになりますね」
「恩着せがましいことは言わんが、勝手なことはするなってさ」
「ですよね……」
 しばらく会話が無くなった。
 先に口を開いたのは藤谷。
「威吹君と仲が悪くなったんじゃないか?」
「い、いえっ……!どうしてですか!?」
「大学はともかく、寺にも一緒に来てるのは威吹君じゃなく、弟子のカンジ君だけだ。何かあったのか?」
「威吹はカンジ君に、“獲物”と一緒に行動することに慣らせる為に……」
 ユタは慌てて答えたが、
「……すいません。ちょっと、意見の食い違いがあって」
「まあ、そうだよな。人間と妖怪とじゃ、だいぶ思考回路も違うだろう。今はキミの味方のようだが、いずれは牙を剥くかもしれないことは想定しないと」
「そんなことは……!そんなこと、あるはず……」

[同日17:30.さいたま市中央区 ユタの家 ユタ&藤谷]

「稲生さん!」
 電車通学のはずのユタが、車で帰ってきたことに驚いたのはカンジ。
「威吹君はいるかい?」
「先生はお留守だ」
「えっ、威吹いないの?」
 ユタも驚くと、
「急に里から呼び出しが来まして、もしかすると今日はお戻りになられないかもしれません」
「ダメだな……。大事な“獲物”のテンション下げるなって説教してやろうかと思ったのに」
 藤谷は口元を歪めて首を傾げた。
 カンジはキッと藤谷を睨みつけたが、すぐにユタが遮るように言った。
「いつ頃出て行ったの」
「だいたい1時間くらい前です」
「謹慎処分解除のお知らせかな?」
 ユタは首を傾げながら言った。
「だったら呼び出しじゃなく、通知書送り付けた方が安いだろ?」
「あ、そうか」
「とにかく、夕食の用意ができてますので……」
「班長もどうですか?」
「いいのか?」
「カンジ君、いいかな?」
「ええ。どうぞ」
「悪いなー。後で何かごちそうするよ」
「えっ?」
「もし仮に、威吹君の謹慎解除のお知らせだったら、その祝いだな。まあ、昨日の競馬の勝ち分もあるし」
「そっちですか」
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具合の悪い年

2014-02-01 00:46:07 | 日記
 健康診断で貧血と出たのは想定内だったが、どうも今回のは深刻かもしれない。
 何故なら、血圧は意外とそんなに低くないからだ。
 市販の鉄剤でも購入しておこう。
 午前中の私は頗る機嫌が悪いので、注意して欲しい。
 歯の痛みも引かないことが、余計に精神の不安定を助長させている。
 何度も歯科に通っているが、改善が見込まれないので、つい別の病気を疑ってしまう。
 ちょうど見たCMで、もしかしたら神経痛じゃないのかなと。
 神経痛だなんて年寄り臭いと思うかもしれない。私もそう思った。
 しかし、ネットに転がってる情報をかき集めてみると、高齢者に多いのは事実だが、それを除けば、私の今の痛みと一致する病気があった。
 はてさて、神経内科ってどこにあるのだろう???私の通院している総合病院にもあるにはあるが、紹介状が無いと診てくれそうにない。
 ま、ネットで探すしか無いか。

 昔からではあるのだが、どうも私は老化現象が早いみたいだね。体の外側は取り繕えても、中はそうはいかない。タチが悪い事に、私は体の中から先に老化しているようだ。
 考えようによっては、早死に且つ生涯独身狙いの者はこちらのパターンがいいのかもしれない。

 でね……。
 昨年の初夢は、取りあえず私が80歳くらいまでは元気に過ごしている内容だった。生涯独身であるようだが、お茶飲み友達はいるようで、けして孤独ではないと。
 それが一転して一昨日見た今年の初夢は、病院に入院しているものだった。それも、普通の病室ではない。恐らくは集中治療室、もしくは救急処置室の中であっただろう。手術室ではなかった。
 検査衣を着た看護師などが慌ただしく動き回っており、しかも私は何だか輸血を受けていたようだ。
 包帯とかはしていなかったので、大怪我したわけではない。恐らく持病が悪化して、下血が止まらなくなり、輸血を受けたのではなかろうか。
 現実的にあり得る内容の夢だっただけに、「ああ、今年も大した功徳は無ェな」と思った次第である。
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