報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「御本尊はどこに!?」

2014-11-23 19:50:29 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[11月22日16:00.埼玉県さいたま市中央区 マルエツ与野店 威波莞爾]

 稲生家で家事全般を任されているカンジは、夕食の買い出しに行っていた。
 今日はユタの母親もいるはずだが、何故かまだ帰っておらず、仕方が無いので、カンジが単独で買い物メモを手に来店した次第。
 店の入口には焼き鳥の屋台が出ており、カンジはその匂いにそそられた。
(先生方の酒の肴に、焼き鳥もいいだろう)
 カンジは焼き鳥の屋台に並んだ。
「いらっしゃいませ。これからお買い物ですか?」
 と、40代後半くらいの店主が気さくに話しかけて来る。
「ええ」
「お買い物の間に焼いておきますよ。何にします?」
「そうだな……。やはりベタな法則で、モモは欠かせないだろうな。確か、先生は砂肝やつくねもお好きだったな」
 カンジは焼き鳥を注文しておいた。
 屋台のラジオからは、軽快な音楽が聞こえてくる。

〔「……以上、初音ミクの新曲をお送りしました。では、ここで交通情報をお送りしたいと思います。……」〕

「では、焼いておきますので」
「よろしく」

 それから約15分後。
 買い物メモに書かれていた内容を買うだけだったので、かなりスピーディーだった。
 惜しむらくはレジが混んでいて、そこで時間を取られたということだ。
 無論、屋台とはいえ、そこは焼き鳥屋だ。
 焼き上がったものは、ちゃんと保温してくれているだろう。
「ああ、威波ですが……」
「はい、威波様。焼いておきました。お会計が……」
 カンジが会計をしている時だった。

〔「……今日午後2時半頃、さいたま市大宮区の旧中山道で、路線バスが乗用車や別のバスに衝突・追突するという事故があり、この事故で23名が重軽傷を負いました。事故があったのはJR大宮駅東口前の中央通りと旧中山道とのスクランブル交差点で、自治医大医療センター発、大宮駅東口行きの路線バスが赤信号を無視して乗用車に衝突した後、高島屋前の降車場に停車していた別のバスに追突したものです。追突したバスの運転手は、『突然ブレーキが利かなくなった』と証言しており、この事故で……」〕

「……!」
 カンジは無表情であったが、ラジオニュースを聞いて、険しい顔になった。
 そして釣り銭を受け取ると、脱兎の如く家に取って返したのだった。

[同日16:30.さいたま市中央区 ユタの家 威吹邪甲、カンジ、マリアンナ・スカーレット]

「カンジ、大変だ!ユタの御母堂様が事故に遭われた!何てことだ……!」
「やはりそうでしたか。あのラジオは……。それで、ご容態は?」
「分からん。現在のところ情報無し、手掛かり無し、皆無だ」
 マリアが肩を竦めて答えた。
「お帰りが遅いので水晶球を使ったら、この通りだ」
 マリアが手持ちの水晶球を出すと、事故現場の様子が映し出された。
 今ではさすがに事故車両も撤去されて通行止めは解除されているが、まだ警察がいた。
「お母様の軌跡を辿ったところ、乗られたバスが事故に遭って、病院に搬送されたようだ。ただ、そのバスは衝突した衝撃で爆発・炎上したがな。それもまた、通行止めに拍車を掛けたようだ」
「なるほど……」
 そこへ固定電話が掛かって来た。
 カンジが電話に出る。
「はい、稲生です」
{「あー、私だ。その声は威波君かね?」}
「お父上殿。どうなさいましたか?」
{「実は家内が交通事故に遭ってしまった。私は取り急ぎ病院に行く。申し訳無いが、今のところは息子には内緒にしておいてくれないか」}
「お気持ちはお察し致します。ということは、自治医大さいたま医療センターではないのですね?」
{「ああ。幸い、我が家の近くの日赤病院だ。報道では重軽傷とあるから命に関わる重体ではないのだろうが、一応念の為だ」}
「了解しました。我々はどうしたらよろしいでしょう?御子息に内緒にする以外に、何か対応すべき点はありますか?」
{「いや、そのまま家で待機していてもらいたい。夕食も先に食べておいてくれ。ミズ・スカーレットも御一緒か?彼女にも振る舞ってくれ」}
「かしこまりました」
 カンジは電話を切った。
 そして今の内容を2人に伝えた。
「やはり事故に巻き込まれていたか……」
「土休日は本数の少ないバスだ。もしかしたら、と思っていたのだが……」
 威吹もマリアも暗い表情になった。
 1人だけポーカーフェイスのカンジが、
「確かに療養中の稲生さんに、余計な心配は掛けたくないというのは分かります。ご容態が分かるまでは、確かにお話ししない方がいいかもしれません」
「そうだな」
 カンジの言葉に2人は頷いた。

[同日21:00.同場所 上記メンバーにユタの父親]

 父親は少しばかり憔悴した様子で、役員車から降りてきた。
「お帰りなさい」
「ご容態はいかがでしたか?」
 妖狐達が出迎える。
「ああ。幸い、命に別状は無い。ただ、2〜3日は入院が必要とのことだ」
「そうでしたか」
「カバンもケータイもバスの中で、そのバスが爆発・炎上したものだから燃えてしまったそうだ」
「! では、脱講届……」
「また、ユウタに書いてもらわなくてはならないな……」
「本尊はどうでしたか?」
「本尊?」
「御母堂様は、仏壇にあった本尊の返納もついでに行われる御予定でございましたか?」
 威吹の質問に、
「いや、そこまでは聞いていない。それどころじゃなかった」
 父親は吐き捨てるように言って、家の奥へ行ってしまった。
「……先生」
「まあ、たまたまだろう。たまたま、事故に遭われた。それだけのことさ。カンジ、御尊父様の為に風呂を沸かして差し上げてくれ」
「了解しました」
「…………」
 マリアもまた落ち着きの無い様子であった。
(本尊のこと、何て説明しよう……)

[11月23日13:00.埼玉県さいたま市内 タクシー車内→自治医大さいたま医療センター マリア、威吹、ユタの父親]

 マリアはタクシーの助手席に座っている。
 ユタの母親の見舞いが終わった後、今度はユタの見舞いに行くことになった。
 そこでマリアと威吹が聞いた衝撃の事実。
 ユタの母親は、御本尊を持ち出してはいなかった。
 燃えてしまったカバンの中には脱講届が入っていたが、御本尊は入っていなかったという。
 それならば、御本尊はどこに?となる。
 マリアはもちろん触ってもいない。
 妖狐達は仏間に近づくことすら禁忌だと言っていた。
 そして父親もまた否定している。
(紛失……か)

 そして、タクシーは現場に到着した。
 料金は父親が支払い、その間にマリアが警備本部で受付をした。
 病室に向かうエレベーターの中で、父親が言った。
「いいかい?くれぐれも、家内が事故に遭ったことは言わないでくれよ?」
「はい」
「承知でござる」
 病室に行くと、1番軽傷だった左手の方が包帯から湿布のようなものに変わっていた。
「あ、こんにちは」
「少しずつケガが回復しているようだな」
 3人は努めてにこやかに接した。
「何とかね。後は左足と……。右手と右足が1番最後になるみたい。せめて足が先に治るといいんだけど……」
 父親は頷いて言った。
「まあ、慌てず、ゆっくりな。大学にはちゃんと病欠届……まあ、病気ではないんだけど、しかるべき届出はしてあるから心配するな」
「うん」
「で、届け出と言えば……件の脱講届なんだが、ちょっと母さんが不手際で紛失してしまってね」
「え?」
「もう1度書いてもらいたいんだ。まだ利き手が動かせなくて大変だけど、そっちの左手でゆっくりでいいから、またサインをしてもらえないか?」
「……気が向いたらね」
「まあ、その右手が治ってからでもいいんだが……。とにかく、申し訳無い。……おっと、会社から電話だ。ちょっと待ってくれ」
 病室内では通話ができないので、父親は急いで通話可能エリアまで行ってしまった。
「……マリアさん、御本尊様はどうしました?」
「!」
 ユタの質問にマリアの鼓動が高鳴る。
 ちらっと威吹の方を見たが、威吹は目を逸らした。
(逃げやがって!この狐野郎!)
 と、心の中では憤慨したが、顔には出さず、
「申し訳無いが、既にお母様が返納されてしまったようだ」
 咄嗟にそう答えた。
「そうですか……。御不敬が無ければいいんですが……」
「お父様の仰る通り、ユウタ君も、脱講届についてはケガが治ってから書けばいいと思うな」
「そうですねぇ……」
「もしかしたらその間に、お父様の気が変わるかもしれない」
「それは無いと思いますけど」
「とにかく、退院まであと2週間くらいだ。それまで……な」
 マリアは冷や汗を浮かべながら、封印の解かれた笑顔を浮かべて言った。

 御本尊不敬。その罪は重い。その罰の現証は、まだ続く。
コメント (8)
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小説の途中ですが、ここで本日の動向をお送りします。 1123

2014-11-23 18:08:10 | 日記
 今日は「良い夫婦の日」らしいが、未婚の私には無関係な話だ。
 それより、所属寺院では青年部大会が行われ、私も何とか勤務をやりくりして参加した。
 午前中は高田馬場の現場を回らなければならなかったため、実質的な半休である。
 どうも、再来年は日興上人御生誕770年目ということで宗内も騒いでいるが、私が乗ったタクシーも日興自動車交通(東京無線所属)という偶然。
 まあ、それはどうでもいいが。

 鼓笛隊などが演奏やダンスを行ったが、顕正会の芙蓉楽団や雷門会と違うのは、子供も含まれていること。
 顕正会では子供は入信できないため、鼓笛隊の平均年齢に、そういった差が出るようだ。

 体験発表は2つ。男子部員と女子部員が1人ずつ出てきて発表した。
 どちらも元顕正会員でもなく、学会員でもなかった。
 出自には触れていないので、恐らく無宗教からの入信者と思われる。
 もっとも、男子部員は祖父母が法華講信徒だったというオチがあったのだが。
 どちらも入信前の悩みというのは、はっきり言って顕正会でのものと比べたら日常的なもので、恐らく向こうは笑うだろう。
 だが、ちっぽけな悩みで入信できるのが日蓮正宗というものである。
 私だって、人間関係優先で所属先を決めたようなものだ。
 顕正会ではそれは許されないだろう。しかし、法華講では許される。
 適当なのではない。それだけ余裕があるということなのだ。
 まあ、だから御本尊との繋がりについては特にこだわっていないのが欠点なんだけども。
 顕正会の体験発表は重過ぎる。添削の有無は置いといて、本当に内容だけ見ても重い。
 それが何を意味するのか。
 日常的な悩みを抱えていても、それが相談できないということなのである。
 私も日常的な悩みを抱えた時に、直属の上長に相談したことがある。
 無論、サトー様の所みたいに、
「ああっ!?」
 ということはなく、一応は聞いてくれる素振りはしてくれたが、あとはマシンガントークで、とても解決できるものではなかった。
 法華講では日常的な悩みが解決したということだけでも、体験発表として登壇する。
 それはちゃんと日常的な悩みであっても、相談に乗ってくれ、仏法的にそれが解決できる方向に導いてくれることである。
 難病に罹らないとダメだとか、元ヤクザでないとダメだというわけではない。
 ただその体験発表を聞いていて1つ残念に思ったのが、つまり実質無宗教からの入信者による体験発表のみだったため、さすがに元顕正会員の体験発表は凄まじ過ぎて推薦されなかったのかと思うと、少し残念に思った次第である。
 添削なんぞせんでも、元顕の体験発表はヘビィだぞ!

 終盤で青年部長が挨拶したが、これもツッコミ所が……。
 10年前は外国人信徒なんぞ200人中1人か2人しかいなかったが、今では3分の1くらいが外国人信徒だ。凄い!素晴らしい!というものだったが、ちょっと待ってくださいよ、と。
 それって、単純に日本人青年部員が10年前より3分の1減ったことにならないかと。
「10年後が楽しみです!」
 とのことだが、ほとんどが外国人になってたらどうするんだよ、部長さーん……。
 私の小説に出て来る外国人達みたいに日本語がペラペラなら100歩譲るが、多くが通訳を必要とする状態だぞ。
 でも、日本語喋れなくて、御受誡の時の読経ってどうしたんだろう???
「保ち奉るべし」
 は、その場にいる信徒が言うからいいけどさ。

 まあ、私が気にしていてもしょうがないことだ。
 私はまず、交わることはないだろう。

 総じて面白い大会ではあったが、これもまた宗門法華講の余裕が成せることだろう。
 まず間違いなく、顕正会ではできないことだと思った。

 ああ、そうそう。ここで蛇足を1つ。
 よっぴんさんのブログで名無しの投稿者が、
「バーズ氏やパラパラ茜氏が宗門に来ても迷惑なだけ。浅井と一緒に地獄に堕ちろ」
 みたいな投稿をして、それをよっぴんさんが窘めておられる。
 無論よっぴんさんの仰ることが正論なのだが、正直言って私もその名無しの投稿者の方に一票入れたいと思った。
 よっぴんさんは元顕だったかな?
 だとしたら、元顕の罪障の深さはご存知のはずで、彼らが爆発させる罪障もまた凄まじいこともご存知のはずだ。
 恐らくよっぴんさんは、私と違って懐が深い方なのだろう。
 はっきり言って私は無理だが、その辺はよっぴんさんにお任せするとしよう。
 既に、現役の時点で爆発させている茜さんの罪障を受け止める度胸がおありのようだから……。
コメント (2)
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