[10月3日13:00.天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 某焼肉店]
仙台駅で斉藤絵恋さんらと合流した私達は、駅を西口側に出た。
それから幾ばくも無い距離を歩き、大通りに面した雑居ビルに到着する。
エレベーターに乗って、お目当ての店へ……。
店員:「いらっしゃいませ!」
エレベーターを降りて、すぐ曲がると店の入口になっていた。
愛原:「5名で予約していた愛原ですが……」
店員:「愛原様ですね。どうぞ、こちらです!」
テーブル席を案内される。
愛原:「ランチ食べ放題を予約しているから、リサは好きにやってくれ」
リサ:「おおーっ!」
パール:「愛原先生、私と御嬢様の分は後ほどお支払いしますので……」
愛原:「少しだけもらっておこうかな。善場主任、3人分しか出してくれそうにないし」
高橋:「当たり前っちゃあ、当たり前っスけどね」
で、それから……。
リサ:「カルビおかわり!あとロースも!」
愛原:「えー、カルビとロース……」
私はタッチパネルで注文していく。
絵恋:「り、リサさん!まだ焼けてないわよ!」
リサ:「血のしたたるうちに食べるのが美味しいの!」
絵恋:「ええ~……」
高橋:「やっぱこいつ人間じゃねぇ……」
そして……。
店員:「失礼します。15分前、ラストオーダーの時間です」
リサ:「もう!?」
愛原:「制限時間60分だからな」
リサ:「カルビ、ロース、ハラミ、ライス大盛り、デザートでアイスクリーム!」
愛原:「ま、マジか……」
絵恋:「リサさん……うっぷ!」
絵恋さん、食べ過ぎて吐きそうになる。
愛原:「絵恋さん、無理について行かなくていいよ!」
高橋:「リサを倒すのは、BSAAに任せて避難しろ!」
パール:「御嬢様、後で漢方胃腸薬を御用意させて頂きますね」
絵恋:「お、お願い……」
[同日14:00.天候:晴 同地区内 某焼肉店]
愛原:「領収証お願いします」
店長:「か、かしこまりました……」
店員数人がかりで私達のテーブルを片付けるところを見た。
もちろん、リサの座っていた所に空いた皿が山盛りになっていた。
リサ:「あー、美味しかった!」
パール:「それはようございました……」
絵恋:「う、うん。良かったわね……」
リサに心酔している絵恋さんも、基地外サイコパスメイドと呼ばれたパールも、リサの食欲を前にしては顔面蒼白にならざるを得なかったようである。
〔下に参ります〕
会計を終えて領収書を手にした私が、一番最後にエレベーターに乗る。
〔ドアが閉まります〕
エレベーターのドアが閉まり、1階に降りている間、満足そうな笑みを浮かべているリサ以外は顔面蒼白あるいは無表情であった。
〔ドアが開きます〕
ピンポーン♪
〔1階です〕
〔上に参ります〕
リサ:「先生この後どうするの?」
エレベーターを降りてから、リサが聞いて来た。
リサ:「もうこのまま帰るの?」
愛原:「ああっと……そうだな。帰りの新幹線は15時57分の“はやぶさ”だ。まだまだ2時間近くあるな」
リサ:「じゃあ、どうする?デザートのスイーツバイキング!?」
絵恋:「う゛う゛……ッ!」
絵恋さんは薬を飲む間もなく、ビル内のトイレに駆け込んだ。
パール:「御嬢様!大丈夫ですか!?」
食べ過ぎて胃が大変なことになっていた絵恋さんだったが、リサの食欲に当てられて、ついに戻してしまった。
高橋:「あーあ……。せっかく食ったのに、勿体無ェ」
愛原:「そういう問題じゃない!」
リサ:「どうした、サイトー?生理来た?」
愛原:「オマエも他人事だな」
リサ:「私、生理で吐き気は無いから」
愛原:「ある人はあるの!……って、高野君が前に言ってた」
高橋:「あー、俺が昔付き合ってた彼女もそうでしたね。『妊娠した。責任取って』なんて言ってやがりましたが……」
愛原:「本当に生理の症状だったのか、それ?」
高橋:「俺と別れた後、別の男に妊娠させられて、後々大変なことになったみたいですが」
愛原:「何だそりゃ……」
リサ:「先生。スイーツがダメなら、体を動かしたい。食後のスポーツ!」
愛原:「食後のスポーツってオマエ……」
高橋:「ゲーセンにでも行きます?そっちのアーケード街にあるみたいっスよ」
愛原:「ゲーセンか。そこでいいか?」
リサ:「いいよ!」
愛原:「ただ、絵恋さんの具合次第だな……」
そう話しているうちに、トイレから絵恋さんとパールが出て来た。
愛原:「大丈夫かい、絵恋さん?」
絵恋:「サイトー、大丈夫?」
パール:「一応、漢方胃腸薬は飲んで頂きました」
愛原:「そうか」
絵恋:「吐いたらスッキリしました。もう大丈夫です」
愛原:「そういうものか」
リサ:「サイトー、まだ新幹線まで時間があるから、この近くのゲーセンに行くけど、一緒に行く?」
絵恋:「行きます!行きまーす!」
高橋:「急に元気になりやがった……」
愛原:「とにかく、それならいいや。とにかく行こう」
私達は名掛丁(なかけちょう)アーケード街に入った。
しかし、途中には飲食店がそこかしこにあり……。
リサ:「美味しそう……!」
リサが涎に耐えている中、絵恋さんは再びの吐き気に耐えていた。
そして……。
愛原:「おっ、パチ屋がある。新台導入だって」
高橋:「いいっスねぇ~!」
パール:「いいと思います」
愛原:「めでた♪めーでーたぁーの♪祭りの夜♪キミと2人っきり♪ってか」
高橋:「いっちょ打ってみますか」
パール:「お供致します!」
リサ:「ノー!ノー!」
絵恋:「こらこら!そこのパチンカス3バカ!」
高橋:「あぁ!?ガキはおとなしくプリクラでもしてな」
パール:「……あ、いや、私もマサとプリクラしたいけど?」
高橋:「あぁ!?」
愛原:「そ、そうだった。ゲーセンだったな。しょうがない。パチは東京に帰ってからにしよう」
高橋:「ええーっ?こういう出稼ぎも、なかなかいいと思うんスけどね」
愛原:「で、新幹線の時間が迫ってそろそろ出ようとする時に限って確変が止まらなくなり、あえなく乗り遅れるパターンだろ?分かってるよ。キミの信心は」
高橋:「信心!?」
愛原:「魔の妨害に負けてはいかん。というわけで、当初の予定通り、ゲーセンに行くぞ」
高橋:「うーっス……」
パール:「かしこまりました」
絵恋:「パールとプリクラでも撮りなさい!あ、もちろん私もリサさんと撮るからね!」
リサ:「ん、分かった」
パチンコを諦めざるを得ない大人3人の私達であった。
仙台駅で斉藤絵恋さんらと合流した私達は、駅を西口側に出た。
それから幾ばくも無い距離を歩き、大通りに面した雑居ビルに到着する。
エレベーターに乗って、お目当ての店へ……。
店員:「いらっしゃいませ!」
エレベーターを降りて、すぐ曲がると店の入口になっていた。
愛原:「5名で予約していた愛原ですが……」
店員:「愛原様ですね。どうぞ、こちらです!」
テーブル席を案内される。
愛原:「ランチ食べ放題を予約しているから、リサは好きにやってくれ」
リサ:「おおーっ!」
パール:「愛原先生、私と御嬢様の分は後ほどお支払いしますので……」
愛原:「少しだけもらっておこうかな。善場主任、3人分しか出してくれそうにないし」
高橋:「当たり前っちゃあ、当たり前っスけどね」
で、それから……。
リサ:「カルビおかわり!あとロースも!」
愛原:「えー、カルビとロース……」
私はタッチパネルで注文していく。
絵恋:「り、リサさん!まだ焼けてないわよ!」
リサ:「血のしたたるうちに食べるのが美味しいの!」
絵恋:「ええ~……」
高橋:「やっぱこいつ人間じゃねぇ……」
そして……。
店員:「失礼します。15分前、ラストオーダーの時間です」
リサ:「もう!?」
愛原:「制限時間60分だからな」
リサ:「カルビ、ロース、ハラミ、ライス大盛り、デザートでアイスクリーム!」
愛原:「ま、マジか……」
絵恋:「リサさん……うっぷ!」
絵恋さん、食べ過ぎて吐きそうになる。
愛原:「絵恋さん、無理について行かなくていいよ!」
高橋:「リサを倒すのは、BSAAに任せて避難しろ!」
パール:「御嬢様、後で漢方胃腸薬を御用意させて頂きますね」
絵恋:「お、お願い……」
[同日14:00.天候:晴 同地区内 某焼肉店]
愛原:「領収証お願いします」
店長:「か、かしこまりました……」
店員数人がかりで私達のテーブルを片付けるところを見た。
もちろん、リサの座っていた所に空いた皿が山盛りになっていた。
リサ:「あー、美味しかった!」
パール:「それはようございました……」
絵恋:「う、うん。良かったわね……」
リサに心酔している絵恋さんも、基地外サイコパスメイドと呼ばれたパールも、リサの食欲を前にしては顔面蒼白にならざるを得なかったようである。
〔下に参ります〕
会計を終えて領収書を手にした私が、一番最後にエレベーターに乗る。
〔ドアが閉まります〕
エレベーターのドアが閉まり、1階に降りている間、満足そうな笑みを浮かべているリサ以外は顔面蒼白あるいは無表情であった。
〔ドアが開きます〕
ピンポーン♪
〔1階です〕
〔上に参ります〕
リサ:「先生この後どうするの?」
エレベーターを降りてから、リサが聞いて来た。
リサ:「もうこのまま帰るの?」
愛原:「ああっと……そうだな。帰りの新幹線は15時57分の“はやぶさ”だ。まだまだ2時間近くあるな」
リサ:「じゃあ、どうする?デザートのスイーツバイキング!?」
絵恋:「う゛う゛……ッ!」
絵恋さんは薬を飲む間もなく、ビル内のトイレに駆け込んだ。
パール:「御嬢様!大丈夫ですか!?」
食べ過ぎて胃が大変なことになっていた絵恋さんだったが、リサの食欲に当てられて、ついに戻してしまった。
高橋:「あーあ……。せっかく食ったのに、勿体無ェ」
愛原:「そういう問題じゃない!」
リサ:「どうした、サイトー?生理来た?」
愛原:「オマエも他人事だな」
リサ:「私、生理で吐き気は無いから」
愛原:「ある人はあるの!……って、高野君が前に言ってた」
高橋:「あー、俺が昔付き合ってた彼女もそうでしたね。『妊娠した。責任取って』なんて言ってやがりましたが……」
愛原:「本当に生理の症状だったのか、それ?」
高橋:「俺と別れた後、別の男に妊娠させられて、後々大変なことになったみたいですが」
愛原:「何だそりゃ……」
リサ:「先生。スイーツがダメなら、体を動かしたい。食後のスポーツ!」
愛原:「食後のスポーツってオマエ……」
高橋:「ゲーセンにでも行きます?そっちのアーケード街にあるみたいっスよ」
愛原:「ゲーセンか。そこでいいか?」
リサ:「いいよ!」
愛原:「ただ、絵恋さんの具合次第だな……」
そう話しているうちに、トイレから絵恋さんとパールが出て来た。
愛原:「大丈夫かい、絵恋さん?」
絵恋:「サイトー、大丈夫?」
パール:「一応、漢方胃腸薬は飲んで頂きました」
愛原:「そうか」
絵恋:「吐いたらスッキリしました。もう大丈夫です」
愛原:「そういうものか」
リサ:「サイトー、まだ新幹線まで時間があるから、この近くのゲーセンに行くけど、一緒に行く?」
絵恋:「行きます!行きまーす!」
高橋:「急に元気になりやがった……」
愛原:「とにかく、それならいいや。とにかく行こう」
私達は名掛丁(なかけちょう)アーケード街に入った。
しかし、途中には飲食店がそこかしこにあり……。
リサ:「美味しそう……!」
リサが涎に耐えている中、絵恋さんは再びの吐き気に耐えていた。
そして……。
愛原:「おっ、パチ屋がある。新台導入だって」
高橋:「いいっスねぇ~!」
パール:「いいと思います」
愛原:「めでた♪めーでーたぁーの♪祭りの夜♪キミと2人っきり♪ってか」
高橋:「いっちょ打ってみますか」
パール:「お供致します!」
リサ:「ノー!ノー!」
絵恋:「こらこら!そこのパチンカス3バカ!」
高橋:「あぁ!?ガキはおとなしくプリクラでもしてな」
パール:「……あ、いや、私もマサとプリクラしたいけど?」
高橋:「あぁ!?」
愛原:「そ、そうだった。ゲーセンだったな。しょうがない。パチは東京に帰ってからにしよう」
高橋:「ええーっ?こういう出稼ぎも、なかなかいいと思うんスけどね」
愛原:「で、新幹線の時間が迫ってそろそろ出ようとする時に限って確変が止まらなくなり、あえなく乗り遅れるパターンだろ?分かってるよ。キミの信心は」
高橋:「信心!?」
愛原:「魔の妨害に負けてはいかん。というわけで、当初の予定通り、ゲーセンに行くぞ」
高橋:「うーっス……」
パール:「かしこまりました」
絵恋:「パールとプリクラでも撮りなさい!あ、もちろん私もリサさんと撮るからね!」
リサ:「ん、分かった」
パチンコを諦めざるを得ない大人3人の私達であった。