[11月20日20:00.天候:晴 長野県北部山中 マリアの屋敷1F西側プレイルーム]
ディーラー人形A:「いらっしゃいませ。ゲームに参加なさいますか?」
稲生宗一郎:「ああ。まるで、ちょっとしたカジノだねぇ……」
稲生佳子:「あら?ポーカーなのに、ジョーカーが入ってるの?」
ディーラー人形B:「はい。ローカルルールで、何にでも使えるオールマイティーカードです」
佳子:「それは助かるわ」
バーカウンターで、カクテルを注文する勇太とマリア。
バーテンダー人形:「何にしましょう?」
勇太:「カシスオレンジ」
マリア:「ジントニック」
バーテンダー人形:「かしこまりました」
宗一郎:「私にも、1つもらおうか。マティーニで」
バーテンダー人形:「かしこまりました」
佳子:「あなた、ちょっと飲み過ぎじゃない?」
宗一郎:「一杯だけだよ。それにしても、ちょっとしたカジノみたいなものがある、その心は何だい?ただの気分転換では無さそうだね?」
マリア:「さすが勇太のダディです。もちろん、気分転換の為という理由に嘘はありません。ただ、もう1つ大きな理由があるのです」
宗一郎:「それは?」
マリア:「予知能力を鍛える為です。次に、どのようなカードが来るかを予知し、それが当たるようになれば修行が進んだことになります」
宗一郎:「こんなんで鍛えられるのかい?何だか、ギャンブラーみたいな理由だね?」
マリア:「もちろん、それだけではないのですが……」
宗一郎:「よし。じゃあ、次はブラックジャックで勝負してみよう」
マリア:「分かりました」
マリアと宗一郎がブラックジャックで勝負する。
そして、このゲームにマリアが勝利した。
宗一郎:「本当に手に取るように分かるんだね!?」
マリア:「まだ、何となくです。師匠の場合は、目隠ししてでもできます」
宗一郎:「そうなのか!凄いね!」
マリア:「いえ……」
[同日22:00.天候:晴 マリアの屋敷西側2Fティールーム]
イリーナ:「御両親はどうしたんだい?」
勇太:「今、リラクゼーションルームで、マッサージを受けています」
イリーナ:「そうかい。マリアの人形は優秀だからね、きっと気に入ってもらえるよ」
マリア:「本当は師匠の為に造った部屋でしたね」
イリーナ:「ここ最近、また腰が痛いもんでねぇ……。この体も、そろそろ使用期限が迫っているみたいだよ」
マリア:「師匠。ですから、そうなる前に新しい体を……」
イリーナ:「いやいや。私はもう1000年生きた。さすがに、生きるのに飽きたよ。あなた達の子供を、孫代わりに抱っこさせてもらいながら冥府に行くのが、今は私の夢さね」
勇太:「先生……」
マリア:「この門内では、死ぬことに関しても、大師匠様の許可が必要ということでしたね?」
イリーナ:「そうだね。でも、1000年も生きれば十分さ。ダンテ先生も許して下さるよ」
勇太:「某悪魔なんか、10万年以上も生きているのに……」
イリーナ:「悪魔と魔道師を一緒にしては困るね。魔道師だって、元は普通の人間だった。しかし、悪魔は違う。悪魔は生まれた時から悪魔なんだ」
勇太:「すいません」
イリーナ:「さて……。御両親は長旅でお疲れだ。リラクゼーションサロンでリラックスした後は、就寝ってところだね。あなた達も、寝る準備をし」
勇太:「分かりました」
イリーナ:「マリアはどうするの?また、勇太君の部屋で寝るの?」
マリア:「さ、さすがに御両親が来てらっしゃるので、今夜は自分の部屋で寝ます」
イリーナ:「ふふ、そうかい。じゃあ、私も隣で寝させてもらおうかね」
勇太:「僕、お風呂に入って来ます」
勇太はティールームを出て、東側に向かった。
22時を過ぎても、まだ廊下には明かりが点いている。
しかし、その明るさはそれほどでもない。
暗いわけではないが、明るいわけでもないという感じ。
ホラー映画やゲームに出てくる洋館だって、館内の明るさはこんな感じだ。
正しく、そのような雰囲気であった。
ミカエラ:「…………」
今夜のメイド長(ハウスキーパー)を担うミカエラが、無表情で鍵束とカンテラを手に館内の巡回を行っている。
下級メイドは最上級メイドのハウスキーパーには頭が上がらず、鍵束をジャラジャラ鳴らして巡回する様は、恐怖の対象なのだという。
但し、それは人間に限った話であり、人形には当てはまらない。
屋敷の住人たる勇太には、出くわしても何もしてこない。
しかし、それが侵入者だとすると、たちまち攻撃態勢に入る。
昔は大型ナイフを振り回していたが、今は銃に変わっている。
もちろん、来訪者登録されている勇太の両親に対しても、攻撃しないはずだ。
[同日22:30.天候:晴 マリアの屋敷1F西側]
イリーナ:「マリア~、久しぶりに背中流して~」
マリア:「ええっ!?」
西側にも浴室はあるが、専らマリアとイリーナが使っている。
イリーナ:「いいじゃない。入門して暫くの間は、そうしてくれたでしょう?」
マリア:「昔の話ですよ……。まあ、分かりました。準備をしてきますので、お待ちください」
マリアは自分の部屋に取って返し、服から水着に着替えた。
かつて水泳の練習の時に、勇太に着せられたスクール水着ではなく、緑色のビキニである。
勇太:「ティールームにスマホ忘れた」
勇太が東側から西側へとやってくる。
既に入浴した後なので、パジャマ姿であった。
勇太:「おわっ、マリア!?」
マリア:「勇太!?」
勇太:「ど、どうしたの!?水着になっちゃって……」
マリア:「師匠が背中流してくれっていうから……」
勇太:「そ、そうだったのか。その水着、今年の夏に買ったヤツだね」
マリア:「ま、まあね」
勇太:「改めて見ると、やっぱり似合うよ。ここのプールに入る時も着てね」
マリア:「スク水に飽きた?」
勇太:「マリアはきれいだから、どっちも似合うよ」
マリア:「ふふ……ありがとう」(´∀`*)
すると、2人の弟子の頭の中に、イリーナからテレパシーが流れて来る。
イリーナ:「ちょっとマリア。イチャつくなら、アタシの背中を流した後でね」
マリア:「S-Sorry!すぐ行きます!そういうわけだから勇太、また今度ね!」
勇太:「お、お疲れ……」
マリアは急いで浴室に向かった。
勇太はマリアのビキニを着た後ろ姿を、見えなくなるまで見送った。
ディーラー人形A:「いらっしゃいませ。ゲームに参加なさいますか?」
稲生宗一郎:「ああ。まるで、ちょっとしたカジノだねぇ……」
稲生佳子:「あら?ポーカーなのに、ジョーカーが入ってるの?」
ディーラー人形B:「はい。ローカルルールで、何にでも使えるオールマイティーカードです」
佳子:「それは助かるわ」
バーカウンターで、カクテルを注文する勇太とマリア。
バーテンダー人形:「何にしましょう?」
勇太:「カシスオレンジ」
マリア:「ジントニック」
バーテンダー人形:「かしこまりました」
宗一郎:「私にも、1つもらおうか。マティーニで」
バーテンダー人形:「かしこまりました」
佳子:「あなた、ちょっと飲み過ぎじゃない?」
宗一郎:「一杯だけだよ。それにしても、ちょっとしたカジノみたいなものがある、その心は何だい?ただの気分転換では無さそうだね?」
マリア:「さすが勇太のダディです。もちろん、気分転換の為という理由に嘘はありません。ただ、もう1つ大きな理由があるのです」
宗一郎:「それは?」
マリア:「予知能力を鍛える為です。次に、どのようなカードが来るかを予知し、それが当たるようになれば修行が進んだことになります」
宗一郎:「こんなんで鍛えられるのかい?何だか、ギャンブラーみたいな理由だね?」
マリア:「もちろん、それだけではないのですが……」
宗一郎:「よし。じゃあ、次はブラックジャックで勝負してみよう」
マリア:「分かりました」
マリアと宗一郎がブラックジャックで勝負する。
そして、このゲームにマリアが勝利した。
宗一郎:「本当に手に取るように分かるんだね!?」
マリア:「まだ、何となくです。師匠の場合は、目隠ししてでもできます」
宗一郎:「そうなのか!凄いね!」
マリア:「いえ……」
[同日22:00.天候:晴 マリアの屋敷西側2Fティールーム]
イリーナ:「御両親はどうしたんだい?」
勇太:「今、リラクゼーションルームで、マッサージを受けています」
イリーナ:「そうかい。マリアの人形は優秀だからね、きっと気に入ってもらえるよ」
マリア:「本当は師匠の為に造った部屋でしたね」
イリーナ:「ここ最近、また腰が痛いもんでねぇ……。この体も、そろそろ使用期限が迫っているみたいだよ」
マリア:「師匠。ですから、そうなる前に新しい体を……」
イリーナ:「いやいや。私はもう1000年生きた。さすがに、生きるのに飽きたよ。あなた達の子供を、孫代わりに抱っこさせてもらいながら冥府に行くのが、今は私の夢さね」
勇太:「先生……」
マリア:「この門内では、死ぬことに関しても、大師匠様の許可が必要ということでしたね?」
イリーナ:「そうだね。でも、1000年も生きれば十分さ。ダンテ先生も許して下さるよ」
勇太:「某悪魔なんか、10万年以上も生きているのに……」
イリーナ:「悪魔と魔道師を一緒にしては困るね。魔道師だって、元は普通の人間だった。しかし、悪魔は違う。悪魔は生まれた時から悪魔なんだ」
勇太:「すいません」
イリーナ:「さて……。御両親は長旅でお疲れだ。リラクゼーションサロンでリラックスした後は、就寝ってところだね。あなた達も、寝る準備をし」
勇太:「分かりました」
イリーナ:「マリアはどうするの?また、勇太君の部屋で寝るの?」
マリア:「さ、さすがに御両親が来てらっしゃるので、今夜は自分の部屋で寝ます」
イリーナ:「ふふ、そうかい。じゃあ、私も隣で寝させてもらおうかね」
勇太:「僕、お風呂に入って来ます」
勇太はティールームを出て、東側に向かった。
22時を過ぎても、まだ廊下には明かりが点いている。
しかし、その明るさはそれほどでもない。
暗いわけではないが、明るいわけでもないという感じ。
ホラー映画やゲームに出てくる洋館だって、館内の明るさはこんな感じだ。
正しく、そのような雰囲気であった。
ミカエラ:「…………」
今夜のメイド長(ハウスキーパー)を担うミカエラが、無表情で鍵束とカンテラを手に館内の巡回を行っている。
下級メイドは最上級メイドのハウスキーパーには頭が上がらず、鍵束をジャラジャラ鳴らして巡回する様は、恐怖の対象なのだという。
但し、それは人間に限った話であり、人形には当てはまらない。
屋敷の住人たる勇太には、出くわしても何もしてこない。
しかし、それが侵入者だとすると、たちまち攻撃態勢に入る。
昔は大型ナイフを振り回していたが、今は銃に変わっている。
もちろん、来訪者登録されている勇太の両親に対しても、攻撃しないはずだ。
[同日22:30.天候:晴 マリアの屋敷1F西側]
イリーナ:「マリア~、久しぶりに背中流して~」
マリア:「ええっ!?」
西側にも浴室はあるが、専らマリアとイリーナが使っている。
イリーナ:「いいじゃない。入門して暫くの間は、そうしてくれたでしょう?」
マリア:「昔の話ですよ……。まあ、分かりました。準備をしてきますので、お待ちください」
マリアは自分の部屋に取って返し、服から水着に着替えた。
かつて水泳の練習の時に、勇太に着せられたスクール水着ではなく、緑色のビキニである。
勇太:「ティールームにスマホ忘れた」
勇太が東側から西側へとやってくる。
既に入浴した後なので、パジャマ姿であった。
勇太:「おわっ、マリア!?」
マリア:「勇太!?」
勇太:「ど、どうしたの!?水着になっちゃって……」
マリア:「師匠が背中流してくれっていうから……」
勇太:「そ、そうだったのか。その水着、今年の夏に買ったヤツだね」
マリア:「ま、まあね」
勇太:「改めて見ると、やっぱり似合うよ。ここのプールに入る時も着てね」
マリア:「スク水に飽きた?」
勇太:「マリアはきれいだから、どっちも似合うよ」
マリア:「ふふ……ありがとう」(´∀`*)
すると、2人の弟子の頭の中に、イリーナからテレパシーが流れて来る。
イリーナ:「ちょっとマリア。イチャつくなら、アタシの背中を流した後でね」
マリア:「S-Sorry!すぐ行きます!そういうわけだから勇太、また今度ね!」
勇太:「お、お疲れ……」
マリアは急いで浴室に向かった。
勇太はマリアのビキニを着た後ろ姿を、見えなくなるまで見送った。