[10月2日16:00.天候:曇 宮城県石巻市 ホテルルートイン石巻河南インター]
公一伯父さんの入院した病院から、比較的近い場所にあるホテルに私達はチェックインした。
車は善場主任達が乗って来たワンボックスに乗った。
斉藤絵恋:「えっ?私達の部屋は無いの!?」
善場:「当たり前です。今回、お仕事を依頼したのは愛原所長と高橋助手、そしてリサだけです。あなた達はお呼びでないですよ」
高橋:「そりゃそうだ」
絵恋:「今からチェックインすればいいのよ。お金ならあるわ!」
絵恋は父親から借りたであろう、アメリカンエキスプレスのゴールドカードを取り出した。
絵恋:「今日から一泊で、ツイン1つかシングル2つ空いてます!?」
フロント係:「申し訳ございません。あいにくですが、只今満室でございます」
絵恋:「ウソぉ!?」
高橋:「けっ、ざまぁ見ろ」
愛原:「緊急事態宣言が解除されて、旅行に行く人達も増えたからねぇ」
ロビーには、ちらほら旅行客らしき人達の姿が見受けられている。
パール:「御嬢様、仕方がありません。他のホテルに泊まりましょう。市内全部のホテルが全て満室というわけではないでしょう」
絵恋:「どうするの?」
パール:「石巻駅前なら、観光案内所があるはずです。そこでホテルを紹介してもらいましょう」
善場:「観光案内所は閉まるのが早いですから、早めに行った方がいいですよ」
パール:「言われるまでもありません」
パールは涙目の絵恋を抱えるように、ホテルを出ていった。
リサ:「何だかサイトーがかわいそう」
善場:「他人の事を気にするより、自分のことを気にしなさい」
リサ:「? どういうこと?」
善場:「今度の仕事は、あなたも参加することになるんだから」
リサ:「えっ?」
善場:「まずは荷物を置いて来てください」
愛原:「分かりました」
尚、返り血の付いたリサの服は着替えている。
リサ:「じゃあ、焼肉食べ放題は……」
善場:「今夜の仕事が上手く行ったら、明日ってことになるね」
リサ:「ぶー……」
リサはむくれてしまった。
どうやら今日で仕事が終わり、今夕食で焼肉食べ放題に有りつけるものと思っていたらしい。
愛原:「まあまあ、リサ。このホテルにもレストランがあるから、そこで夕食好きなだけ食べなよ」
リサ:「うーん……」
私が言うと、リサは納得……。
リサ:「でも、明日は焼肉食べ放題ね」
……していなかった。
愛原:「分かってるよ」
リサ:「ダメだったら、先生の肉食べ放題!」
愛原:「食うなよ!食うなよ!絶対食うなよ!」
善場:「今のうちに、クリス・レッドフィールド氏を招聘しておいた方がいいかしら?」
愛原:「念の為、お願いします!」
部屋に荷物を置いて来た。
ツインには私と高橋、シングルにはリサが入った。
因みに荷物は、後でBSAAの人が持って来てくれた。
やはりというべきか、車はあの戦いでオシャカになってしまったらしい。
車の中の荷物は無事だったので、それは持って来てもらったというわけだ。
善場:「レンタカーに関しましては、業務中の事故ということで、デイライトで責任を持ちます。所長はお気になさらないでください」
とのことだ。
ロビーで話をすることにした。
ソファに向かい合って、話をする。
愛原:「リサが汚れた服を洗いたいというので、コインランドリーに行ってきたもので……」
善場:「ああ、いいですよ。リサも服とか気にするようになりましたかね?」
愛原:「そうですね。もっとも、クリーチャーの返り血など、汚らわしくて仕方がないって感じです」
善場:「それはそうでしょうね」
愛原:「それで、仕事というのは?」
善場:「夜、ヴェルトロもしくはその下部組織が愛原公一氏と接触しようとしているようです」
愛原:「えっ!?」
善場:「今夜、愛原公一氏が石巻の鮎川港で、接触する予定だということが分かりました」
愛原:「それはどうしてです?」
善場:「取引ですね。ヴェルトロ側は、公一氏に偽物を渡されたと知ったようです。それで今回、改めて本物を渡すように迫ったというわけです」
高橋:「ブチキレ案件じゃねーのか?」
善場:「どういうわけか、『偽物を掴まされたのは、こちらが用意した報酬が足りなかったからだ』と判断したのか、『改めて100万ドル払うから、今度こそ本物を』と言ってきました」
高橋:「カネあんな!テロ組織ってのは儲かるのか!?」
善場:「ピンキリですよ。ヴェルトロの場合、どこか資金を潤沢に提供してくれるバックボーンが付いているのでしょうね」
高橋:「なるほど……」
善場:「公一氏はあの通り入院中ですし、その親戚である所長に代理役をお願いしたいのです」
高橋:「ええっ!?」
愛原:「重大な任務ですな」
善場:「はい。大きな危険が伴うと思われます。ですが、親戚だからこそ信用されるとも言えるのです。もちろん、行くのは所長1人だけではありません」
そこで善場主任、リサを見た。
善場:「リサに護衛してもらいます。それと同時に、この最上級BOWを従えているという事実を見れば、尚更信用に値することになるでしょう」
リサ:「むふ!私、先生護る!」
リサは鼻息を荒くして、右手の拳を握った。
高橋:「で、姉ちゃん、俺は……」
善場:「足手まといになるだけなので、今回はホテルで待機していてください」
高橋:「きっつー!」
本当にストレートな人だ、善場主任は。
愛原:「港までのアクセスは?」
善場:「御心配要りません。車で送迎致します」
愛原:「分かりました」
善場:「もう物は用意してありますので、あとは作戦通りにやって頂くだけです」
リサ:「夕食は?」
善場:「先に食べてからでいいですよ」
リサ:「やった!」
高橋:「食う事ばっか。……あ、そうだ。また、あのレズガキとサイコパスメイドが乱入してきたらどうよ?」
善場:「その時は公務執行妨害で逮捕することになりますね。リサ、東京中央学園では逮捕歴が付いたら退学ですね。親友がそうなってほしくないでしょう?そうならないように、今から注意しておくことですね」
リサ:「分かった。LINEしとく」
補導とか書類送検とかだと、停学だったか。
逮捕後、不起訴処分だったり、裁判後に無罪判決が言い渡された場合は復学も有り得るとのことだが……。
公一伯父さんの入院した病院から、比較的近い場所にあるホテルに私達はチェックインした。
車は善場主任達が乗って来たワンボックスに乗った。
斉藤絵恋:「えっ?私達の部屋は無いの!?」
善場:「当たり前です。今回、お仕事を依頼したのは愛原所長と高橋助手、そしてリサだけです。あなた達はお呼びでないですよ」
高橋:「そりゃそうだ」
絵恋:「今からチェックインすればいいのよ。お金ならあるわ!」
絵恋は父親から借りたであろう、アメリカンエキスプレスのゴールドカードを取り出した。
絵恋:「今日から一泊で、ツイン1つかシングル2つ空いてます!?」
フロント係:「申し訳ございません。あいにくですが、只今満室でございます」
絵恋:「ウソぉ!?」
高橋:「けっ、ざまぁ見ろ」
愛原:「緊急事態宣言が解除されて、旅行に行く人達も増えたからねぇ」
ロビーには、ちらほら旅行客らしき人達の姿が見受けられている。
パール:「御嬢様、仕方がありません。他のホテルに泊まりましょう。市内全部のホテルが全て満室というわけではないでしょう」
絵恋:「どうするの?」
パール:「石巻駅前なら、観光案内所があるはずです。そこでホテルを紹介してもらいましょう」
善場:「観光案内所は閉まるのが早いですから、早めに行った方がいいですよ」
パール:「言われるまでもありません」
パールは涙目の絵恋を抱えるように、ホテルを出ていった。
リサ:「何だかサイトーがかわいそう」
善場:「他人の事を気にするより、自分のことを気にしなさい」
リサ:「? どういうこと?」
善場:「今度の仕事は、あなたも参加することになるんだから」
リサ:「えっ?」
善場:「まずは荷物を置いて来てください」
愛原:「分かりました」
尚、返り血の付いたリサの服は着替えている。
リサ:「じゃあ、焼肉食べ放題は……」
善場:「今夜の仕事が上手く行ったら、明日ってことになるね」
リサ:「ぶー……」
リサはむくれてしまった。
どうやら今日で仕事が終わり、今夕食で焼肉食べ放題に有りつけるものと思っていたらしい。
愛原:「まあまあ、リサ。このホテルにもレストランがあるから、そこで夕食好きなだけ食べなよ」
リサ:「うーん……」
私が言うと、リサは納得……。
リサ:「でも、明日は焼肉食べ放題ね」
……していなかった。
愛原:「分かってるよ」
リサ:「ダメだったら、先生の肉食べ放題!」
愛原:「食うなよ!食うなよ!絶対食うなよ!」
善場:「今のうちに、クリス・レッドフィールド氏を招聘しておいた方がいいかしら?」
愛原:「念の為、お願いします!」
部屋に荷物を置いて来た。
ツインには私と高橋、シングルにはリサが入った。
因みに荷物は、後でBSAAの人が持って来てくれた。
やはりというべきか、車はあの戦いでオシャカになってしまったらしい。
車の中の荷物は無事だったので、それは持って来てもらったというわけだ。
善場:「レンタカーに関しましては、業務中の事故ということで、デイライトで責任を持ちます。所長はお気になさらないでください」
とのことだ。
ロビーで話をすることにした。
ソファに向かい合って、話をする。
愛原:「リサが汚れた服を洗いたいというので、コインランドリーに行ってきたもので……」
善場:「ああ、いいですよ。リサも服とか気にするようになりましたかね?」
愛原:「そうですね。もっとも、クリーチャーの返り血など、汚らわしくて仕方がないって感じです」
善場:「それはそうでしょうね」
愛原:「それで、仕事というのは?」
善場:「夜、ヴェルトロもしくはその下部組織が愛原公一氏と接触しようとしているようです」
愛原:「えっ!?」
善場:「今夜、愛原公一氏が石巻の鮎川港で、接触する予定だということが分かりました」
愛原:「それはどうしてです?」
善場:「取引ですね。ヴェルトロ側は、公一氏に偽物を渡されたと知ったようです。それで今回、改めて本物を渡すように迫ったというわけです」
高橋:「ブチキレ案件じゃねーのか?」
善場:「どういうわけか、『偽物を掴まされたのは、こちらが用意した報酬が足りなかったからだ』と判断したのか、『改めて100万ドル払うから、今度こそ本物を』と言ってきました」
高橋:「カネあんな!テロ組織ってのは儲かるのか!?」
善場:「ピンキリですよ。ヴェルトロの場合、どこか資金を潤沢に提供してくれるバックボーンが付いているのでしょうね」
高橋:「なるほど……」
善場:「公一氏はあの通り入院中ですし、その親戚である所長に代理役をお願いしたいのです」
高橋:「ええっ!?」
愛原:「重大な任務ですな」
善場:「はい。大きな危険が伴うと思われます。ですが、親戚だからこそ信用されるとも言えるのです。もちろん、行くのは所長1人だけではありません」
そこで善場主任、リサを見た。
善場:「リサに護衛してもらいます。それと同時に、この最上級BOWを従えているという事実を見れば、尚更信用に値することになるでしょう」
リサ:「むふ!私、先生護る!」
リサは鼻息を荒くして、右手の拳を握った。
高橋:「で、姉ちゃん、俺は……」
善場:「足手まといになるだけなので、今回はホテルで待機していてください」
高橋:「きっつー!」
本当にストレートな人だ、善場主任は。
愛原:「港までのアクセスは?」
善場:「御心配要りません。車で送迎致します」
愛原:「分かりました」
善場:「もう物は用意してありますので、あとは作戦通りにやって頂くだけです」
リサ:「夕食は?」
善場:「先に食べてからでいいですよ」
リサ:「やった!」
高橋:「食う事ばっか。……あ、そうだ。また、あのレズガキとサイコパスメイドが乱入してきたらどうよ?」
善場:「その時は公務執行妨害で逮捕することになりますね。リサ、東京中央学園では逮捕歴が付いたら退学ですね。親友がそうなってほしくないでしょう?そうならないように、今から注意しておくことですね」
リサ:「分かった。LINEしとく」
補導とか書類送検とかだと、停学だったか。
逮捕後、不起訴処分だったり、裁判後に無罪判決が言い渡された場合は復学も有り得るとのことだが……。