[10月2日22:30.天候:曇 宮城県石巻市小渕浜大宝 ファミリーマート]
鮎川港を離脱して、最初のコンビニに入店した私達。
大型車駐車場もあり、そこには大型トラックが2台ほど休んでいた。
また、普通車駐車場は週末ということもあってか、若者の乗った車が目立つ。
中には、高橋みたいなヤンチャなタイプな若者も。
高橋が見たら、あの走り屋使用の車、なんて評価するだろうか。
あいにくと私は、そういうのには詳しくないから、何とも言えない。
トイレを借りた後、リサは飲み物だけでなく、ファミチキやファミコロを購入していた。
愛原:「オマエ、また食うのか?」
リサ:「うん、夜食。緊張してお腹減ったから。あと、さっきトイレで出したから」
リサは自分の尻を指さして言った。
愛原:「あ、そう……」
かくいう私も、コーヒーを購入していたが。
コンビニでコーヒーを入れるのは久しぶりだ。
善場:「それでは出発します」
善場主任は、運転席の部下に命じて車を出させた。
再び暗い県道を突き進むことになる。
時折、真新しい区間に入ることがある。
カーナビを覗き見るが、同じ県道2号線であることに変わりは無いようだ。
恐らく、震災復興区間だろう。
旧道部分は打ち棄てられたか、或いは仮復旧時のまま残されているようである。
で、新しい道なだけに線形が良い。
ヤンチャな車がかっ飛ばしているのである。
私達の乗った車も、けしてゆっくり走っているわけではないし、気持ち、法定速度オーバー気味であると言っても良い。
まあ、警察が捕まえてこない程度のレベルであるが。
それを軽く対向車線に飛び出して、追い抜いて行くのだから、よほどスピードを出していると見える。
高橋も、私と出会う前はあんなことをしていたわけか。
ただ、本当の『遊び人』達は県道2号線ではなく、220号線(コバルトライン)を走るのだとか。
[同日23:30.天候:曇 同市恵み野 ホテルルートイン石巻河南インター]
石巻市も広いものだ。
取引先の漁港から、途中休憩を挟んだからとはいえ、1時間以上も掛かったのだから。
途中で牧山道路という、かつては有料県道だったトンネルを2つ通過した。
今は無料開放されているが、これのおかげで、だいぶ時間短縮ができたのだという。
地下トンネルではなく、山岳トンネルなのだが、かつては有料道路、つまり今でも自動車専用道路ということもあり、まるで霧生市を脱出する時の県道バイパスを彷彿とさせた。
但し、このトンネルがある道路は、今は市道となっている。
リサ:「」
リサは着くまでの間うたた寝をしていて、私に寄り掛かっていた。
高橋に見られたら、ブチギレ案件だな。
駐車場に入って、開いている駐車スペースに車が止まる。
善場:「到着しました。お疲れさまでした」
愛原:「ありがとうございます」
運転席からの操作で、助手席後ろのスライドドアが度自動で開く。
愛原:「リサ、起きろ。着いたぞ」
リサ:「むー……」
リサは眠い目を擦り、大きく欠伸をした。
車から降りると、涼しい夜風が吹いて来た。
そういえば、漁港の風も涼しかった。
この辺りはもう秋なのだろう。
涼しい夜風というか、風が少し強い。
ビュウッと吹いて来て、リサや主任の髪が靡くのは当然のこと、リサのスカートも捲くれ上がりそうになるほどだ。
愛原:「早いとこ入ろう」
ホテルの中に入る。
善場:「今日はありがとうございました。今夜のところはこのままお休み頂き、また明日、お話ししましょう」
リサ:「眠い。寝る……」
善場:「その通り。夜更かししないで寝るのよ」
リサ:「はーい……」
愛原:「私も、高橋が心配しているといけないので」
先に部屋に戻ろうと思った。
寝る前に、もう一度風呂に入ってこようかな。
それとも、明日の朝風呂にするか。
エレベーターに乗り込んで、客室フロアへと向かう。
愛原:「じゃあな、リサ。また、明日」
リサ:「うん……」
愛原:「明日の朝は、ホテルのレストランでバイキング。つまり、食べ放題だ」
リサ:「それは楽しみ」
愛原:「で、昼か夜は約束通り、焼肉食べ放題に連れて行ってやるよ」
リサ:「分かった。約束だよ」
愛原:「ああ」
なるべく安い店、探しておこう。
リサは自分のシングルルームに入った。
そして、私も自分のカードキーで同じフロアのツインルームに入る。
愛原:「ただいまァ」
室内は電気が点いていて、テレビも点いていたのだが、何故か室内に高橋はいなかった。
愛原:「ん?」
その代わり、バスルームから水の音がする。
どうやら、シャワーか何か使っているようだ。
出る前に一緒に大浴場に入ったのに、改めてシャワー使っているのか……。
愛原:「ん!?」
更に驚いたことに、高橋のベッドの上には、何故か女性用のパンティが無造作に置かれていた。
デザインからして、大人の女性の下着のようである。
何だってこんなものが???
黒を基調としたシルクのショーツだ。
恐らく、20代の女性をターゲットにしたデザインだろう。
リサも黒いショーツを持っているが、生理用だったり、そうでなくても、まだガーリーなデザインである。
ん?20代女性???
高橋:「ぅおっ!?先生!?」
その時、バスルームから高橋が出て来た。
愛原:「オマエ1人か?!」
私はバスタオルだけ下半身に巻いている高橋を退かして、バスルームの中を覗いた。
高橋:「そ、そうです!」
確かに、バスルームには高橋1人だけだったようだ。
愛原:「この下着は何だ!?」
高橋:「そ、それは、その……」
愛原:「ん?何だ?言ってみろ!」
高橋:「ぱ、パールのパンツです……」
やっぱりか。
それがどうしてここにあるのか……。
愛原:「で、それがどうしてここにあるんだ?」
高橋:「パールから分捕って来ました」
愛原:「嘘つけ。普通に貰って来た……というか、借りて来たんだろ!」
彼氏が彼女のパンティを持ち去ってきたというわけだ。
高橋:「そ、そうです」
何があったのか、私はだいたい推理できた。
愛原:「俺達が出掛けている間、どうせヒマだったんで、パールの所に会いに行った、或いはここに呼んだか?」
高橋:「お、俺の方から行きました……。というか、パールが迎えに来たんで……」
パールと絵恋さんはシングルの部屋を別々に取っているらしい。
絵恋さんの目を盗んで、高橋はパールの部屋に入り、そこで密会劇を繰り広げたようである。
そして、私が帰って来る直前に帰り、シャワーを浴びていたというわけだ。
愛原:「全くもう……。こっちは緊張した仕事だったってのに……」
高橋:「さ、サーセン……」
愛原:「何発ヤった!?」
高橋:「え、えーと……さ、3回ですw」
愛原:「そんなに!?若いねぇ!」
高橋:「へへ、どうも……」
やっぱり高橋、LGBTのGじゃないじゃないか。
高橋:「あ、あの……。もし良かったら、俺、姉ちゃんには黙っててますんで、先生は先生で、リサん所に行っても……」
愛原:「アホかーい!!」
スパーン!(丸めた新聞紙で、高橋の頭を引っ叩く私)
高橋:「ああッ!も、もっとォ~!」
愛原:「ったく!俺は大浴場でもう一っ風呂行ってくる!」
高橋:「い、行ってらっしゃいませ!」
とんでもない仕事終わりだった。
鮎川港を離脱して、最初のコンビニに入店した私達。
大型車駐車場もあり、そこには大型トラックが2台ほど休んでいた。
また、普通車駐車場は週末ということもあってか、若者の乗った車が目立つ。
中には、高橋みたいなヤンチャなタイプな若者も。
高橋が見たら、あの走り屋使用の車、なんて評価するだろうか。
あいにくと私は、そういうのには詳しくないから、何とも言えない。
トイレを借りた後、リサは飲み物だけでなく、ファミチキやファミコロを購入していた。
愛原:「オマエ、また食うのか?」
リサ:「うん、夜食。緊張してお腹減ったから。あと、さっきトイレで出したから」
リサは自分の尻を指さして言った。
愛原:「あ、そう……」
かくいう私も、コーヒーを購入していたが。
コンビニでコーヒーを入れるのは久しぶりだ。
善場:「それでは出発します」
善場主任は、運転席の部下に命じて車を出させた。
再び暗い県道を突き進むことになる。
時折、真新しい区間に入ることがある。
カーナビを覗き見るが、同じ県道2号線であることに変わりは無いようだ。
恐らく、震災復興区間だろう。
旧道部分は打ち棄てられたか、或いは仮復旧時のまま残されているようである。
で、新しい道なだけに線形が良い。
ヤンチャな車がかっ飛ばしているのである。
私達の乗った車も、けしてゆっくり走っているわけではないし、気持ち、法定速度オーバー気味であると言っても良い。
まあ、警察が捕まえてこない程度のレベルであるが。
それを軽く対向車線に飛び出して、追い抜いて行くのだから、よほどスピードを出していると見える。
高橋も、私と出会う前はあんなことをしていたわけか。
ただ、本当の『遊び人』達は県道2号線ではなく、220号線(コバルトライン)を走るのだとか。
[同日23:30.天候:曇 同市恵み野 ホテルルートイン石巻河南インター]
石巻市も広いものだ。
取引先の漁港から、途中休憩を挟んだからとはいえ、1時間以上も掛かったのだから。
途中で牧山道路という、かつては有料県道だったトンネルを2つ通過した。
今は無料開放されているが、これのおかげで、だいぶ時間短縮ができたのだという。
地下トンネルではなく、山岳トンネルなのだが、かつては有料道路、つまり今でも自動車専用道路ということもあり、まるで霧生市を脱出する時の県道バイパスを彷彿とさせた。
但し、このトンネルがある道路は、今は市道となっている。
リサ:「」
リサは着くまでの間うたた寝をしていて、私に寄り掛かっていた。
高橋に見られたら、ブチギレ案件だな。
駐車場に入って、開いている駐車スペースに車が止まる。
善場:「到着しました。お疲れさまでした」
愛原:「ありがとうございます」
運転席からの操作で、助手席後ろのスライドドアが度自動で開く。
愛原:「リサ、起きろ。着いたぞ」
リサ:「むー……」
リサは眠い目を擦り、大きく欠伸をした。
車から降りると、涼しい夜風が吹いて来た。
そういえば、漁港の風も涼しかった。
この辺りはもう秋なのだろう。
涼しい夜風というか、風が少し強い。
ビュウッと吹いて来て、リサや主任の髪が靡くのは当然のこと、リサのスカートも捲くれ上がりそうになるほどだ。
愛原:「早いとこ入ろう」
ホテルの中に入る。
善場:「今日はありがとうございました。今夜のところはこのままお休み頂き、また明日、お話ししましょう」
リサ:「眠い。寝る……」
善場:「その通り。夜更かししないで寝るのよ」
リサ:「はーい……」
愛原:「私も、高橋が心配しているといけないので」
先に部屋に戻ろうと思った。
寝る前に、もう一度風呂に入ってこようかな。
それとも、明日の朝風呂にするか。
エレベーターに乗り込んで、客室フロアへと向かう。
愛原:「じゃあな、リサ。また、明日」
リサ:「うん……」
愛原:「明日の朝は、ホテルのレストランでバイキング。つまり、食べ放題だ」
リサ:「それは楽しみ」
愛原:「で、昼か夜は約束通り、焼肉食べ放題に連れて行ってやるよ」
リサ:「分かった。約束だよ」
愛原:「ああ」
なるべく安い店、探しておこう。
リサは自分のシングルルームに入った。
そして、私も自分のカードキーで同じフロアのツインルームに入る。
愛原:「ただいまァ」
室内は電気が点いていて、テレビも点いていたのだが、何故か室内に高橋はいなかった。
愛原:「ん?」
その代わり、バスルームから水の音がする。
どうやら、シャワーか何か使っているようだ。
出る前に一緒に大浴場に入ったのに、改めてシャワー使っているのか……。
愛原:「ん!?」
更に驚いたことに、高橋のベッドの上には、何故か女性用のパンティが無造作に置かれていた。
デザインからして、大人の女性の下着のようである。
何だってこんなものが???
黒を基調としたシルクのショーツだ。
恐らく、20代の女性をターゲットにしたデザインだろう。
リサも黒いショーツを持っているが、生理用だったり、そうでなくても、まだガーリーなデザインである。
ん?20代女性???
高橋:「ぅおっ!?先生!?」
その時、バスルームから高橋が出て来た。
愛原:「オマエ1人か?!」
私はバスタオルだけ下半身に巻いている高橋を退かして、バスルームの中を覗いた。
高橋:「そ、そうです!」
確かに、バスルームには高橋1人だけだったようだ。
愛原:「この下着は何だ!?」
高橋:「そ、それは、その……」
愛原:「ん?何だ?言ってみろ!」
高橋:「ぱ、パールのパンツです……」
やっぱりか。
それがどうしてここにあるのか……。
愛原:「で、それがどうしてここにあるんだ?」
高橋:「パールから分捕って来ました」
愛原:「嘘つけ。普通に貰って来た……というか、借りて来たんだろ!」
彼氏が彼女のパンティを持ち去ってきたというわけだ。
高橋:「そ、そうです」
何があったのか、私はだいたい推理できた。
愛原:「俺達が出掛けている間、どうせヒマだったんで、パールの所に会いに行った、或いはここに呼んだか?」
高橋:「お、俺の方から行きました……。というか、パールが迎えに来たんで……」
パールと絵恋さんはシングルの部屋を別々に取っているらしい。
絵恋さんの目を盗んで、高橋はパールの部屋に入り、そこで密会劇を繰り広げたようである。
そして、私が帰って来る直前に帰り、シャワーを浴びていたというわけだ。
愛原:「全くもう……。こっちは緊張した仕事だったってのに……」
高橋:「さ、サーセン……」
愛原:「何発ヤった!?」
高橋:「え、えーと……さ、3回ですw」
愛原:「そんなに!?若いねぇ!」
高橋:「へへ、どうも……」
やっぱり高橋、LGBTのGじゃないじゃないか。
高橋:「あ、あの……。もし良かったら、俺、姉ちゃんには黙っててますんで、先生は先生で、リサん所に行っても……」
愛原:「アホかーい!!」
スパーン!(丸めた新聞紙で、高橋の頭を引っ叩く私)
高橋:「ああッ!も、もっとォ~!」
愛原:「ったく!俺は大浴場でもう一っ風呂行ってくる!」
高橋:「い、行ってらっしゃいませ!」
とんでもない仕事終わりだった。