[10月2日19時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 うしくろ菊川店]
店員「失礼します!こちら、スペシャル肉ケーキでございます」
リサ「おー!」
生肉を積み重ね、その上に花火を差した肉ケーキが届く。
善場「17歳の誕生日、おめでとうございます」
高橋「見た目は中坊、実年齢はアラフィフのオバハンw どこがセブンティーンだ」
リサ「ガァッ!」
愛原「はいはい。花火の火が消えたら、早速焼こう」
リサ「え?生じゃないの?」
愛原「生じゃない生じゃない。生で食べていいのは、さっきのユッケだけ」
リサ「なーんだ」
善場「暴走を防ぐ為のガス抜きだから、少々の生肉食は仕方が無いとはいえ、限度を超えると、暴走しやすくなりますからね?気を付けて」
リサ「はーい……」
愛原「限度ってどのくらいなんでしょうね?」
善場「具体的にどのくらいとは言えませんが、例えばお店で出される馬刺しやユッケの1人前分くらいは大丈夫でしょう。人間でも、あれくらいなら平気ですからね」
愛原「なるほど。昔は牛刺しとかもあったんだけどな」
リサ「そうなの!?」
愛原「そうだよ。俺が子供の時とか、よく父親がビールのつまみに食ってたもんだ」
リサ「美味しそう!今はダメなの?」
愛原「ああ。今はダメだ。食中毒の問題とかあったからさ」
厳密に言えば、牛刺しが無くなったのは狂牛病の影響で、牛肉ユッケが無くなったのは食中毒の問題による。
馬刺しや桜ユッケは未だに残っているが、狂馬病なる病気は今のところ存在しないし、桜ユッケによる食中毒も今のところ発生していないからである。
馬の体温は牛よりも高い為、食中毒菌が元から少ないのだそうだ。
高橋「こいつなら、O157まみれの肉も平気で食うと思いますけどね」
善場「実際、日本アンブレラの研究資料を押収したところ、TウィルスやGウィルスは、そういった病原菌をも捕食してしまうという研究結果が出ています」
通りでTウィルスに感染したゾンビが、生肉を捕食しても、何ともないわけである。
リサ「だから、生で食べても平気w」
善場「暴走する危険が高くなるから、ユッケ以外はやめなさい」
リサ「はーい……」
善場「ああ、そうそう。忘れてたわ。はい、誕生日プレゼント」
善場主任は、リサに図書カードを渡した。
善場「少しでも人間に戻る為には、しっかり勉強すること。あなたもアンブレラの研究所とかで見てきたと思うけど、化け物になればなるほどバカになるから。そうならない為にも、頭は良くしておきなさい」
リサ「うん、確かに。皆バカだったね」
それに気づいた一部の日本版リサ・トレヴァー達もいたが、手遅れになってしまった。
『1番』は善戦したが、結局は自らのGウィルス侵食を抑えることができず、最終的にはラスボスとして私達と対峙した。
善場「それと愛原所長」
愛原「何でしょう?」
善場「今月中に、リサの検査をしたいのです。現在のウィルスの状態とか……」
愛原「なるほど。それなら、来週の3連休は……」
リサ「ムリ!」
と、リサ。
愛原「どうしてだ?」
リサ「来週のスポーツの日は、体育祭があるから」
愛原「あ、そうか。PTA会長代行だけど、すっかり忘れてた」
善場「仕方ありませんね。その次の週はどうですか?」
リサ「うん、それならまあ……」
善場「それは良かったです。それでは、再来週よろしくお願いします」
愛原「分かりました。再来週になっても、こいつの免停は解除にならんと思いますけどね」
高橋「さ、サーセン……」
善場「交通費は、お支払い致しますので」
こうして、宴会は終了した。
支払いは善場主任がしてくれたが、しっかり領収書は切っていた。
今はレシートとは別に、レジで領収書を発行することができる。
愛原「善場主任、今日はご馳走様でした」
高橋「ごちっした!」
リサ「ご馳走様でした!」
善場「いいえ。こちらこそ、“青いアンブレラ”の国内活動防止のお役に立って下さっていますので、その労いです」
愛原「どうも、BSAAとは水と油のようですな」
まるで日蓮正宗内における、元顕正会員と元学会員みたいだ。
善場「活動が認められている国外で活動する分には、全く構わないのです。しかし、日本国内では活動が認められておりません。にも関わらず、活動しようとするのですから、取り締まる必要があるわけです」
愛原「高野君が問題なんですね?」
善場「彼女は間違いなく、エイダ・ウォンのコピーです。本物のエイダ・ウォンがどこにいるのかは分かりません。ですが、彼女を捕えれば、何か分かるかもしれないのです」
愛原「それは私達に依頼されても、手に余るでしょうね」
善場「はい。なので、正式に依頼はしません。ただ、有力な情報を得られた時に、こちらに流して頂ければ結構です。もちろん、謝礼はさせて頂きます」
愛原「分かりました。駅までお送りしましょう」
善場「いえ、結構です。このお店は、ちょうど森下駅からも近いようですね」
愛原「そうです。ちょうど、菊川駅と森下駅の間くらいでしょうか?」
善場「でしたら、私は都営大戸線で帰ります」
愛原「そうですか。主任は大江戸線沿線にお住まいなのですか?」
善場「内緒です。もしかしたら、政府直轄の秘密研究所の地下室暮らしかもしれませんよ?」
愛原「ま、まさか!?主任は既に人間に戻られているでしょう!?」
私の狼狽を期待していたのか、いつもはポーカーフェイスの主任が、少し微笑を浮かべた。
善場「冗談ですよ。もちろん、今はちゃんとした家に住んでいます。しかし、何故私は未だにナンバリングを受けているのかを考えますと、完全に人間に戻れたとは思われていないということですよ」
愛原「主任……」
善場「それでは、失礼します」
愛原「お、お疲れ様でした」
高橋「先生、俺達も帰りましょう」
愛原「そ、そうだな」
高橋「帰って一服と……あと、食後のコーヒーでも入れましょう」
愛原「ああ、頼むよ」
リサ「あの人……たまに、BOWの臭いがすることがあるの」
愛原「リサ!」
リサ「特に、私に言う事を聞かせようとする時にね。黒い瞳の奥が、赤く光るのが見えるの」
愛原「それは御本人には内緒だぞ?」
リサ「分かってる」
善場主任は、元日本版リサ・トレヴァー『12番』だった。
それが『0番』になっている。
0番は元は無かったナンバリングだ。
それを作ったのは、政府機関の方。
確かに善場主任の言う通り、彼女は表向き人間に戻ったとはされていても、裏では監視対象のままだということなのだろう。
もしもリサが表向きでも人間に戻れたとしても、やはり監視は続けられるのだろう。
番号は……『00』番ってところか。
まるで、プロ野球選手の背番号みたいだな。
リサ「それよりね、体育祭、『魔王軍』はチアリーディングやるんだよ。観に来てね」
愛原「チアリーディングやるのか!大丈夫なのか?中には体力に自信が無いコもいるだろう?」
リサ「それは大丈夫。大きな動きをするコと、そうでないコに分かれてる」
愛原「そうなのか」
リサ「来年はアイリッシュダンスでもやろうかな……」
高橋「魔女が出てくる別の世界と被るんじゃねーのか、それ?」
愛原「メタ発言をするんじゃない!」
私は高橋に注意をした。
そして、マンションに帰宅したのだった。
店員「失礼します!こちら、スペシャル肉ケーキでございます」
リサ「おー!」
生肉を積み重ね、その上に花火を差した肉ケーキが届く。
善場「17歳の誕生日、おめでとうございます」
高橋「見た目は中坊、実年齢はアラフィフのオバハンw どこがセブンティーンだ」
リサ「ガァッ!」
愛原「はいはい。花火の火が消えたら、早速焼こう」
リサ「え?生じゃないの?」
愛原「生じゃない生じゃない。生で食べていいのは、さっきのユッケだけ」
リサ「なーんだ」
善場「暴走を防ぐ為のガス抜きだから、少々の生肉食は仕方が無いとはいえ、限度を超えると、暴走しやすくなりますからね?気を付けて」
リサ「はーい……」
愛原「限度ってどのくらいなんでしょうね?」
善場「具体的にどのくらいとは言えませんが、例えばお店で出される馬刺しやユッケの1人前分くらいは大丈夫でしょう。人間でも、あれくらいなら平気ですからね」
愛原「なるほど。昔は牛刺しとかもあったんだけどな」
リサ「そうなの!?」
愛原「そうだよ。俺が子供の時とか、よく父親がビールのつまみに食ってたもんだ」
リサ「美味しそう!今はダメなの?」
愛原「ああ。今はダメだ。食中毒の問題とかあったからさ」
厳密に言えば、牛刺しが無くなったのは狂牛病の影響で、牛肉ユッケが無くなったのは食中毒の問題による。
馬刺しや桜ユッケは未だに残っているが、狂馬病なる病気は今のところ存在しないし、桜ユッケによる食中毒も今のところ発生していないからである。
馬の体温は牛よりも高い為、食中毒菌が元から少ないのだそうだ。
高橋「こいつなら、O157まみれの肉も平気で食うと思いますけどね」
善場「実際、日本アンブレラの研究資料を押収したところ、TウィルスやGウィルスは、そういった病原菌をも捕食してしまうという研究結果が出ています」
通りでTウィルスに感染したゾンビが、生肉を捕食しても、何ともないわけである。
リサ「だから、生で食べても平気w」
善場「暴走する危険が高くなるから、ユッケ以外はやめなさい」
リサ「はーい……」
善場「ああ、そうそう。忘れてたわ。はい、誕生日プレゼント」
善場主任は、リサに図書カードを渡した。
善場「少しでも人間に戻る為には、しっかり勉強すること。あなたもアンブレラの研究所とかで見てきたと思うけど、化け物になればなるほどバカになるから。そうならない為にも、頭は良くしておきなさい」
リサ「うん、確かに。皆バカだったね」
それに気づいた一部の日本版リサ・トレヴァー達もいたが、手遅れになってしまった。
『1番』は善戦したが、結局は自らのGウィルス侵食を抑えることができず、最終的にはラスボスとして私達と対峙した。
善場「それと愛原所長」
愛原「何でしょう?」
善場「今月中に、リサの検査をしたいのです。現在のウィルスの状態とか……」
愛原「なるほど。それなら、来週の3連休は……」
リサ「ムリ!」
と、リサ。
愛原「どうしてだ?」
リサ「来週のスポーツの日は、体育祭があるから」
愛原「あ、そうか。PTA会長代行だけど、すっかり忘れてた」
善場「仕方ありませんね。その次の週はどうですか?」
リサ「うん、それならまあ……」
善場「それは良かったです。それでは、再来週よろしくお願いします」
愛原「分かりました。再来週になっても、こいつの免停は解除にならんと思いますけどね」
高橋「さ、サーセン……」
善場「交通費は、お支払い致しますので」
こうして、宴会は終了した。
支払いは善場主任がしてくれたが、しっかり領収書は切っていた。
今はレシートとは別に、レジで領収書を発行することができる。
愛原「善場主任、今日はご馳走様でした」
高橋「ごちっした!」
リサ「ご馳走様でした!」
善場「いいえ。こちらこそ、“青いアンブレラ”の国内活動防止のお役に立って下さっていますので、その労いです」
愛原「どうも、BSAAとは水と油のようですな」
善場「活動が認められている国外で活動する分には、全く構わないのです。しかし、日本国内では活動が認められておりません。にも関わらず、活動しようとするのですから、取り締まる必要があるわけです」
愛原「高野君が問題なんですね?」
善場「彼女は間違いなく、エイダ・ウォンのコピーです。本物のエイダ・ウォンがどこにいるのかは分かりません。ですが、彼女を捕えれば、何か分かるかもしれないのです」
愛原「それは私達に依頼されても、手に余るでしょうね」
善場「はい。なので、正式に依頼はしません。ただ、有力な情報を得られた時に、こちらに流して頂ければ結構です。もちろん、謝礼はさせて頂きます」
愛原「分かりました。駅までお送りしましょう」
善場「いえ、結構です。このお店は、ちょうど森下駅からも近いようですね」
愛原「そうです。ちょうど、菊川駅と森下駅の間くらいでしょうか?」
善場「でしたら、私は都営大戸線で帰ります」
愛原「そうですか。主任は大江戸線沿線にお住まいなのですか?」
善場「内緒です。もしかしたら、政府直轄の秘密研究所の地下室暮らしかもしれませんよ?」
愛原「ま、まさか!?主任は既に人間に戻られているでしょう!?」
私の狼狽を期待していたのか、いつもはポーカーフェイスの主任が、少し微笑を浮かべた。
善場「冗談ですよ。もちろん、今はちゃんとした家に住んでいます。しかし、何故私は未だにナンバリングを受けているのかを考えますと、完全に人間に戻れたとは思われていないということですよ」
愛原「主任……」
善場「それでは、失礼します」
愛原「お、お疲れ様でした」
高橋「先生、俺達も帰りましょう」
愛原「そ、そうだな」
高橋「帰って一服と……あと、食後のコーヒーでも入れましょう」
愛原「ああ、頼むよ」
リサ「あの人……たまに、BOWの臭いがすることがあるの」
愛原「リサ!」
リサ「特に、私に言う事を聞かせようとする時にね。黒い瞳の奥が、赤く光るのが見えるの」
愛原「それは御本人には内緒だぞ?」
リサ「分かってる」
善場主任は、元日本版リサ・トレヴァー『12番』だった。
それが『0番』になっている。
0番は元は無かったナンバリングだ。
それを作ったのは、政府機関の方。
確かに善場主任の言う通り、彼女は表向き人間に戻ったとはされていても、裏では監視対象のままだということなのだろう。
もしもリサが表向きでも人間に戻れたとしても、やはり監視は続けられるのだろう。
番号は……『00』番ってところか。
まるで、プロ野球選手の背番号みたいだな。
リサ「それよりね、体育祭、『魔王軍』はチアリーディングやるんだよ。観に来てね」
愛原「チアリーディングやるのか!大丈夫なのか?中には体力に自信が無いコもいるだろう?」
リサ「それは大丈夫。大きな動きをするコと、そうでないコに分かれてる」
愛原「そうなのか」
リサ「来年はアイリッシュダンスでもやろうかな……」
高橋「魔女が出てくる別の世界と被るんじゃねーのか、それ?」
愛原「メタ発言をするんじゃない!」
私は高橋に注意をした。
そして、マンションに帰宅したのだった。