[10月15日09時00分 天候:曇 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センター]
タクシーで現地に向かう。
相変わらず外観が刑務所とか、或いは東京都北区にある国立印刷局の工場みたいだ。
正門前にタクシーを止めてもらうが、当然それだけでは門扉は開かない。
タクシーはここで降りて、通用口横のインターホンを押す。
愛原「おはようございます。東京から参りました愛原です」
すると、通用口の電子ロックが解除される音がした。
愛原「失礼します」
私達は通用口から中に入った。
守衛長「やあ、おはようございます。愛原さん、これで何度目ですかね?」
見覚えのある守衛長さんが、にこやかに出迎えてくれる。
通用口から中に入ると、最初に守衛所があり、ここで入構手続きをしなくてはならない。
この際、持ち込み禁止品を持ち込んでいないかのチェックが行われる。
尚、ここにいる警備職員は、直接雇用の『守衛』であって、警備会社から派遣されてきた『警備員』ではない。
愛原「さあ……何だかんだ言って、何度も来ているような気がします」
私は肩を竦めた。
守衛の警備服は、刑務所の刑務官に制服が似ているからか、高橋は居心地が悪そうだ。
守衛A「守衛長!この人、拳銃を持っています!」
高橋「しゃらぁーっ!」
守衛長「大丈夫だ。この人達は銃の所持許可が出ている。ちゃんと許可証を提示してもらえ。……すいません、こいつまだ今年度入ったばかりの新人で……」
愛原「あ、いえ、大丈夫です。私もショットガンを持ってまして……。これが、許可証です」
守衛長「確かに。……こうやって、許可証を確認するんだ」
守衛A「は、はい」
守衛B「それでは、こちらに所定事項のご記入を」
愛原「分かりました」
リサの方はというと……。
守衛C「お菓子ばっかり……」
リサ「どこも怪しくないでしょ?」
リサの方が怪しくないという不思議。
守衛A「だから、何で伸縮式の警棒を持ってるんだ!?軽犯罪法違反だ!」
高橋「しゃらぁーっ!」
守衛A「ライターの火力も強過ぎる!没収だ!」
高橋「だしゃぁーっ!」
守衛B「ご記入ありがとうございます。えーと……手荷物検査が済んだ方にしか、入構証をお渡しできないのですが?」
愛原「あー……結構です」
リサ「ほっといて先に行こうね!」
高橋「ま、待ってください!」
守衛A「こら、待て!まだ手荷物検査は終わっていない!オイルライターの替えのボトルの持ち込み数が……」
高橋「しゃららーっ!」
愛原「だから余計な物持って行くなって言っただろうが!」
高橋だけ、なかなか入構できそうになかった。
善場「おはようございます。入構手続きはお済みですか?」
そこへ善場主任がやってきた。
愛原「高橋のせいで、なかなか入構できません」
高橋「こいつがうるさいだけですよ!」
守衛A「こら!まだ検査は終わってないぞ!マイナスドライバーも軽犯罪法違反だ!」
善場「……取りあえず、持ち込み禁止の物は、守衛所で預かってもらいましょう」
愛原「どうもすいませんねぇ……。このバカ!」
高橋「いや、全部護身用に必要なものです!」
愛原「公務員さん相手に、そんなのは通用しねぇ!」
善場「その通りです。さすがは、愛原所長です」
リサ「ジョーシキだよね?」
高橋「うるせぇっ!」
そして、どうにかこうにか、高橋も入構することができた。
善場「まず先に、宿舎に荷物を置いてからにしましょう。宿舎までご案内します」
愛原「ありがとうございます」
構内の建物はいくつかに分かれている。
以前利用した時は本館の宿泊所だったと思うが、今度は新館の方に案内された。
善場「これがカードキーです。これを持っていてください」
愛原「ありがとうございます」
構内そのものは入構証で出入り可能なのだが、それとは別に宿泊施設の部屋のドアの鍵がいる。
そして、ここではそれはホテルのようなカードキー式となっている。
善場「3階の313号室です」
愛原「313号室ですね。じゃ、ちょっと行ってきます」
私達が階段で行こうとすると、何故か階段の手前には防火扉が閉じられていた。
何だろう?消防点検中か?
善場「あ、愛原所長。階段は防犯の為、使用できません。上階と下階の行き来は、エレベーターを使用してください」
と、善場主任は階段横のエレベーターを指さした。
バリアフリー対策が施されたエレベーターになっており、車椅子マークの付いたボタンもある。
〔上に参ります〕
エレベーターに乗り込む。
善場「私はここで待っています。準備ができましたら、下りて来てください」
愛原「分かりました」
〔ドアが閉まります〕
エレベーターには、地下階へ行くボタンもあった。
だが、秘密の研究施設に向かう為か、地下階へのボタンは押しても点灯しなかった。
〔ランプの点灯しない階には、止まりません〕
ボタンの下にカード読取機が付けられおり、そこにカードキーを当てないとボタンが反応しないシステムになっているのだろう。
尚、部屋のカードキーでは反応しなかった。
恐らく、それは善場主任が持っているのだろう。
だから、下で待っているのだ。
〔ドアが開きます〕
ピンポーン♪
〔3階です。下に参ります〕
エレベーターが3階に到着する。
人けの無い廊下を進み、途中に313号室があった。
それをカードキーで開ける。
中に入ると、本館の客室と似たような構造になっていた。
両側に木製の2段ベッドが2つある、4人部屋である。
ベッドに挟まれるようにして、畳が3畳敷かれている。
その上に座卓があり、座布団が4枚置かれていた。
窓の前にはテレビがある。
ドアの横に洗面所はあったが、バスルームやトイレは無かった。
ベッドは開放型寝台車みたいに、カーテンが付いている。
そして、中は枕灯とコンセントがあった。
愛原「まあ、こんなところか。荷物を置いたら、下に行こう。主任を待たせていると、申し訳ない」
高橋「分かりました」
私達は室内の様子を確認し、荷物を置くと、再び退室してエレベーターに向かった。
タクシーで現地に向かう。
相変わらず外観が刑務所とか、或いは東京都北区にある国立印刷局の工場みたいだ。
正門前にタクシーを止めてもらうが、当然それだけでは門扉は開かない。
タクシーはここで降りて、通用口横のインターホンを押す。
愛原「おはようございます。東京から参りました愛原です」
すると、通用口の電子ロックが解除される音がした。
愛原「失礼します」
私達は通用口から中に入った。
守衛長「やあ、おはようございます。愛原さん、これで何度目ですかね?」
見覚えのある守衛長さんが、にこやかに出迎えてくれる。
通用口から中に入ると、最初に守衛所があり、ここで入構手続きをしなくてはならない。
この際、持ち込み禁止品を持ち込んでいないかのチェックが行われる。
尚、ここにいる警備職員は、直接雇用の『守衛』であって、警備会社から派遣されてきた『警備員』ではない。
愛原「さあ……何だかんだ言って、何度も来ているような気がします」
私は肩を竦めた。
守衛の警備服は、刑務所の刑務官に制服が似ているからか、高橋は居心地が悪そうだ。
守衛A「守衛長!この人、拳銃を持っています!」
高橋「しゃらぁーっ!」
守衛長「大丈夫だ。この人達は銃の所持許可が出ている。ちゃんと許可証を提示してもらえ。……すいません、こいつまだ今年度入ったばかりの新人で……」
愛原「あ、いえ、大丈夫です。私もショットガンを持ってまして……。これが、許可証です」
守衛長「確かに。……こうやって、許可証を確認するんだ」
守衛A「は、はい」
守衛B「それでは、こちらに所定事項のご記入を」
愛原「分かりました」
リサの方はというと……。
守衛C「お菓子ばっかり……」
リサ「どこも怪しくないでしょ?」
リサの方が怪しくないという不思議。
守衛A「だから、何で伸縮式の警棒を持ってるんだ!?軽犯罪法違反だ!」
高橋「しゃらぁーっ!」
守衛A「ライターの火力も強過ぎる!没収だ!」
高橋「だしゃぁーっ!」
守衛B「ご記入ありがとうございます。えーと……手荷物検査が済んだ方にしか、入構証をお渡しできないのですが?」
愛原「あー……結構です」
リサ「ほっといて先に行こうね!」
高橋「ま、待ってください!」
守衛A「こら、待て!まだ手荷物検査は終わっていない!オイルライターの替えのボトルの持ち込み数が……」
高橋「しゃららーっ!」
愛原「だから余計な物持って行くなって言っただろうが!」
高橋だけ、なかなか入構できそうになかった。
善場「おはようございます。入構手続きはお済みですか?」
そこへ善場主任がやってきた。
愛原「高橋のせいで、なかなか入構できません」
高橋「こいつがうるさいだけですよ!」
守衛A「こら!まだ検査は終わってないぞ!マイナスドライバーも軽犯罪法違反だ!」
善場「……取りあえず、持ち込み禁止の物は、守衛所で預かってもらいましょう」
愛原「どうもすいませんねぇ……。このバカ!」
高橋「いや、全部護身用に必要なものです!」
愛原「公務員さん相手に、そんなのは通用しねぇ!」
善場「その通りです。さすがは、愛原所長です」
リサ「ジョーシキだよね?」
高橋「うるせぇっ!」
そして、どうにかこうにか、高橋も入構することができた。
善場「まず先に、宿舎に荷物を置いてからにしましょう。宿舎までご案内します」
愛原「ありがとうございます」
構内の建物はいくつかに分かれている。
以前利用した時は本館の宿泊所だったと思うが、今度は新館の方に案内された。
善場「これがカードキーです。これを持っていてください」
愛原「ありがとうございます」
構内そのものは入構証で出入り可能なのだが、それとは別に宿泊施設の部屋のドアの鍵がいる。
そして、ここではそれはホテルのようなカードキー式となっている。
善場「3階の313号室です」
愛原「313号室ですね。じゃ、ちょっと行ってきます」
私達が階段で行こうとすると、何故か階段の手前には防火扉が閉じられていた。
何だろう?消防点検中か?
善場「あ、愛原所長。階段は防犯の為、使用できません。上階と下階の行き来は、エレベーターを使用してください」
と、善場主任は階段横のエレベーターを指さした。
バリアフリー対策が施されたエレベーターになっており、車椅子マークの付いたボタンもある。
〔上に参ります〕
エレベーターに乗り込む。
善場「私はここで待っています。準備ができましたら、下りて来てください」
愛原「分かりました」
〔ドアが閉まります〕
エレベーターには、地下階へ行くボタンもあった。
だが、秘密の研究施設に向かう為か、地下階へのボタンは押しても点灯しなかった。
〔ランプの点灯しない階には、止まりません〕
ボタンの下にカード読取機が付けられおり、そこにカードキーを当てないとボタンが反応しないシステムになっているのだろう。
尚、部屋のカードキーでは反応しなかった。
恐らく、それは善場主任が持っているのだろう。
だから、下で待っているのだ。
〔ドアが開きます〕
ピンポーン♪
〔3階です。下に参ります〕
エレベーターが3階に到着する。
人けの無い廊下を進み、途中に313号室があった。
それをカードキーで開ける。
中に入ると、本館の客室と似たような構造になっていた。
両側に木製の2段ベッドが2つある、4人部屋である。
ベッドに挟まれるようにして、畳が3畳敷かれている。
その上に座卓があり、座布団が4枚置かれていた。
窓の前にはテレビがある。
ドアの横に洗面所はあったが、バスルームやトイレは無かった。
ベッドは開放型寝台車みたいに、カーテンが付いている。
そして、中は枕灯とコンセントがあった。
愛原「まあ、こんなところか。荷物を置いたら、下に行こう。主任を待たせていると、申し訳ない」
高橋「分かりました」
私達は室内の様子を確認し、荷物を置くと、再び退室してエレベーターに向かった。