[7月16日10時15分 天候:晴 東京都八王子市高尾町 高尾登山電鉄清滝駅→高尾鋼索線ケーブルカー車内]

『ケーブルカーに乗りますか? はい いいえ』
ゲームだと、こんな選択肢が出てきそうだ。

私達はケーブルカーに乗り込んだ。
那須でロープウェイには乗ったことがあるが、ケーブルカーは初めてだ。

車内はボックスシートになっており、向かい合って座る。
リサ「ここに、人食い鬼が出たりして?トンネルを出たら、誰か1人いなくなってる、みたいな?」
美樹「面白い発想だべね。ンでも、難しいべな」
愛原「あんなのマンガやアニメの話だろうがw」
〔お待たせ致しました。発車致します〕
ホームから発車ベルが鳴り響く音が聞こえてくる。
電子電鈴ではなく、昔懐かしいジリジリベルである。
〔「右側のドアが閉まります」〕
〔ドアが閉まります〕
ドアチャイムは、ピンポンと1回鳴るだけだが、普通の電車のようだ。
〔「お待たせ致しました。上り、高尾山行きケーブルカー、まもなく発車致します」〕
ケーブルカーはゆっくりと動き出した。
因みに前方の運転席らしき場所に座っている乗務員は運転士ではなく、車掌である。
ケーブルカーというのは、運転士は山頂駅にいて、そこからケーブルカーを遠隔操作するのが仕事なのである。
〔「本日も高尾登山電鉄ケーブルカーをご利用くださいまして、ありがとうございます。これより約6分ほど掛けまして、終点の高尾山駅まで、乗務員の田山が御案内致します。途中、事故防止の為、やむを得ず急停車をする場合がございますので、ご注意ください」〕
ケーブルカーの速度はそんなに速くなく、ロープウェイの速度と同じくらいだろうか。
レールは普通の鉄道線路のそれと同じなので、ガタンゴトンという鉄道車両ならではのジョイント音は聞こえてくる。
途中でトンネルに入る。
リサ「で、出てくると、1人いなくなってる」
美樹「ンだったら、全員眠らせて全員食った方が早いべっしゃ」
リサ「! それもそうか」
愛原「某無限列車みたいなこと言うのやめろ」
因みに車両の前方にはワイヤーがあって、これで山頂駅から車両を引っ張っているわけである。
線路は単線。
しかし、ケーブルカーは2台での運行である。
よーいドン!で、高尾山駅からも下山電車が出発したはずだ。
ということは、途中に信号場があるはずである。
〔「ケーブルカーの中間地点に差し掛かります。下りの車両とすれ違います」〕
やはり、信号場があった。
といっても、ケーブルカーは閉塞運転を行っているわけではないので、信号機があるわけではない。
また、普通鉄道の信号場と違い、互いの列車がそこで一旦停止するわけでもなく、絶妙なタイミングですれ違うのである。
〔「これより先、大きく揺れますので、ご注意ください」〕
ポイントの通過で、電車が大きく揺れる。
これでもう、下りケーブルカーとすれ違うことはない。
リサ「本当の山の中だぁ……。美樹の村もこんな感じ?」
美樹「家のある所は、もっと平地だよ。ンでも、こういう山道はフツーにある」
リサ「なるほど」
そして、日本のケーブルカーでは日本一勾配がキツいという箇所を通過する。
ここも放送で案内があるのだが、乗っている分には、そんなに変わった感じはしない。
そこを通過すると、またトンネルがある。
その先に、高尾山駅があるという。
[同日10時21分 天候:晴 同地区内 高尾登山電鉄ケーブルカー車内→高尾山駅]
〔「ご乗車ありがとうございました。終点の高尾山に到着でございます。お忘れ物なさいませんよう、ご注意ください。お出口は進行方向、左側でございます。停車の際揺れますので、ご注意ください」〕
高尾山駅の車止めの上には、こちらを見下ろす職員の姿がある。
そこがケーブルカーの運転室で、そこにいる職員が運転士である。
車掌が乗っている場所には、ドアの開閉スイッチやマイク、無線電話の他、ケーブルカーが暴走した際に使用する非常ブレーキがある。
確かに、マスコンハンドルのような物は無い。
〔「左側のドアが開きます。ご注意ください」〕
停車すると、ドアチャイムと共にドアが開き、乗客達はそこから降りた。
私達も後から続く。
https://www.youtube.com/watch?v=_zjLJw8Nnn8
(高尾山がイメージされるBGM)

愛原「着いた」
駅に着くと、私達はマップを確認した。
どこまで行くかが鍵となる。
リサ「山頂まで40分だって」
美樹「そんなもんか。ンじゃ、山頂目指すべ」
愛原「た、確か、ちゃんとした舗装路だったよな……」
富士山みたいな、ガチガチの登山道ではなかった……はず。
愛原「あの……ここまでにしないか?」
私はマップ上にある『高尾山大見晴台』を指さした。
リサ「ここ?」
愛原「そこが山頂になるんだろう。今から行けば、昼飯もそこで食って帰れるよ」
美樹「すぐに帰るんけ?」
愛原「温泉に入りたいんだろ?だったら、早めに高尾山口駅に戻って、そこの極楽湯でゆったり入浴だ」
美樹「それはいいスね!」
リサ「先生がそう言うなら……」
愛原「よし、決まりだな。行くぞ」
私達は登山道を進んだ。
愛原「因みに途中にお寺とかあるけど、鬼として大丈夫なの?」
美樹「別に、寺荒らしさ行ぐわけでねェべし、こうして今は、人間に化けてっから大丈夫スよ」
リサ「鬼狩りがいないといいねぇ……」
愛原「そうか」
尚、登山道は東京都が管理する都道189号線である。
その殆どが登山道であり、車両が通行できる箇所は少ない。
美樹「ここは人間の通る道だな」
リサ「鬼の通る道が、他にもあるって?」
美樹「それを探してェところだ……」
愛原「先生が一緒じゃ、やめた方が良くない?」
美樹「……それもそうか」
リサは私の手を取った。
リサ「途中で食べ歩きしていいんだよね!?」
愛原「食べ歩くのか?!まあ、いいけど……」
リサ「やった!」
(特別出演 ケーブルカー車掌:報恩坊信徒『田山ひろし』さん)

『ケーブルカーに乗りますか? はい いいえ』
ゲームだと、こんな選択肢が出てきそうだ。

私達はケーブルカーに乗り込んだ。
那須でロープウェイには乗ったことがあるが、ケーブルカーは初めてだ。

車内はボックスシートになっており、向かい合って座る。
リサ「ここに、人食い鬼が出たりして?トンネルを出たら、誰か1人いなくなってる、みたいな?」
美樹「面白い発想だべね。ンでも、難しいべな」
愛原「あんなのマンガやアニメの話だろうがw」
〔お待たせ致しました。発車致します〕
ホームから発車ベルが鳴り響く音が聞こえてくる。
電子電鈴ではなく、昔懐かしいジリジリベルである。
〔「右側のドアが閉まります」〕
〔ドアが閉まります〕
ドアチャイムは、ピンポンと1回鳴るだけだが、普通の電車のようだ。
〔「お待たせ致しました。上り、高尾山行きケーブルカー、まもなく発車致します」〕
ケーブルカーはゆっくりと動き出した。
因みに前方の運転席らしき場所に座っている乗務員は運転士ではなく、車掌である。
ケーブルカーというのは、運転士は山頂駅にいて、そこからケーブルカーを遠隔操作するのが仕事なのである。
〔「本日も高尾登山電鉄ケーブルカーをご利用くださいまして、ありがとうございます。これより約6分ほど掛けまして、終点の高尾山駅まで、乗務員の田山が御案内致します。途中、事故防止の為、やむを得ず急停車をする場合がございますので、ご注意ください」〕
ケーブルカーの速度はそんなに速くなく、ロープウェイの速度と同じくらいだろうか。
レールは普通の鉄道線路のそれと同じなので、ガタンゴトンという鉄道車両ならではのジョイント音は聞こえてくる。
途中でトンネルに入る。
リサ「で、出てくると、1人いなくなってる」
美樹「ンだったら、全員眠らせて全員食った方が早いべっしゃ」
リサ「! それもそうか」
愛原「某無限列車みたいなこと言うのやめろ」
因みに車両の前方にはワイヤーがあって、これで山頂駅から車両を引っ張っているわけである。
線路は単線。
しかし、ケーブルカーは2台での運行である。
よーいドン!で、高尾山駅からも下山電車が出発したはずだ。
ということは、途中に信号場があるはずである。
〔「ケーブルカーの中間地点に差し掛かります。下りの車両とすれ違います」〕
やはり、信号場があった。
といっても、ケーブルカーは閉塞運転を行っているわけではないので、信号機があるわけではない。
また、普通鉄道の信号場と違い、互いの列車がそこで一旦停止するわけでもなく、絶妙なタイミングですれ違うのである。
〔「これより先、大きく揺れますので、ご注意ください」〕
ポイントの通過で、電車が大きく揺れる。
これでもう、下りケーブルカーとすれ違うことはない。
リサ「本当の山の中だぁ……。美樹の村もこんな感じ?」
美樹「家のある所は、もっと平地だよ。ンでも、こういう山道はフツーにある」
リサ「なるほど」
そして、日本のケーブルカーでは日本一勾配がキツいという箇所を通過する。
ここも放送で案内があるのだが、乗っている分には、そんなに変わった感じはしない。
そこを通過すると、またトンネルがある。
その先に、高尾山駅があるという。
[同日10時21分 天候:晴 同地区内 高尾登山電鉄ケーブルカー車内→高尾山駅]
〔「ご乗車ありがとうございました。終点の高尾山に到着でございます。お忘れ物なさいませんよう、ご注意ください。お出口は進行方向、左側でございます。停車の際揺れますので、ご注意ください」〕
高尾山駅の車止めの上には、こちらを見下ろす職員の姿がある。
そこがケーブルカーの運転室で、そこにいる職員が運転士である。
車掌が乗っている場所には、ドアの開閉スイッチやマイク、無線電話の他、ケーブルカーが暴走した際に使用する非常ブレーキがある。
確かに、マスコンハンドルのような物は無い。
〔「左側のドアが開きます。ご注意ください」〕
停車すると、ドアチャイムと共にドアが開き、乗客達はそこから降りた。
私達も後から続く。
https://www.youtube.com/watch?v=_zjLJw8Nnn8
(高尾山がイメージされるBGM)

愛原「着いた」
駅に着くと、私達はマップを確認した。
どこまで行くかが鍵となる。
リサ「山頂まで40分だって」
美樹「そんなもんか。ンじゃ、山頂目指すべ」
愛原「た、確か、ちゃんとした舗装路だったよな……」
富士山みたいな、ガチガチの登山道ではなかった……はず。
愛原「あの……ここまでにしないか?」
私はマップ上にある『高尾山大見晴台』を指さした。
リサ「ここ?」
愛原「そこが山頂になるんだろう。今から行けば、昼飯もそこで食って帰れるよ」
美樹「すぐに帰るんけ?」
愛原「温泉に入りたいんだろ?だったら、早めに高尾山口駅に戻って、そこの極楽湯でゆったり入浴だ」
美樹「それはいいスね!」
リサ「先生がそう言うなら……」
愛原「よし、決まりだな。行くぞ」
私達は登山道を進んだ。
愛原「因みに途中にお寺とかあるけど、鬼として大丈夫なの?」
美樹「別に、寺荒らしさ行ぐわけでねェべし、こうして今は、人間に化けてっから大丈夫スよ」
リサ「鬼狩りがいないといいねぇ……」
愛原「そうか」
尚、登山道は東京都が管理する都道189号線である。
その殆どが登山道であり、車両が通行できる箇所は少ない。
美樹「ここは人間の通る道だな」
リサ「鬼の通る道が、他にもあるって?」
美樹「それを探してェところだ……」
愛原「先生が一緒じゃ、やめた方が良くない?」
美樹「……それもそうか」
リサは私の手を取った。
リサ「途中で食べ歩きしていいんだよね!?」
愛原「食べ歩くのか?!まあ、いいけど……」
リサ「やった!」
(特別出演 ケーブルカー車掌:報恩坊信徒『田山ひろし』さん)
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