[7月10日05時30分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階リビング]
私は今日少し早起きした。
斉藤元社長が帰京する為、乗っている船が東京港に着くのが早朝だからである。
私が善場係長にメールで報告したが、後で係長から返信があった。
それから、パールもパールで、所属するテラセイブの方から警視庁に通報したらしい。
となると、警察が東京港で張っていることだろう。
マスコミにもリークされ、テレビ局が張っているかもしれない。
私は早起きすると、テレビを点けた。
〔「……はい、こちら東京・有明にあります東京港フェリー埠頭前です。ロシアに逃亡を続けていた、元・大日本製薬社長の斉藤秀樹容疑者が帰国後、行方を眩ませていましたが、先ほど、九州から東京に向かうフェリーに乗船しているとの情報があり……御覧頂けますでしょうか?現場には警視庁の機動隊の他、国連組織BSAAの日米合同部隊も展開していて、とても緊迫した状況が伺えます。現場は当然ながら閉鎖されており、フェリー乗り場に近づくことはできません。乗客の出迎えに来た人達も、規制線の前で待機させられているという、そういった状況になっています」〕
愛原「マジか……」
リサ「先生、何してるの?」
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体操服にブルマという姿で、リサがやってきた。
手には、ハンディタイプのファンを持っている。
愛原「斉藤元社長が、東京に帰って来るらしいぞ。船で来るから、警察とBSAAが待機している状態だ」
リサ「ほおほお」
リサはちょこんと、私の隣のソファに座った。
〔「……フェリーの運航会社によりますと、時刻表上では東京港には5時30分に入港予定ということですが、昨夜、東海地方を襲った豪雨の影響により、船の速度を落として運航したということもあり、本日に限っては入港時刻が少し遅れるとのことです。……あ、今、見えて来たようです。御覧頂けますでしょうか?画面の向こうに、船影が見えます。あれが、斉藤容疑者を乗せたと思われるフェリーです。もう間もなく、こちらに入港すると思われます」〕
リサ「エレンのお父さん、逮捕されたら死刑になる?」
愛原「いや、死刑にはならんよ。ただ、今はBSAAが総力を挙げてアンブレラの関係者や協力者を片っ端から逮捕している。斉藤さんも協力者であったことが分かった以上、国連からの圧力で日本の警察も動かざるを得ないということさ」
法律としては、『公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律』、略称としては『テロ資金提供処罰法』医違反となる。
他にも色々とあるようだが、取りあえず、警察はこれを前面に出して斉藤元社長を逮捕しようとしているようだ。
大日本製薬の立て直しに成功した斉藤元社長は、日本アンブレラに逆に資金を提供していたことが分かり、そこを突くようである。
まあ、私が弁護士なら、『アンブレラに渡した金は、あくまでも以前に受けた事業立て直しの為の融資金を返済しただけのこと。テロの支援金ではない』と、言い訳するかな。
ただ、ちょっとこれは苦しい。
何故なら、既に五十嵐元社長は、大日本製薬に渡した金は、『融資金ではない』と裁判で名言してしまっているからだ。
だから、『借りた金を返しただけ』という言い訳は苦しいと思う。
1つ言えるのは、国外逃亡したから、保釈は認められないなということ。
斉藤さん的には、家族は安全な海外に逃がしたから、それが1つの勝利だと思っているのかもしれない。
[同日06時30分 天候:曇 愛原家3階ダイニング]
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パールも起きて来て、そこで朝食。
パール「そうですか。御主人様がついに……」
愛原「さっき、船から降りて来た」
警視庁の捜査員数人に囲まれながら、斉藤さんは船を降りて来た。
そして、無言のまま警視庁の覆面パトカーに乗せられる。
パトカーはスモークガラスに囲まれたワンボックスタイプだった。
恐らく、防弾ガラスになっているのだろう。
船から降りて来た時、警視庁の機動隊員やBSAAが最大の警戒に当たった。
斉藤元社長を奪還に来たり、或いは狙撃したりするバイオテロ組織がいるかもという警戒だろう。
だが幸いそんなこともなく、斉藤元社長は車に乗せられた。
これから警視庁に行くのだろう。
警視庁の本庁だろうか?
愛原「一応、これで、また一区切り付いたな」
白井伝三郎は“青いアンブレラ”に連れ去られた。
当面は、私は自分の事に専念する必要がある。
この体のことについて、だ。
どんなに検査しても、真相は分からない。
それほどまでに、『転生の儀』は不可思議なものだ。
科学でありながらスピリチュアル、スパリチュアルな科学といったもの。
白井伝三郎が使用している斉藤早苗の肉体が死ねば、今度は私が乗っ取られる。
乗っ取り先の肉体が生きていようが、お構いなしなのだそうだ。
そうなる前に、対策を取らなくては……。
愛原「今週末は、太平山美樹が上京してくるな」
リサ「うん」
愛原「次の大きな予定はそこだ」
パール「御主人様に、面会はなさらないのですか?」
愛原「当面の間は無理だろうね。必要なら、斉藤さんからここに手紙が届くだろうさ。面会するなら、やっぱり高橋か、或いは沖野献氏だな」
パール「そうですか」
愛原「今のところ高橋には用は無いから、パールが面会に行けばいいよ。あれだろ?夫婦としてというよりは、テラセイブとして、コネクションに……といったところか」
パール「さすがは先生です。では早速今日、面会に行かせて頂きます」
愛原「いいよ。事務所は俺に任せといてくれ。どうせ今日は来訪者の予定も無い」
自分で言ってて悲しくなる事務所の需要。
私は今日少し早起きした。
斉藤元社長が帰京する為、乗っている船が東京港に着くのが早朝だからである。
私が善場係長にメールで報告したが、後で係長から返信があった。
それから、パールもパールで、所属するテラセイブの方から警視庁に通報したらしい。
となると、警察が東京港で張っていることだろう。
マスコミにもリークされ、テレビ局が張っているかもしれない。
私は早起きすると、テレビを点けた。
〔「……はい、こちら東京・有明にあります東京港フェリー埠頭前です。ロシアに逃亡を続けていた、元・大日本製薬社長の斉藤秀樹容疑者が帰国後、行方を眩ませていましたが、先ほど、九州から東京に向かうフェリーに乗船しているとの情報があり……御覧頂けますでしょうか?現場には警視庁の機動隊の他、国連組織BSAAの日米合同部隊も展開していて、とても緊迫した状況が伺えます。現場は当然ながら閉鎖されており、フェリー乗り場に近づくことはできません。乗客の出迎えに来た人達も、規制線の前で待機させられているという、そういった状況になっています」〕
愛原「マジか……」
リサ「先生、何してるの?」
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体操服にブルマという姿で、リサがやってきた。
手には、ハンディタイプのファンを持っている。
愛原「斉藤元社長が、東京に帰って来るらしいぞ。船で来るから、警察とBSAAが待機している状態だ」
リサ「ほおほお」
リサはちょこんと、私の隣のソファに座った。
〔「……フェリーの運航会社によりますと、時刻表上では東京港には5時30分に入港予定ということですが、昨夜、東海地方を襲った豪雨の影響により、船の速度を落として運航したということもあり、本日に限っては入港時刻が少し遅れるとのことです。……あ、今、見えて来たようです。御覧頂けますでしょうか?画面の向こうに、船影が見えます。あれが、斉藤容疑者を乗せたと思われるフェリーです。もう間もなく、こちらに入港すると思われます」〕
リサ「エレンのお父さん、逮捕されたら死刑になる?」
愛原「いや、死刑にはならんよ。ただ、今はBSAAが総力を挙げてアンブレラの関係者や協力者を片っ端から逮捕している。斉藤さんも協力者であったことが分かった以上、国連からの圧力で日本の警察も動かざるを得ないということさ」
法律としては、『公衆等脅迫目的の犯罪行為等のための資金等の提供等の処罰に関する法律』、略称としては『テロ資金提供処罰法』医違反となる。
他にも色々とあるようだが、取りあえず、警察はこれを前面に出して斉藤元社長を逮捕しようとしているようだ。
大日本製薬の立て直しに成功した斉藤元社長は、日本アンブレラに逆に資金を提供していたことが分かり、そこを突くようである。
まあ、私が弁護士なら、『アンブレラに渡した金は、あくまでも以前に受けた事業立て直しの為の融資金を返済しただけのこと。テロの支援金ではない』と、言い訳するかな。
ただ、ちょっとこれは苦しい。
何故なら、既に五十嵐元社長は、大日本製薬に渡した金は、『融資金ではない』と裁判で名言してしまっているからだ。
だから、『借りた金を返しただけ』という言い訳は苦しいと思う。
1つ言えるのは、国外逃亡したから、保釈は認められないなということ。
斉藤さん的には、家族は安全な海外に逃がしたから、それが1つの勝利だと思っているのかもしれない。
[同日06時30分 天候:曇 愛原家3階ダイニング]
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パールも起きて来て、そこで朝食。
パール「そうですか。御主人様がついに……」
愛原「さっき、船から降りて来た」
警視庁の捜査員数人に囲まれながら、斉藤さんは船を降りて来た。
そして、無言のまま警視庁の覆面パトカーに乗せられる。
パトカーはスモークガラスに囲まれたワンボックスタイプだった。
恐らく、防弾ガラスになっているのだろう。
船から降りて来た時、警視庁の機動隊員やBSAAが最大の警戒に当たった。
斉藤元社長を奪還に来たり、或いは狙撃したりするバイオテロ組織がいるかもという警戒だろう。
だが幸いそんなこともなく、斉藤元社長は車に乗せられた。
これから警視庁に行くのだろう。
警視庁の本庁だろうか?
愛原「一応、これで、また一区切り付いたな」
白井伝三郎は“青いアンブレラ”に連れ去られた。
当面は、私は自分の事に専念する必要がある。
この体のことについて、だ。
どんなに検査しても、真相は分からない。
それほどまでに、『転生の儀』は不可思議なものだ。
科学でありながらスピリチュアル、スパリチュアルな科学といったもの。
白井伝三郎が使用している斉藤早苗の肉体が死ねば、今度は私が乗っ取られる。
乗っ取り先の肉体が生きていようが、お構いなしなのだそうだ。
そうなる前に、対策を取らなくては……。
愛原「今週末は、太平山美樹が上京してくるな」
リサ「うん」
愛原「次の大きな予定はそこだ」
パール「御主人様に、面会はなさらないのですか?」
愛原「当面の間は無理だろうね。必要なら、斉藤さんからここに手紙が届くだろうさ。面会するなら、やっぱり高橋か、或いは沖野献氏だな」
パール「そうですか」
愛原「今のところ高橋には用は無いから、パールが面会に行けばいいよ。あれだろ?夫婦としてというよりは、テラセイブとして、コネクションに……といったところか」
パール「さすがは先生です。では早速今日、面会に行かせて頂きます」
愛原「いいよ。事務所は俺に任せといてくれ。どうせ今日は来訪者の予定も無い」
自分で言ってて悲しくなる事務所の需要。
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