[11月5日18時30分 天候:晴 宮城県仙台市若林区某所 愛原家]
父親「学も缶ビール飲むだろ?」
愛原学「うん」
父親「高橋君も」
高橋「あざっス!……いえ、ありがとうございます」
リサ「じゃあ、わたしも」
一同「あと3年待て!」
リサ「えー!?」
高橋「えーじゃねぇ!」
父親「仲良くやっているようで何よりだ」
学「いつも賑やかなんだよ」
高橋「コイツのせいです」
リサ「コイツのせいです」
高橋「ンだコラぁっ!」
リサ「電撃!」
高橋「マグナム!」
愛原「やめなさい、こんな所で!」
母親「うちも2人以上の子供が欲しかったわ」
愛原「うるさいだけだよ、きっと……」
高橋「先生のヨメは俺です!」
リサ「わたしがお嫁さんです!」
高橋「コラァッ!」
リサ「お兄ちゃん、男じゃない!」
父親「た、多様性、多様性……」
高橋「そうっスよ!」
リサ「お兄ちゃんじゃ、子供が生めません。わたしは女だから、子供が生めますよ?」
父親「う、うむ。孫を生んでくれる方が……」
母親「私は孫に賭けたいわ!」
学「何でだよ!?」
リサ「いえい
」
高橋「くそっ……!」
父親「でも、歳の差が気になるねぇ……」
学「そうなんだよ」
リサ「問題ありません!こう見えてもわたし、実際は先生より10歳以上年上の……」
学「わー!わー!わー!」
父親「ん?」
学「何でもない!何でもないです!」
歳の差と言えば、上野医師と斉藤玲子の歳の差なんか、私とリサよりもヤバいぞ。
上野医師がアラフィフで、斉藤玲子が10代半ばって……。
私は確かに研究所の自爆装置から、リサを助け出した。
上野医師は、喘息で死に掛かっている斉藤玲子を助けた。
……前者の方がヤバいか。
私も、よくあんな咄嗟の判断ができたものである。
父親「俺は『鬼ころし』だ」
リサ「!」
リサ、右耳だけ長く尖らせて、ピクッと動かす。
高橋「おっ、いいっスねぇ!『どんな鬼でも、これを呑めばたちまち酔い潰れてしまう』って酒っスね!」
父親「おお!よく知ってるじゃないか、高橋君?」
高橋「俺の実家、新潟なもんで、佐渡の『鬼ころし』は有名っス!」
父親「そっちか。これは『みちのく鬼ころし』だが、『佐渡の鬼ころし』も飲んでみたいな」
高橋「今度、送らせて頂きゃす!」
学「つったってオマエんち、下越の方だろ?佐渡に知り合いでもいるのか?」
高橋「何も、佐渡でしか売ってないってわけじゃないっスよ?」
学「そうか。それもそうだな」
ぶっちゃけ、今なら通販でも簡単に買える時代だな。
リサ「先生、わたしにも一口……」
学「だからダメだって!」
高橋「『お酒は20歳になってから』だぜ?鬼さんよ?」
リサ「ぶーっ!」
リサは頬を膨らませた。
学「だが、試しに本当に鬼に『鬼ころし』を飲ませてみたい気がしないでもない」
高橋「先生!?」
リサ「じゃあ……!」
リサ、父親の『鬼ころし』に手を伸ばす。
学「だからダメだって」
リサ「じゃあ、どうするの?」
学「俺に考えがある」
[同日20時00分 天候:晴 愛原家]
すき焼きの肉は、リサが半分以上食べていたような気がする。
まあ、生協辺りで買ったセール品だったようなので、そこまで高い肉ではなかったようだが。
夕食が終わると、私と高橋、リサは家の奥の客間に移動した。
高橋とリサが夕食の後片付けを申し出たので、実際に移動したのはその後になったが。
学「実は前々から思っていたんだが、善場主任」
リサ「善場さん?」
高橋「ねーちゃんがどうかしたんスか?」
学「実は、かなり酒に強い」
高橋「あー、確かにこの前の飲み会でも全然酔ってませんでしたね!」
学「いくら表向きは人間に戻れたことになっているとはいえ、元はBOW(人工生物兵器)。リサと同じ方法でそうされた人だ。つまり、元・鬼といってもいい」
リサ「うん、鬼のように怖い人。あの目で睨まれたら、わたしでも言う事聞いちゃう」
リサは白目を黒に、黒目を銀色に変えた。
興奮すると、このようになる。
善場主任は、このような変化は無いのだが……。
学「何気に俺や高橋より飲んでいるだろ?」
高橋「それもそうっスね」
学「あの人に『鬼ころし』を飲ませたら、どうなるだろうと思って」
高橋「案外、大丈夫だったりして」
リサ「是非飲ませてみよう!」
学「お土産に買って行ってあげるか」
普段はお土産を固辞する善場主任も、酒なら受け取ってくれるかもと思った。
[同日22時00分 天候:晴 愛原家]
母親「明日は9時に後輩の家に行くの?」
学「ああ。そうするよ」
母親「分かった。日曜日だから、多分家にいると思うわ」
リサが風呂に入っている間、私はリビングで母親と話していた。
母親の後輩の門伝女史は、中学校の音楽教師として働いていたという。
吹奏楽部にいて、高校も吹奏楽部に入り、そして大学で教員免許を取って、音楽教師となったようだ。
もちろん今は、定年退職している。
リサ「お風呂出ましたー」
リサがやってくると、体操服とブルマではなかった。
さすがに両親の前だからか?
白いTシャツに黒いショートパンツであった。
母親「その恰好で寒くない?」
リサ「全然大丈夫です。わたし、体温高いんで」
母親「そう……」
学「夜更かししないで、早く寝ろよ」
リサ「分かってるよ。それじゃ先生、わたしは先に寝てるねぇ?」
学「ああ」
しかしリサは、2階の私の部屋に行こうとした。
学「ちょっと待てい!」
リサ「なに?」
学「リサが寝るのは、奥の客間だろ!あっち!」
リサ「夫婦が同じ部屋で寝るのは当然でしょ?」
学「こらぁっ!」
母親「あらあら」
学「『あらあら』じゃねーよ!」
リサ「でも上野医師は、わたしのお母さん……かもしれない人と【バキューン】してたんでしょう?」
学「ま、まだ分かんないよ?」
しかし斉藤玲子が本当にリサの母親なのだとしたら、10代半ばで生んでいることになる。
そして、その父親とは上野医師であるかもしれない。
母親「一緒に寝てあげたら?」
学「母さん!」
リサ「わー!さすがはお義母さん!」
リサは私に抱き着いた。
学「自分の息子が鬼に食われてもいいのかよ!?」
母親「どうせ人間の女性には相手にされないチー牛ですもの。煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい」
リサ「先生!お義母さんのお許しが出たことだし!」
リサは鼻息を荒くした。
興奮して角が生え、両耳も尖っている。
愛原「何がだ!高橋!何とかしろ!高橋!?」
しかし、私の召集に応じない高橋。
高橋「
でへへ……ダメっすよぉ、先生ぇ……そこ触っちゃ……
」
それもそのはず。
高橋は既に寝ていたからである。
父親「学も缶ビール飲むだろ?」
愛原学「うん」
父親「高橋君も」
高橋「あざっス!……いえ、ありがとうございます」
リサ「じゃあ、わたしも」
一同「あと3年待て!」
リサ「えー!?」
高橋「えーじゃねぇ!」
父親「仲良くやっているようで何よりだ」
学「いつも賑やかなんだよ」
高橋「コイツのせいです」
リサ「コイツのせいです」
高橋「ンだコラぁっ!」
リサ「電撃!」
高橋「マグナム!」
愛原「やめなさい、こんな所で!」
母親「うちも2人以上の子供が欲しかったわ」
愛原「うるさいだけだよ、きっと……」
高橋「先生のヨメは俺です!」
リサ「わたしがお嫁さんです!」
高橋「コラァッ!」
リサ「お兄ちゃん、男じゃない!」
父親「た、多様性、多様性……」
高橋「そうっスよ!」
リサ「お兄ちゃんじゃ、子供が生めません。わたしは女だから、子供が生めますよ?」
父親「う、うむ。孫を生んでくれる方が……」
母親「私は孫に賭けたいわ!」
学「何でだよ!?」
リサ「いえい
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0087.gif)
高橋「くそっ……!」
父親「でも、歳の差が気になるねぇ……」
学「そうなんだよ」
リサ「問題ありません!こう見えてもわたし、実際は先生より10歳以上年上の……」
学「わー!わー!わー!」
父親「ん?」
学「何でもない!何でもないです!」
歳の差と言えば、上野医師と斉藤玲子の歳の差なんか、私とリサよりもヤバいぞ。
上野医師がアラフィフで、斉藤玲子が10代半ばって……。
私は確かに研究所の自爆装置から、リサを助け出した。
上野医師は、喘息で死に掛かっている斉藤玲子を助けた。
……前者の方がヤバいか。
私も、よくあんな咄嗟の判断ができたものである。
父親「俺は『鬼ころし』だ」
リサ「!」
リサ、右耳だけ長く尖らせて、ピクッと動かす。
高橋「おっ、いいっスねぇ!『どんな鬼でも、これを呑めばたちまち酔い潰れてしまう』って酒っスね!」
父親「おお!よく知ってるじゃないか、高橋君?」
高橋「俺の実家、新潟なもんで、佐渡の『鬼ころし』は有名っス!」
父親「そっちか。これは『みちのく鬼ころし』だが、『佐渡の鬼ころし』も飲んでみたいな」
高橋「今度、送らせて頂きゃす!」
学「つったってオマエんち、下越の方だろ?佐渡に知り合いでもいるのか?」
高橋「何も、佐渡でしか売ってないってわけじゃないっスよ?」
学「そうか。それもそうだな」
ぶっちゃけ、今なら通販でも簡単に買える時代だな。
リサ「先生、わたしにも一口……」
学「だからダメだって!」
高橋「『お酒は20歳になってから』だぜ?鬼さんよ?」
リサ「ぶーっ!」
リサは頬を膨らませた。
学「だが、試しに本当に鬼に『鬼ころし』を飲ませてみたい気がしないでもない」
高橋「先生!?」
リサ「じゃあ……!」
リサ、父親の『鬼ころし』に手を伸ばす。
学「だからダメだって」
リサ「じゃあ、どうするの?」
学「俺に考えがある」
[同日20時00分 天候:晴 愛原家]
すき焼きの肉は、リサが半分以上食べていたような気がする。
まあ、生協辺りで買ったセール品だったようなので、そこまで高い肉ではなかったようだが。
夕食が終わると、私と高橋、リサは家の奥の客間に移動した。
高橋とリサが夕食の後片付けを申し出たので、実際に移動したのはその後になったが。
学「実は前々から思っていたんだが、善場主任」
リサ「善場さん?」
高橋「ねーちゃんがどうかしたんスか?」
学「実は、かなり酒に強い」
高橋「あー、確かにこの前の飲み会でも全然酔ってませんでしたね!」
学「いくら表向きは人間に戻れたことになっているとはいえ、元はBOW(人工生物兵器)。リサと同じ方法でそうされた人だ。つまり、元・鬼といってもいい」
リサ「うん、鬼のように怖い人。あの目で睨まれたら、わたしでも言う事聞いちゃう」
リサは白目を黒に、黒目を銀色に変えた。
興奮すると、このようになる。
善場主任は、このような変化は無いのだが……。
学「何気に俺や高橋より飲んでいるだろ?」
高橋「それもそうっスね」
学「あの人に『鬼ころし』を飲ませたら、どうなるだろうと思って」
高橋「案外、大丈夫だったりして」
リサ「是非飲ませてみよう!」
学「お土産に買って行ってあげるか」
普段はお土産を固辞する善場主任も、酒なら受け取ってくれるかもと思った。
[同日22時00分 天候:晴 愛原家]
母親「明日は9時に後輩の家に行くの?」
学「ああ。そうするよ」
母親「分かった。日曜日だから、多分家にいると思うわ」
リサが風呂に入っている間、私はリビングで母親と話していた。
母親の後輩の門伝女史は、中学校の音楽教師として働いていたという。
吹奏楽部にいて、高校も吹奏楽部に入り、そして大学で教員免許を取って、音楽教師となったようだ。
もちろん今は、定年退職している。
リサ「お風呂出ましたー」
リサがやってくると、体操服とブルマではなかった。
さすがに両親の前だからか?
白いTシャツに黒いショートパンツであった。
母親「その恰好で寒くない?」
リサ「全然大丈夫です。わたし、体温高いんで」
母親「そう……」
学「夜更かししないで、早く寝ろよ」
リサ「分かってるよ。それじゃ先生、わたしは先に寝てるねぇ?」
学「ああ」
しかしリサは、2階の私の部屋に行こうとした。
学「ちょっと待てい!」
リサ「なに?」
学「リサが寝るのは、奥の客間だろ!あっち!」
リサ「夫婦が同じ部屋で寝るのは当然でしょ?」
学「こらぁっ!」
母親「あらあら」
学「『あらあら』じゃねーよ!」
リサ「でも上野医師は、わたしのお母さん……かもしれない人と【バキューン】してたんでしょう?」
学「ま、まだ分かんないよ?」
しかし斉藤玲子が本当にリサの母親なのだとしたら、10代半ばで生んでいることになる。
そして、その父親とは上野医師であるかもしれない。
母親「一緒に寝てあげたら?」
学「母さん!」
リサ「わー!さすがはお義母さん!」
リサは私に抱き着いた。
学「自分の息子が鬼に食われてもいいのかよ!?」
母親「どうせ人間の女性には相手にされないチー牛ですもの。煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい」
リサ「先生!お義母さんのお許しが出たことだし!」
リサは鼻息を荒くした。
興奮して角が生え、両耳も尖っている。
愛原「何がだ!高橋!何とかしろ!高橋!?」
しかし、私の召集に応じない高橋。
高橋「
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それもそのはず。
高橋は既に寝ていたからである。
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