報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Cindy” 主な登場人物紹介

2016-05-26 20:13:26 | アンドロイドマスターシリーズ
 アルバート・F・スノーウェル:

 デイライト・コーポレーション・インターナショナル、アーカンソー研究所の所長。
 40代前半という若さにして辺境の地と言えど、所長に抜擢されるほどの天才。
 長身・痩身の白人。
 しかしその天才ぶりを鼻に掛けることがあり、ジャニスとルディというマルチタイプを作り上げた際、プログラミングをミスった際も放置していた(気づかなかった?)向きもある。
 当初はジャニスとルディの働きぶりに感心し、自らの天才ぶりに更に鼻を高くした。
 しかしそのプライドを掛けた交渉を会社と行うも、決裂。
 プライドにヒビを入れられた際、マルチタイプ姉弟に寄り添われたことで、更に彼らへの信頼を厚くする。
 独立を企てようとするも失敗し、研究所に立て籠もることになる。
 機会を見て脱出を図るが、その時、既に暴走していたジャニスとルディに気づくのが遅れてしまう。
 慌てて2人のプログラムを修整しようとするも、2人に阻止されてしまい、研究所に事実上軟禁されることになってしまった。
 ルディの隙を突いて、軟禁されていた居住区のダクトから脱走を図るも、これが更にジャニスとルディの暴走に拍車を掛けることになってしまい、更なる事態の悪化を招いてしまう。
 今現在、作者のネタ帳的には死亡フラグより生存フラグの方が多くなっている(事態の悪化を招いた責任を問う敷島に胸倉を掴まれ、ぶん殴られるシーンがネタとしてあるが、採用するかは不明)。

 外見のモデルは“バイオハザード2”のウィリアム・バーキン博士。

 鳥柴優奈:

 デイライト・コーポレーション・ジャパン(略称、DCJ)成田営業所の営業主任……というのは表向きで、実は裏的な渉外担当者としての顔も持つ。
 20代後半の日本人女性。
 同じDCJの社員であるアリスとは同僚ということにはなるが、当然、所属先も畑も違うため、面識はそれまで一切無かった。
 高身長でモデル体型のマルチタイプと並んだり、やはり体の大きい(太っているわけではない)アリスと並ぶことが多い為、小柄な女性扱いされることがあるが、実際は170cm近い身長であるので、けして小柄では無い。
 普段からスーツを着用している。
 デイライトのアメリカ本社との連絡担当として、敷島やシンディ達のサポートに当たる。
 本人はあくまでも社命で敷島達のサポートに当たっているというが、他にも社命を受けている。
 それは物語終盤で明らかにされる……かどうか、作者が忘れていたら無いかもしれない。

 外見と名字のモデルは“のび太のバイオハザード 無理の無いバイオⅣ”のアンブレラ日本支部の女性エージェントから。
 下の名前のモデルは作者の本業の同僚から。

 キース:

 デイライト・コーポレーション・インターナショナルのダラス支社の社員。
 社内での役回りは不明だが、アメリカ本社側のエージェントとして敷島達のサポートに当たる。
 肥満体型の40歳。
 メルセデス・ベンツをこよなく愛し、アメリカ企業でありながら、『走る司令室』にベンツ製バスを導入させたのも、彼の声によるものなのだとか。
 その為、『走る司令室』の運転を一手に引き受ける。
 プライベートで乗り回している車も、ベンツGクラスであるらしい。

 名前のモデルは“バイオハザード リベレーションズ”のBSAA黒人エージェントより。
 外見のモデルは“ミスタータイヤマン”の太ったオジさんの方。

 クエント:

 デイライト・コーポレーション・インターナショナルのダラス支社の社員。
 キース同様、社内での役回りは不明だが、キースとペアを組んで、敷島達のサポートに当たる。
 痩身で黒縁眼鏡を掛けた20代。
 こちらはキャデラックが大好きで、空港から会社までの送迎にキャデラックが使われた際、運転を引き受けた。
 『走る司令室』に同乗はしたが、大型免許は持っていないらしく、専らキースの横に乗っているだけである。
 尚、作中では描写されていないが、敷島達がシンディ達の動きを監視している間、バスの整備に当たっていることから、社内でも何かメカニック的な仕事を普段から行っているものと思われる。

 名前のモデルは“バイオハザード リベレーションズ”のBSAA白人エージェントより。
 外見のモデルは“ミスタータイヤマン”の眼鏡を掛けた兄ちゃんの方。

 ジャニス:

 アルバートが開発・製造したマルチタイプα号機。
 元はシンディをモデルに製造するつもりだったが、会社から予備機として2機製造するように言われた為、参考資料として手に入れていた鏡音リン・レンのように双子機として製造することにした。
 その為、外見は鏡音リンを大人にしたようなものとなる。
 但し、本物のリンと違って、シンボリックな白い大きなリボンは着けていない。
 代わりに黒いヘッドセットを着けている。
 服装も黒いバドスーツを着用している。
 成人女性をイメージして造られた割には、普段の性格は幼い。
 製作者であるアルバートに、屈折した忠誠心を持っている。
 シンディ曰く、「目が死んでいる」。
 装備している銃火器の内容については不明だが、所内の人間達が蜂の巣になって死んでいるところを見ると、マシンガンは装備していると思われる。
 今のところ、作者のノートに生存フラグは無い。

 外見のモデルは先述した通り、鏡音リンを大人にした感じ。
 名前のモデルは“クロックタワー3”のシザーウーマンの本名から(しかも、こちらは姉ではなく妹)。

 ルディ:

 アルバートが開発・製造したマルチタイプのβ号機。
 元は製造予定に無かったが、急きょ会社から予備機を製造するように命令されたアルバートが、どうせなら双子の姉弟にしてしまおうと製造した。
 実はこの事は、実際の鏡音リン・レンの製造秘話と似ている(この小説オリジナルの設定ではなく、公式です。本来、鏡音レンは製造予定に入っていなかったそうで、それで多くのクリエイターがリンを姉、レンを弟にしているのです。この小説でもそれを踏襲しています)。
 鏡音レンを青年にしたような外見をしている。
 こちらも、ジャニスと同様、黒いヘッドセットを着けている。
 服装は白い半袖ワイシャツに黒いベスト、黄色いネクタイ、黒いズボンと、こちらの方が更にレンと似ている。
 姉のジャニスよりも更に強い忠誠心を持っているつもりか、彼の方がアルバートに接する機会が多い。
 但し、やはりアルバートのことをどこかでナメているのか、アルバートの命令を全て聞こうとしない。
 アルバートが何か小型のリモコンのような物を取り出した時には、顔色を変えた。
 ジャニスよりは冷静に振る舞っていたが、自分の隙を突いてアルバートに脱走されたことを知ると、さすがに狂い出した。
 8号機のアルエット同様、右手人差し指からレーザービームを放つことが可能。
 自分達が人間よりも完璧な存在だと勘違いしてからは暴走の一途を辿り、アルバートの命令無くして侵入者を虐殺したり、ついにはアルバートの命令すら拒否したり、わざと自分に都合のいいように曲解したりしていた。
 作者のノートでは先にジャニスが破壊されたことで大いに悲しみ、しかしすぐにその悲しみが怒りへと変わって、シンディ達にとってはボス戦が2回続く事態となるようになっているが、実際そのようになるかは不明。
 攻撃力はジャニスより強いという設定。

 外見のモデルは鏡音レンを大人にした感じ。
 名前のモデルは“クロックタワー3”のシザーマンの本名から(こちらは先述したシザーウーマンの兄)。
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小説の途中ですが、ここで本日の近況をお送りします 0526

2016-05-26 19:14:14 | 日記
 今日は年に1度の内視鏡検査の日であった。
 私はかれこれ10年以上も潰瘍性大腸炎という厚生労働省指定の特定疾患に罹患しており、今でも通院を続けている。
 発症したのが顕正会員時代なので、顕正会員からの視点で見れば、
「信心を疎かにした罰!」
 なのだろうし、法華講員から見れば、
「異流儀で積んだ罪障による害毒!」
 となるのだろう。
 病気が重いと、仏法とどう連動するのか分からないが、かなり遅れて連動するようである。

 どういうことかというと、まず顕正会員時代に発症した。
 しかし、顕正会に入信してすぐに発症したわけではない。
 時期的には、顕正会に入信して5年後だろうか。
 その後、日蓮正宗塔中坊にお世話になったが、初信の功徳で治るほど甘い病気ではなかった。
 で、そこの宿坊を退転後、新薬を手に入れることができ、私の症状は劇的に回復。
 普通は、退転したのだから、罰の現証で入院にでもなる有り様が期待されるところだろう。
 しかし、実際はその逆だった。
 その理由は桜梅桃李さんと先日お話をさせて頂く機会があり、そこで薄々気づいたが、ここで述べるには憚れるので、私と直接お会いできた時にでもお話ししたい。
 どなたか別の信徒さんだったか、退転するということは、それまで培ってきた功徳という貯金を全部下ろす行為に相当するという。
 私の病気が、正法を退転したのにも関わらず、回復の傾向を見せたのは、貯金を全部下ろして、病気という借金(罪障)の返済に充てたからとも言える。
 その後、現在の法道院に勧誡。
 退転中は1度回復した症状が再び悪化することもなく、また勧誡後も劇的に回復するということもなく、ほぼ横ばいの状態となっていた。

 これだけ見れば、学会員や顕正会員はほくそ笑むことだろう。
「やはり日顕宗は罰だらけ!」
 と。
 あっ、顕正会はちゃんと日蓮正宗とか宗門と呼ぶからね。
 ついでに話を脱線させてしまうが、私が顕正会にいた時、集会で宗門批判の話になったことがあったが、元学会員が『日顕宗』と呼んだことがあり、それはちゃんと同席していた幹部に注意されていた。
 皮肉にも、法華講員が日顕宗と呼ぶ学会員に注意する時と文言がほぼ同じ。
「日顕宗なんて宗派は存在しないよ。もし日蓮正宗のことを言っているのであれば、ちゃんとそう呼びなさい」
 と。
 更にその時の(当時の)第4部長が、
「浅井先生でさえ、ちゃんと『日蓮正宗』とか『宗門』とお呼びになられている。あなたはもう学会員ではない。学会での呼び方は捨ててください」
 と、注意していたのを覚えている。
 確か……7〜8年くらい前の夏だったと思う。
 大宮の高鼻コミュニティセンターにおける夜の集会の時だ。

 脱線していた列車を戻して、本題に入ろう。
 大腸検査での結果は良好。
 むしろ、昨年より症状が緩和されていることが分かった。
 服用している薬も減らされた。
 ただ、これだけのことで『功徳〜〜〜〜!!』と呼ぶには大いに憚れる。
 何故なら、この程度の功徳は、宗内にあっては多く聞かれる内容だからである。
 とある学会員の爺さんは、とある顕正会員のブログで、この『功徳〜〜〜〜〜〜!!』を披露しており、いかにも法華講に功徳が無いような話しぶりをする。
 だが、よくよく考えてみると、それをしているのはその本人だけなのである。
 当ブログにも、学会員の方がたまに来られている。
 しかし、こちらのブログに来られている学会員さん達は、功徳を語られない。
 もちろんその理由は知っている。
 別に、学会員は学会員なりの功徳があるのだろう。
 本人達が功徳と思っているものを否定するつもりは無いが、しかしあの爺さんの話しぶりでは、却って創価学会には功徳が無いということを広めてしまっている事態に陥らせていることに……あの爺さんは気付いていないのか。
 それともあの爺さんの所属するブロックでは、ああしなければならないことになっているのか。

 本来、功徳の現証というのは自分の姿そのものであると私は思う。
 顕正会員の折伏という名の勧誘の実態、それは何も入信報告書の水増しではなく、どう見ても薄幸状態なのに、
「顕正会に入れば幸せになれる」
 と、イタい台詞を言っていることなのである。
 これは顕正会時代にも上長から言われたことがあり、私が今よりとても症状が重かった頃、
「折伏をガンガンやって、誓願を大きく突破すれば病気などすぐに治る」
 と言われたことがある。
 恐らく、似たようなことを言われたのは私だけではないだろう。
 だが、実態は……当時の私の写真があるが、顔色は悪く、今にも死にかけの状態であった。
 そんな状態で、
「幸せになれる」
 と言って、誰が信用するものか。

 件の学会員の爺さんの、
「自分が功徳に満ち溢れている姿を見てもらうことで、広宣流布に繋げる」
 という言葉には同意する。
 自分の功徳の体験を自分のフェイスブックで発信するのは、大いに結構だと思う。
 私だって、こうして何か功徳のようなものがあれば、ここで発表することがあるからだ。
 しかし、それは本来、自己満足的なもの。
 自分の口から語ったり、自分の管理するブログなどで語ることはあっても、人のブログに頼まれてもいないのに語るものではない。
 体験発表というのは、時として怨嫉を生む。
 発表のやり方を間違えると、受けなくても良い怨嫉を受けることになる。
 いや、怨嫉を受ければその分、自分の罪障消滅になるという向きもあるだろう。
 あの爺さんもそう語っている。
 しかし、折伏の時に受ける怨嫉は不変的なもの。
 体験発表の時に受ける怨嫉は可変的なものである。
 自慢たらしく語れば、そりゃ怨嫉が発生するのは当たり前。
 それで発生し、受けた怨嫉までも罪障消滅になるとは私は思えない。

 だからといって、一切体験発表してはならないと言ってるのではない。
 機会があれば、発表することもあるだろう。
 それは大いに行って良いと思う。
 法華講員は顕正会の体験発表に際して、幹部からの添削を批判することがある。
 しかし、法華講の体験発表にだって添削が入るのだ。
 もちろん、それは顕正会のそれとは違う『誤魔化し・改竄・捏造』ではないけどね。
 要は日本語としておかしくないかというのも去ることながら、表現がおかしくないか(嫌味または自慢たらしくなっていないか)をチェックしているのである。
 体験発表というのは自分が積んだ功徳の現証を発表することにより、更なる自分の信心を磨き上げる為と、それを同志と分かち合うことで、同志もまた信心に奮い立つことを目的としている。
 そこに怨嫉が発生したのでは元も子も無い。
 何度も言うが、体験発表において怨嫉が発生した場合、怨嫉者そのものよりも、体験発表者に責任があると私は考えている。
 折伏の怨嫉とは違う。

 学会員の爺さんも、そりゃ40歳近くも年下の若造に言われるのは癪に障ることだろう。
 私も、人生の先輩にとやかく言いたくはない。
 だが、言わずにはおれないこともある。
 法華講に功徳が無いと言われたら、そりゃ反論もしたくなるさ。
 あの爺さん、いちいち御書を出してくるが、御書を出すまでもない話である。

 社会の非常識を御書で正当化されちゃ、大聖人様も困惑されておられるだろうな。
 つくづく、私は創価学会に行かなくて良かったと思っているよ。
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“Gynoid Multitype Cindy” 「Basement of the laboratory」

2016-05-26 16:10:36 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月16日00:45.天候:不明 デイライト・コーポレーション・インターナショナル アーカンソー研究所地下4F]

 ガチャ、ガラガラガラガラ……。(←エレベーターのドアが開いた)

「……何か出そうな雰囲気ね」
 エレベーターを降りると、そこは暗闇の空間だった。
 エミリーとシンディは暗視機能を使い、その映像は『走る司令室』にも送られている。
 停電のせいで照明が落ちており、所々に点灯している非常口の明かり(アメリカでは赤字で『EXIT』と表示されている)だけが頼りだった。
 あとは、火災報知器の赤ランプとか。
「シンディ。何か・聞こえないか?」
「えっ?」
 シンディが耳を澄ませる。
 具体的には、集音器の感度を上げた。
「……本当だ。水の音?」
「通路から・聞こえる。行ってみよう」
「ええ」
 通路に出る鉄扉も電子ロック式だったが、地上階と同様、停電でロックが解除されていた。
 通路に出ると、更に下に降りる階段があり……。
「!?」
 そこが水浸しになっていた。
 深さは足首くらい。
 もちろん、完全防水が施されているマルチタイプにはどうってことない浸水ではあるが。

 敷島:「どこかで水漏れしてるみたいですね?」
 平賀:「あの事件で水道管でも破壊されたのかもしれません」

 エミリー達が先に進む為、ドアを開けようとした。
 ドアの向こう側も浸水しているせいなのか、水圧でドアが開かない。
「!!!」
 エミリーが鉄扉ごと自慢の力で破壊した。
「お見事、姉さん」
「次は・お前が・やれ」
「はーい」
 更に先へ進もうとすると、
「ちょっと待って!……何かいる」
 その“何か”は、すいすいとシンディ達の所へ泳いで来て……。
「!?」
 それは大きなピラルクのような魚。
 シンディ達に飛び掛かって来た。
「地下で魚でも飼っていたのかしら?」
 シンディがマグナム、エミリーがショットガンで応戦する。
 被弾したピラルクは本物の魚ではなく、それを模した魚型のロボットだった。
 マグナムとショットガンに撃たれたピラルクのロボットは、バラバラの部品と化して水中に落ちて行った。
「水中に・適応した・タイプが・いるもよう!」

 敷島:「気を付けろ。どんなロボット兵器が開発されていてもおかしくない!」

「ていうか社長、鳥柴さんはその辺りの情報知らないの?」

 敷島:「あ、そうか。鳥柴さん、あの研究所の地下で何か作っていたって聞いてます?」
 鳥柴:「申し訳ありません。私はあくまで日本法人の人間ですので……。そこはキースかクエントが詳しいと思うので、聞いてきますね」
 敷島:「すいません」
 平賀:「ピラルクは確かに魚型の兵器として、役に立ちそうですね。魚雷いらずですよ」
 敷島:「爆弾抱えて敵の船に突っ込ませたり、水面から飛び上がって、甲板にいる人間を襲ったり、ですか?」
 平賀:「まあ、そんなところです。日本では開発が認められないでしょうけどね」
 敷島:「試しにあれの研究データ頂けたら、防衛省に売り込んでみますか?」
 平賀:「それは敷島さんにお任せします」
 アリス:「……読者の皆様、実況は敷島孝夫、解説は平賀太一でお送りしております」
 平賀:「だから!さっきから気になってることをっ……!」
 敷島:「俺、実況アナウンサーか?!」

「……姉さん、何か人間達が楽しんでるみたいだよ?」
「お役に・立てれば・それで良い。それより・電気室は・どこだ?」
「えーと……あっちだね。……あれ?また階段下るの?せーの……って!?」

 ザブーン!

「!? 水かさが増えている!?」
 さっきまで足首からふくらはぎ程度の水かさだったのが、腰の辺りまで深くなっていた。
「何か・嫌な・予感が・する」
 こうして、電気室の入口を見つけたシンディ達だったが……。
「やっぱり……」
 その電気室も浸水しており、大きなレバーのついた装置から火花が飛び散っていた。
 もしかしたら研究所の停電は落雷のせいではなく、この浸水のせいかもしれない。
 今レバーをONにしようものなら、さすがの頑丈なマルチタイプも鉄塊と化すだろう。
 時折化け物呼ばわりされるマルチタイプにも弱点があって、その1つが高圧電流である。
「ち、ちくしょうっ!これじゃ、復電できないじゃない!」
「この・浸水を・何とか・しなければ・ならない」
「社長、どうすればいい?」

 敷島:「ちょっと待て。今、鳥柴さんが……」
 鳥柴:「はい、鳥柴です。さっき、キースとクエントに聞いてきました。その研究所の地下5階に、ポンプ室があるようです」

「ポンプ室!?」

 鳥柴:「はい。この辺りは地下水が豊富で、研究所で使用している水も、地下水を汲み上げたものを利用していたそうです。そのポンプが何らかの理由で故障した上、配管が破壊されたことで、浸水が起きたものと思われます」

「じゃあ、ポンプ室に行って、ポンプを修理してくればいいのね?」
「ミズ鳥柴。その・ポンプは・直して・動かせ・ますか?」
「姉さん?」
「只今・停電中・です。ポンプを・直しても・停電では・動かせないのでは・ないでしょうか?」
「あっ、そうか!」

 鳥柴:「それなら大丈夫です。ポンプは研究所でも非常に大事な設備ですので、非常予備電源でしばらく動かせるようになっています」

「おっ、なんだ……」
「分かりました。それでは・ポンプ室に・向かいます」

 敷島:「頼むぞ。それと気をつけろ。お前達も気づいていると思うが、お前達が研究所に侵入したことはジャニス達も知ってるだろうに、未だに何もしてこないのが却って怪しい」

「分かってるわ。油断はしない」
「お任せ・ください」

 鳥柴:「あっ、それと、もう1つ。研究所の地下水を利用して、水中に適応したロボットを製造しているのが明らかになりました。多くは先ほど遭遇した魚型のロボットなのですが、それとは別に『ガイノイド』を製造していたという記録があります」

「水中に適応したガイノイド?アタシ達だって、一応水中には潜れるよ?」

 鳥柴:「極秘事項ですので、それ以上のことは分かりません。ダラス支社も破壊されてしまいましたし……。あとは本社に問い合わせるしかないのですが、時間が掛かりそうです」

「分かりました。それは・破壊しても・よろしいのでしょうか?」

 鳥柴:「友好的でないものについては、破壊しても良いと本社からお達しが来ております」

「了解。じゃ、姉さん、行ってみよう」
「うむ」
 鋼鉄姉妹達は、更に研究所の深部へと向かって行った。
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“Gynoid Multitype Cindy” 「停電」

2016-05-25 19:17:41 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月16日00:00.天候:晴 DC Inc.アーカンソー研究所]

 平賀:「ああ、済まなかった。エミリー、シンディに協力してくれ。お前にも鏡音リン・レン並びにアルバート所長の救出、そしてジャニスとルディの捕獲もしくは破壊を命じる」

「かしこまりました。プロフェッサー平賀」
 先へと進もうとする鋼鉄姉妹。
「鏡音リン・鏡音レンが・ここにいる・ということは・通信すれば・応答が・あるはずだ」
「電源が入って、稼働していればの話だけどね」
 シンディはリンとレンに通信を送った。
「……ダメ。応答が無い」
「では・どうする?」
「ザコロボット締め上げて、居場所吐かせる?」
「恐らく・知らないと・思う」
「それじゃ元も子も無いじゃない!」

 敷島:「それじゃ、こういうのはどうだろう?その研究所はかなりデカい。恐らくどこかに、防災センターがあるはずだ。防災センターなら……所内のあちこちに仕掛けられた監視カメラに、もしかしたらリンとレンが映っているかもしれない。ついでに、アルバート所長もな」

「なるほど。それもそうね!」
「さすがは・敷島社長・です」
 エミリーとシンディは、自分達にインストールされた館内のマップをダウンロードした。
「防災センターは地下1階にあるみたいね」
「さっき・行った・倉庫とは・反対側だ」
「OK.そこに行ってみましょう」
 と、その時だった。

 敷島:「!? 画面が真っ暗になった!」
 平賀:「どういうことだ!?エミリー、応答しろ!」

「プロフェッサー平賀。どうやら・停電が・起きた・もようです」

 平賀:「停電!?」
 鳥柴:「どうやら、夜半前の雷雨の影響で、送電線に不具合が起きたようです。電力会社の話によると、それは比較的簡単なもので、すぐに修理できるレベルとのことです。ただ……」
 敷島:「ただ?」
 鳥柴:「あの研究所には安全装置が設置されていて、例えまた電力会社からの送電が行われても、自動的に復電するわけではありません」
 敷島:「まあ、確かに。家のブレーカーも、落雷で停電したら、自分でブレーカー戻さなきゃいけないしね。つまり、そういうことですね」
 鳥柴:「はい」

 平賀はマイクを取った。

 平賀:「聞いた通りだ。お前達のことだから、停電で真っ暗になっても、暗視カメラで行動に支障が出ることはないと思う。現に、今こちらのモニタでも、暗視カメラの映像として比較的鮮明に映っている。だが、所内の設備を利用しなければならないだろう。ましてや、次の目的地は防災センター。停電したら1番マズい所だ」

「イエス。プロフェッサー平賀」
「じゃあ、どこに行って復電すればいいの?」

 敷島:「電気室だな。電気室に大きなブレーカーがあって、それが落ちたと思われる。直ちに、電気室を確認しろ」

「了解!」
「かしこまりました」

 平賀:「電気室も施錠されているだろうから、防災センターには行ってみる価値があると思う。そこに鍵も置いてあるだろう」

「イエス。プロフェッサー平賀」
 こうして、エミリーとシンディは防災センター並びに電気室に向かうことになった。

[同日00:30.天候:晴 同研究所内・防災センター]

 防災センターは比較的簡単に行くことができた。
 途中、電子ロックされていたドアがあったが、停電になっているせいか作動しておらず、フリーで開けることができた。
 防災センターは所長室ほど荒らされていなかったが、それでも急に事件が発生したのだろう。
 ここにいた警備員達が、どれほどまでに浮足立ったかが分かるほどに荒れていた。
 そして案の定、センター内は非常灯が点灯していたものの、肝心のモニタは停電で全部消えていた。
「連絡手段が色々あるけれど、電話で外に掛けることはできないみたいね」
 シンディは電話機1つ取ってみたが、全く音が聞こえてこなかった。
 センター内には所内の設備について監視するコーナーがあり、往時はここに設備員が詰めていたのだろう。
 ここも無人だった。
 しかし停電になっていても、予備電源がその分動いたのか分からないが、設備員用のPCは稼働していた。
 当然、何やらエラーが出ており、それによると、所内で停電が発生したので、至急、電気室を確認せよというものだった。
 そして、停電になってしまったことで止まったものや、予備電源で動いているものの一覧が出ていた。
「一部のエレベーターは動いていて、一部のエレベーターは止まっていると……」
「そういう・ことだ。電気室は・地下4階に・ある。そこへの・エレベーターは・動いている・ようだ」
「行ってみましょう」
「ちょっと・待って」
 エミリーはセンター内のキーボックスを開けた。
 何でも開けられるカードキーがあり、普通の鍵を何でも開けられるマスターキーもあった。
 そして、エレベーターを起動させるエレベーターキーも。
 必要そうな鍵は、全て持ち出すことにした。
 警備員用の防犯監視盤を見ると、停電で全ての電子ロックが開放状態になってしまったという警告が出ていた。
「逆にこの辺は都合が良さそうね。他にも、別の認証コードでないと開かないドアとかありそうだし」
「カードキーは・手に入れたから・その辺の・心配は・無いが」
「とにかく、行きましょう。停電を復旧させないと」
 エミリーとシンディは、更にセンター内にあった弾薬を見つけて補充した。
 ボブ戦でだいぶ銃弾を使ったのは事実であるし、未だにちょこちょこザコロボットはやって来ているので。

 エレベーターは防災センターから大して遠くない所にあった。
 まあ、電気室は設備員の直接管理だし、防災センターからの導線も便利にしておかないと、ということか。
 エレベーターのスイッチ自体は切られていたが、これはセンターから持ち出したエレベーターキーを使用して起動させた。
 地下4階に止まっていたエレベーターを呼び戻す。
 その間、シンディは思った疑問を口に出した。
「それにしても、リンもレンも……ううん、あのジャニスとかルディって奴もどこにいるのかしら?モニターに姿を現しただけで、さっぱり私達の前に姿を見せない」
「何か・会えない・理由でも・あるのかも・しれないな」
 エレベーターのドアが開いて、エミリー達はそれに乗り込んだ。
 すぐに地下4階のボタンを押して、ドアを閉めた。
 油圧式のエレベーターは、滑車式(ロープ式)のそれと違って動きは遅い。
 シンディは防災センターで手に入れたマグナム弾を、右手を変形させたマグナムにリロードした。
「いざ、地獄の底へ」
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“Gynoid Multitype Cindy” 「事件の謎と真相」

2016-05-25 16:07:32 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月15日23:00.天候:曇 デイライト・コーポレーション・インターナショナル アーカンソー研究所・所長室]

 荒らされた所長室にて、アルバートの残した研究ノートを発見したシンディ。
 日記形式で書かれていたそれを日本語訳し、以下に抜粋する。

『3月31日 日本の埼玉という町にあった研究所が閉鎖され、代わりにロボット未来科学館なる設備ができたらしい。我が社の業績を世間に知らしめる為のパビリオン施設とのことだが、日本人はくだらぬを考えている。そんなものは我が社の製品で知らしめるべきだ』

『4月2日 私の所にマルチタイプの開発・製造命令が来てから早5年。あの世界的なマッド・サイエンティスト、ウィリアム・フォレスト博士の孫娘が持っていたマルチタイプの設計データを元に製造してはみたものの、こんな化け物をよく造ったものだ。見目麗しい外見をしているのも、偏に化け物ぶりを隠す為だろうか。尚、このことについて、私は実際にマルチタイプを稼働させている日本人を紹介された。アリス氏の夫で敷島孝夫氏という。日本発祥のボーカロイド専門の芸能プロダクションを立ち上げ、芸能活動をさせていることで有名だが、私は彼の別の名前を知っている。日本一マルチタイプを使いこなしている男ということで、何か参考になればと私は連絡してみた。彼はあの世界的なロボット・テロリスト、KR団を壊滅させたことでアメリカでも有名だ。私もロボットを使ったテロは許さない人間なので、話をしてみたいと思っていただけに良い機会に恵まれたものだ』

『4月3日 ついに私の傑作が完成した。α号機をジャニス、β号機をルディと名付けた。本来はジャニスだけの製造だったのだが、会社から予備機としてもう1機製造するようにと指示を受けたので、参考資料として頂戴したボーカロイド双子、鏡音リン・レンをモデルにしてみた。しかし彼らは14歳。対テロとして投入するには幼い。そこは当初の参考資料だった日本のマルチタイプを参考にした。彼女らは成人女性をモデルにしているので、これなら対テロ用途に使えるだろう』

『4月4日 実験も兼ねて、ニューヨーク州で起きたイスラム過激派のテロに投入してみた。彼らはよく働き、あっという間にテロリスト達を駆逐してくれた。政府からの賛辞も強く、マルチタイプが人類の平和に貢献できると証明される日は近いであろう』

 敷島:「科学者として自信に満ち溢れた書き込みですな」
 平賀:「しかし、これ自体は特に問題が無いように思えます。一体、何が問題なんでしょう?」

 アルバートのノートの内容に変化が見られたのは、5月になってからだった。

『5月1日 先日、敷島孝夫氏と会談し、日本法人のパビリオン施設(埼玉のロボット未来科学館)を見学させてもらったが、如何に日本人は平和ボケなのかが分かった。私のマルチタイプは、メイドや執事で終わるようなものではない。それならメイドや執事ロボットを作れば良い。私のジャニスとルディは機能美・造形美共に優れたものだ。元々旧ソ連で設計されたマルチタイプとは違う』

『5月2日 会社に更なるマルチタイプの開発・研究費の増額を求めたが、却下された。まだロクに実績も積んでいないのに、増産体制は認められないという非常にチキンで下らない理由だ。私が憤慨していると、ジャニスとルディは私の気持ちを理解してくれた。そして私の為に何が何でも尽くすと誓ってくれた。マルチタイプは最高だ。そこらのデキの悪い人間よりも、よほど優れている』

『5月3日 私はついに行動を起こした。ジャニスとルディを連れて会社から独立する。既に実績としては、テロ組織やマフィア組織をいくつも潰している。これで十分のはずだ。事前に私の動きを察知していた会社が、DSSを使って私を捕えようとしたが、ジャニスとルディが応戦してくれた。何とも頼もしいコ達だ』

 だが、状況は一変する。

『5月6日 ジャニスとルディはとても優秀なマルチタイプだ。彼らは自ら考え、学習する人工知能を持つ。また、未だ製造工程は秘密である“感情”、喜怒哀楽の感情も豊富で、まるで人間のようである。人間は愚かだ』

『5月9日 本当に人間は愚かだ。だが、私もそんな人間であったことをどうして忘れてしまったのか。かの有名なフランケンシュタイン博士の気持ちが今では分かる。ジャニスとルディの奴、自らが完璧なマルチタイプであるという誇りを持ったはいいが、同時に人間を見下す言動・行動を取るようになった。私は急いで修整を掛けようとしたが、ルディの奴、私を研究所から出さぬつもりだ』

『5月11日 DSSの特殊部隊が突入してきたが、既に化け物同然のジャニス達には叶うものではない。ジャニス達、私が銃撃をやめるよう命令しても、お構いなしである。』

『5月12日 誰かジャニスとルディを止めてくれ』

 敷島:「ひ、平賀先生!?」(口をあんぐり開けて平賀を見る敷島)
 平賀:「うーん……。KR団の言ってることが正しかったと証明されてしまいましたか……」

 平賀も頭を抱えた。
 KR団の活動目的は、人間そっくりのロイドの実用化を阻止することにあった。
 人間に取って代わられることなど、あってはならないと。
 奴隷にするにしても、それが人間に取って代わるようなことは絶対にあってはならない。
 それはイコール人類の滅亡を意味するものだから、と。
 最初はそれが目的で研究者達を拉致したり、虐殺するKR団は何としてでも潰さなくてはならないと思っていた。
 実際、それは実現できた。
 だが……。

「……社長。次の御命令を」
「プロフェッサー平賀。私達は・次は・何をすれば・よろしいですか?」
 マルチタイプから指示を求める通信が入る。
 だが、敷島達はそれに答えることができなかった。
 代わりにアリスが、通信機のマイクを取る。

 アリス:「リンとレン、それとアルバート所長の救助を。ジャニスとルディの捕獲……不可能なら破壊でもいいわ。それを実行して」

「了解しました」
「…………」
「姉さん、行くよ」
 アリスの言う事はあまり聞かないエミリーだが、妹のシンディに促され、所長室をあとにした。

[同日同時刻 同研究所・居住区]

「ほら、キリキリ歩け!」
「何するんだよっ!」
 ルディがリンとレンを引っ張る。
 首に首輪を付けられ、それにリードを付けてルディがリンとレンを引っ張っているのである。
 因みに首輪とは別に、リンとレンには手枷も付けられている。
 にも関わらず、ルディはリンとレンに首輪を付け、そこに紐を付けて引っ張っているのだ。
「我らがマスターがお話くださるのだぞ!?ありがたく思え!」
「ボク達はお前らなんかの味方にならないぞ!……うわっ!」
「きゃっ!」
 リンとレンに高圧電流が流される。
「無駄口たたくと、電流の刑だぞ?」
「リンは関係無いだろ!?」
「連帯責任で、一緒に電流が流れるようになっている。次、抵抗したら1000Vのヤツを流すぞ?」
 ルディは悪魔ような笑みを浮かべた。
「…………」
「リン、しっかりしろ!」
 リンの出力が低下していた。
 人間で言う“失神”しかかっているのだ。
「分かったら、おとなしくついてこい」
「……!」
 そして、居住区に到着する。
「マスター。ご指示の通り、ボーカロイド達を連れて来ました。……マスター?」
 しかし、室内にアルバートはいなかった。
「マスター!?」
 ルディは慌ててホテルのシングルルームのような部屋の中を探した。
「……に、逃げられた!……アハハハハハっ!逃げられたーっ!ハハハハハハハハハハーッ!!」
「!!!」
「な、なに!?」
 ルディが狂ったように笑い出した。
「……ハッ、所詮はあいつも愚かな人間だったか」
 そして、リンとレンを見る。
「お前らのせいだぞ!!」
「な、何がだ!?」
 ルディがレンに殴り掛かって来る。
 手枷と首輪で不自由な状態であったが、レンは持ち前の素早い動きでルディの拳を交わした。
 壁にめり込んだルディの拳。
「……ハハ、ハハハハハハっ。だからお前達にも、責任を取ってもらう」

 ルディの不気味な笑みについて、レンは後に語る。
「東京決戦で暴走したシンディ(前期型)がドクター・ウィリーを惨殺した時の顔って、あんな感じ?」
 と。
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