伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

発議案「厚生年金への地方議員の加入を求める意見書」に反対しました

2024-03-27 00:06:30 | 政治
2月26日に開会した2月佐倉市議会がやっと閉会。
1か月の議会中、開会日に決めなければならない議案2本、閉会日に急遽出された補正予算。
予算委員会もあり中身の濃い2月議会でした。

公明党から「厚生年金への地方議員の加入を求める意見書案」が出されました。

「近年、地方議員のなり手不足が深刻な問題になっていることから、
会社員が立候補しやすいように、転身後の老後の生活や家族の心配がないよう、
地方議員も会社員同様、厚生年金に加入できるよう法整備を行って、
多様な人材の立候補を促すための環境整備が必要」
という内容です。

議員年金が2011年に廃止されてから、国民年金のみの議員が増えている問題で、
全国市議会議長会、県議会議長会などからも、同じ趣旨の決議が出されています。

そもそも、議員年金が廃止になったのは、平成の大合併で自治体が減り、議員が激減したこと。
掛け金を払う議員が減ったため、年金の原資が激減して、継続が無理になった事が理由です。

厚生年金に議員を入れるということは、どんな仕組みなのでしょうか?
どんな問題点があるのでしょうか。

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「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書案」に反対の立場から討論します。

本意見書案は、会社員が安心して議員に転職できるように厚生年金の適用が受けられるよう
法整備を国に求めるものです。
すなわち、地方公務員等共済組合法において、常勤として扱われる首長や自治体職員と
同じように、新たに議員を被保険者に加えることになります。
議員も常勤として扱うことになりますが、議員の職務形態はそれぞれ異なり、
労働時間の拘束が明確にあるものではありません。
ましてや、保険料の半分を市が負担するとは、議員は誰に雇用されていることになるのでしょうか。
議員は、選挙により市民の負託を受けて4年間の任期に限り身分が保証されています。
地方公務員法上「特別職」に規定されていますが、地方公務員法の適用からは除外されています。
市議会議員を市長と同じように「常勤として扱う」ことには無理があります。

議員の老後保障という点から言えば、国民年金の被保険者として暮らすことのできる
最低年金の引き上げこそが、私たち議員が国に求めていくべきことではないでしょうか。

また、公費負担という点でいえば、議員が厚生年金に加入する場合、保険料を事業者である
市が半分負担することになります。
現時点で佐倉市の場合年間2千万円が、全国では160億円の新たな公費負担が生じると
試算されています。
現在、廃止された議員年金制度でも議員年金受給者に年金支給がされています。
2011年に廃止された時点で50年続くとされ、累計で1兆円の公費負担が必要と推計されていました。
この公費は、市議会の場合は市議会議員共済会への負担金として賄われており、
佐倉市の場合令和5年度で4千730万円。
全国では308億円になります。

原油高、物価高騰の中、市民生活が疲弊し企業活動に影響が出ている中、
議員特権のような厚生年金加入を求める本発議案に反対します。

卒業式の時満開の 近くの小学校のハクモクレン 
3月17日撮影









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