議会質問5つ目は森林環境譲与税について
荒廃した森林を自然の広葉樹林に戻して、保水力を高めていくべきでは、
という質問の主旨です。
まず、森林環境税というのがあります。
東北震災の復興特別税として個人住民税に一人年間千円徴収されています。
赤ちゃんからお年寄りまでで、2014年から10年間。
これを別の形で取り続けようというのが森林環境税です。
森林環境税の徴取はまだ先の4年後ですが、それを財源として(あてにして)、
全国市町村に森林環境譲与税としてばらまくのですが、
財源は借入金で、とりあえず今年度から始めました。
しかも、森林の無い自治体も入っているので、何に使うか決めかねるので、
基金にまずは積みましょ、というところも多いのです。
問題がある森林環境税、森林環境譲与税ですが、
始まるのなら有意義に使い方を考えましょうと提案しました。
9月議会質問から**********************
5.森林環境譲与税による天然林化推進について
林野庁によれば、森林の持つ「公益的機能」として、
地球温暖化防止、災害防止・国土保全、水源涵養、
生物多様性の保全などをあげています。
そのうち、「災害防止・国土保全」に関しては、自然林の広葉樹は、
土壌やその下の岩盤まで根をしっかりと張るため、山崩れ防止に大きな効果を発揮します。
しかし、人工林のスギやヒノキはもともと根が2メートル以下と浅くしか張っていません。
加えて放置された人工林では、日光がさえぎられて下草が生えず、
雨が降れば表土を直撃して土砂を洗い流し、大規模な倒壊や土砂崩れ
を引き起こします。
今回の台風15号ではスギの人工林で大量の倒木が発生したと
報じられています。
また「水源涵養」についても、自然林の豊かな保水力に比べ、
人工林は保水力が弱く、湧き水が減少し沢が涸れる例が後を絶ちません。
森林の「公益的機能」を重視するのなら、人工林より天然林の保全
に重点が置かれるべきです。
そこで伺います。
➀ 環境譲与税が財源となり一体的に運用される「森林経営管理法」では、
人工林を主な対象としている。
そこには環境保全の視点は薄く、森林を木材資源の産地として位置づけ、
いかに効率よく伐採し、加工・活用していくかに眼目が置かれている。
従って、森林経営管理法の運用では、森林の公益的機能は保全されにくい
と考えるが、見解を伺う。
答弁:間伐などの適切な経営管理がされず放置された人工林では、
雨水を貯えたり、山崩れを防いだりする森林の公益的機能が十分に保全されない
恐れがあります。
このため県では、森林経営管理法による新たな制度のもとで、
経営に適さない放置人工林を、針葉樹や広葉樹が混在した自然に近い森林など、
多様で健全な森林へ誘導していくことで、公益的機能の保全を図ってまいります。
➁ 近年、山崩れのほとんどは、全国の森林の4割を占める人工林で起きている。
土砂災害の防止には、放置された人工林を広葉樹林に変えて
いくことが有効だと考える。
「森林環境税及び森林環境譲与税法」では、付帯決議として
「私有人工林の荒廃が進み、保水力低下、土砂災害の発生、
野生鳥獣の生息地の破壊、花粉症り患者の急増など深刻な問題が生じていることが、
我が国の森林における重要な課題であることを認識し、豊かな水源の森再生のために、
森林環境譲与税で、放置人工林の広葉樹林化を進めること」と記載された。
付帯決議について、千葉県としてどのように具現化していくのか。
答弁:この付帯決議は、間伐などの適切な経営管理がされずに放置され、
保水力の低下や土砂災害の恐れのある荒廃した人工林を「豊かな森」に再生するため、
森林環境譲与税を活用して地域の自然条件等に応じて、針葉樹と広葉樹が混在し、
公益的機能が持続的に発揮される森林を整備していくことを求めたものと理解しています。
県としては、地形や路網の整備状況など地域の実情に応じて、
放置人工林の広葉樹林化を含め、多様で健全な森林づくりを市町村が進めていくよう、
林業普及指導員による助言や情報提供を行うなどしながら支援してまいります。
➂ 今年度、森林環境譲与税が県内の市町村に配分される額は、
県の試算値では約3億1200万円。
配分は人口割りが3割,私有人工林面積が5割、林業従事者割合が2割となっており、
人工林がゼロの自治体、例えば浦安市に確認したところ625万円が配分されるという事でした。
県内54市町村に行ったアンケート調査では、基金として積み立てのみを検討している
ところが32市町村に上ったとのこと。
何に使っていいのか分からない、という自治体の困惑が伝わってくるような結果です。
一方、県内で森林の多い南部では、人口割りが少なく人工林の整備や広葉樹林化
に十分な財源が確保できない。
しかし、例えば東京では、中央区が、桧原村にある「中央区の森」について、
人工林を広葉樹林化し森の再生を図るために使うとしている。
譲与税の広域化と言えるのではないか。
千葉県の森林を県民全体の大切な財産として位置付ければ、千葉県が調整役となり、
自治体の境界を越えて譲与税を集め、本来の目的である「森林整備」のため、
具体的に言えば人工林の広葉樹林化などに使うことも可能ではないかと考えるが、どうか。
答弁:森林環境譲与税の使途は、各市町村が独自に判断
すべきものですが、譲与税を効果的に活用する観点から、県と全市町村による
連絡調整会議において、市町村相互に連携した森林整備のあり方などについても
検討を行っているところです。
荒廃した森林を自然の広葉樹林に戻して、保水力を高めていくべきでは、
という質問の主旨です。
まず、森林環境税というのがあります。
東北震災の復興特別税として個人住民税に一人年間千円徴収されています。
赤ちゃんからお年寄りまでで、2014年から10年間。
これを別の形で取り続けようというのが森林環境税です。
森林環境税の徴取はまだ先の4年後ですが、それを財源として(あてにして)、
全国市町村に森林環境譲与税としてばらまくのですが、
財源は借入金で、とりあえず今年度から始めました。
しかも、森林の無い自治体も入っているので、何に使うか決めかねるので、
基金にまずは積みましょ、というところも多いのです。
問題がある森林環境税、森林環境譲与税ですが、
始まるのなら有意義に使い方を考えましょうと提案しました。
9月議会質問から**********************
5.森林環境譲与税による天然林化推進について
林野庁によれば、森林の持つ「公益的機能」として、
地球温暖化防止、災害防止・国土保全、水源涵養、
生物多様性の保全などをあげています。
そのうち、「災害防止・国土保全」に関しては、自然林の広葉樹は、
土壌やその下の岩盤まで根をしっかりと張るため、山崩れ防止に大きな効果を発揮します。
しかし、人工林のスギやヒノキはもともと根が2メートル以下と浅くしか張っていません。
加えて放置された人工林では、日光がさえぎられて下草が生えず、
雨が降れば表土を直撃して土砂を洗い流し、大規模な倒壊や土砂崩れ
を引き起こします。
今回の台風15号ではスギの人工林で大量の倒木が発生したと
報じられています。
また「水源涵養」についても、自然林の豊かな保水力に比べ、
人工林は保水力が弱く、湧き水が減少し沢が涸れる例が後を絶ちません。
森林の「公益的機能」を重視するのなら、人工林より天然林の保全
に重点が置かれるべきです。
そこで伺います。
➀ 環境譲与税が財源となり一体的に運用される「森林経営管理法」では、
人工林を主な対象としている。
そこには環境保全の視点は薄く、森林を木材資源の産地として位置づけ、
いかに効率よく伐採し、加工・活用していくかに眼目が置かれている。
従って、森林経営管理法の運用では、森林の公益的機能は保全されにくい
と考えるが、見解を伺う。
答弁:間伐などの適切な経営管理がされず放置された人工林では、
雨水を貯えたり、山崩れを防いだりする森林の公益的機能が十分に保全されない
恐れがあります。
このため県では、森林経営管理法による新たな制度のもとで、
経営に適さない放置人工林を、針葉樹や広葉樹が混在した自然に近い森林など、
多様で健全な森林へ誘導していくことで、公益的機能の保全を図ってまいります。
➁ 近年、山崩れのほとんどは、全国の森林の4割を占める人工林で起きている。
土砂災害の防止には、放置された人工林を広葉樹林に変えて
いくことが有効だと考える。
「森林環境税及び森林環境譲与税法」では、付帯決議として
「私有人工林の荒廃が進み、保水力低下、土砂災害の発生、
野生鳥獣の生息地の破壊、花粉症り患者の急増など深刻な問題が生じていることが、
我が国の森林における重要な課題であることを認識し、豊かな水源の森再生のために、
森林環境譲与税で、放置人工林の広葉樹林化を進めること」と記載された。
付帯決議について、千葉県としてどのように具現化していくのか。
答弁:この付帯決議は、間伐などの適切な経営管理がされずに放置され、
保水力の低下や土砂災害の恐れのある荒廃した人工林を「豊かな森」に再生するため、
森林環境譲与税を活用して地域の自然条件等に応じて、針葉樹と広葉樹が混在し、
公益的機能が持続的に発揮される森林を整備していくことを求めたものと理解しています。
県としては、地形や路網の整備状況など地域の実情に応じて、
放置人工林の広葉樹林化を含め、多様で健全な森林づくりを市町村が進めていくよう、
林業普及指導員による助言や情報提供を行うなどしながら支援してまいります。
➂ 今年度、森林環境譲与税が県内の市町村に配分される額は、
県の試算値では約3億1200万円。
配分は人口割りが3割,私有人工林面積が5割、林業従事者割合が2割となっており、
人工林がゼロの自治体、例えば浦安市に確認したところ625万円が配分されるという事でした。
県内54市町村に行ったアンケート調査では、基金として積み立てのみを検討している
ところが32市町村に上ったとのこと。
何に使っていいのか分からない、という自治体の困惑が伝わってくるような結果です。
一方、県内で森林の多い南部では、人口割りが少なく人工林の整備や広葉樹林化
に十分な財源が確保できない。
しかし、例えば東京では、中央区が、桧原村にある「中央区の森」について、
人工林を広葉樹林化し森の再生を図るために使うとしている。
譲与税の広域化と言えるのではないか。
千葉県の森林を県民全体の大切な財産として位置付ければ、千葉県が調整役となり、
自治体の境界を越えて譲与税を集め、本来の目的である「森林整備」のため、
具体的に言えば人工林の広葉樹林化などに使うことも可能ではないかと考えるが、どうか。
答弁:森林環境譲与税の使途は、各市町村が独自に判断
すべきものですが、譲与税を効果的に活用する観点から、県と全市町村による
連絡調整会議において、市町村相互に連携した森林整備のあり方などについても
検討を行っているところです。