とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画「グラントリノ」

2010-06-05 19:37:46 | 映画
このところWOWOWで放送された映画で、めちゃめちゃ泣けた2本を紹介したい。どちらも昨年公開された映画で、既に見た方もいるだろうが、私は映画館で見る機会がなく今回テレビで初めて見た。どちらも期待に違わず、いい映画だった。

1本目は、洋画でクリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」

《内容と解説》
鮮戦争の帰還兵ウォルト・コワルスキーはフォード社を退職し、妻も亡くなりマンネリ化した生活を送っている。彼の妻はウォルトに懺悔することを望んでいたが、頑固な彼は牧師の勧めも断る。そんな時、近所のアジア系移民のギャングがウォルトの隣に住むおとなしい少年タオにウォルトの所有する1972年製グラン・トリノを盗ませようとする。タオに銃を向けるウォルトだが、この出会いがこの二人のこれからの人生を変えていく…。
『チェンジリング』からほとんど間を空けずに公開されるイーストウッド監督作。『ミリオンダラー・ベイビー』以来、4年ぶりに主演も兼ねた。朝鮮戦争従軍経験を持つ気難しい主人公が、近所に引っ越してきたアジア系移民一家との交流を通して、自身の偏見に直面し葛藤する姿を描く。アメリカに暮らす少数民族を温かな眼差しで見つめた物語が胸を打つ。西部劇や刑事ドラマで築き上げた、“男イーストウッド”のヒロイズムが詰まった人間ドラマだ。主人公と友情を育む少年タオ役のビー・バン、彼の姉役のアーニー・ハーなどほとんど無名の役者を起用しているにも関わらず、どんな端役までも行き届いたきめ細かな演出がイーストウッドの真骨頂だ。(goo映画より)



物語は淡々と進むが、気難しい主人公の老人と隣家の少年や姉の関係が気になって、ついずっと見入ってしまったという感じだ。白人以外の人種には偏見を持ち、人と交わらないように生きてきた男が、ひょんなきっかけからアジア系の少女と親しくなり、その弟を一人前の男に鍛え上げていく。弟は不良との係わりを持ち、暴力の連鎖が姉にまで広がっていく。老人が、少年や少女に係わったことで暴力が暴力を生んでしまう。このあたりは、良くある映画のパターンだ。だが、老人は自分の死期を感じ取り自分の過去の贖罪と係わりあった姉弟のため不良たちに立ち向かう。従来のクリントイーストウッドの映画だったら、銃を撃ちまくり悪党を一網打尽に倒すという構図だが、この映画はそんな結末ではない。最後まで、派手なアクションはなく淡々と終わる。暴力で全てが片付くという話は、虚構である。クリントイーストウッドは、最後まで人間らしいヒーローだった。ただ、あまりにも悲しいケジメのつけ方に泣けてしまう。老いる事と、生と死を真正面から扱った映画だが最後まで暗くなり過ぎず、泣けるけど痛快さも感じる終わり方だった。そして最後に、この映画の題名「グラントリノ」をつけた意味が良くわかった。

2本目は、明日に続く。