梅さんのかわら版.umelog

甲州市~甘草屋敷

”姫を恋ふ龍かもしれず…”

2015-07-27 09:51:04 | 俳句&短歌

この暑いのに…思われるかも知れないが吟行というものに行ってきた。
場所は甲斐善光寺。

一時、甲斐善光寺は今年御開帳ですごく賑わっていたが、今はとても静かだ。
平日の午前中、観光客もまばらで、ゆっくりと散策が出来る。
山門に集合…ここで主宰から吟行についての心得を聞いていざ出陣?いや出発!
七堂伽藍がすばらしい…
外を巡って本堂に入る。
ここの鳴き龍は有名だ。
拝観料を払って、鳴き龍の声を聴いてみる。
天井画の龍に向かい厳かに手をたたくと、共鳴した音が静かに降ってくる。

姫を恋ふ龍かもしれず涼しかり   Ume

武田信玄は「甲斐の虎」「甲斐の龍」とも言われた。
この龍は信玄であり、姫を恋ふて鳴いているのだろう…と詠んだ。


信濃の善光寺の焼失を恐れて、武田信玄によって建立された甲斐善光寺。
信濃からすべての宝物がここに移されたが、この鐘もそうだ。
牛に引かせてきたもので、その引きずり傷がある。

同じ場所に立って同じものを見て作る俳句、同じ空間を共有しているので、
句会においての講評はリアルに説得力があり、納得できる。
吟行と言うのはそういう良さがあると感じた。