梅さんのかわら版.umelog

甲州市~甘草屋敷

プレバト俳句~母の背中

2023-10-08 14:20:57 | プレバト俳句


題:母の背中

1位 春風亭昇吉  乳房切除す母よ芒の先に絮
2位 森口瑤子   黒ぶどう甘やか母の背にほくろ
      添削 黒葡萄あまやか母の背にほくろ
3位 犬山紙子   発熱の母月光の車椅子
4位 森迫永依   薄月夜母の電卓スタッカート
      添削 星月夜母の電卓スタッカート
5位 中田喜子   母の背は硬く娘を待つ秋夜
      添削 母の背は硬し吾を待つ秋夜の背
6位 馬場典子   秋湿り添い寝の母の生返事
      添削 秋の蚊帳母の背中の生返事
7位 千賀健永   手羽を煮る小さき背中や秋彼岸
      添削 手羽を煮る母よ厨のちちろ虫
8位 立川志らく  門付けの母に背負われ蚯蚓鳴く
      添削 門付けの母よ真昼を鳴く蚯蚓

1位の昇吉の句は、いきなり生々しい表現が出てきて意表をつく
これが成功でいいのかとも思う
こんな生々しい表現をしないで、
「乳房を無き」とか「乳房失う」でもいいではないか
何か、計算したような、哀れを請うような…
umeさんは好きではない
但し夏井先生は「勇気をもって挑んだと手放しで褒めたい」
とべた褒めだ

乳房の句に、西東三鬼のこんな有名な句がある
「おそるべき君等の乳房夏来る」
我が師匠は、暗い、怖い、怒り、痛み…の俳句は作ってはいけないと言っている
この「おそるべき君等の乳房」ほど、
女性の乳房を豊かに、明るく、誇らしく詠んだ句はない 
俳句はこうありたいと思う

もう一つ、2位森口瑤子の「黒ぶどう甘やか」のこの「甘やか」が気になる
こんな表現普段使わないだろう
黒ぶどう「甘くて」でいいではないか
俳句の侘び寂びの中に、違うものが入り込んだような違和感を覚える
どうも気持ちが悪いのだ



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