たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(2)女峰山~帝釈天~小真名子山

2023年08月17日 | 心に残る思い出の山

続き

次のピーク、帝釈天に付くまでには天気予報通りこの霧が霧散してくれる事を祈って女峰山を下る。晴れていればアルペン的景観が広がると言う今日の女峰~帝釈天はとにかく風当たりが酷く木々に付いたエビノシッポが千切れ顔や首に容赦がなく、それどころではない。下方に戦場ヶ原が束の間見えただけだ。右斜面には今まで見た事の無いほどのシャクナゲが密生していた(見頃は6月か?)

 

 

 

大して離れていないのに私の姿が殆ど消えかけている

 

痩せ尾根のアップダウン、晴れていたら楽しいであろう岩場の鎖と変化に富んだ尾根歩きを風と戦い雪道に難儀し帝釈天に着いたのが9時15分。グレープフルーツを食べていると急に背中に温かさを感じた。と同時にあれほど濃かった霧が見る見る内に晴れ上がり尖った女峰、これから向かう小真名子、大真名子、その背後には男体山。そして振り向けば花を存分に味わった太郎山と深々とした緑に、ぽっかりと嵌め込んだ様な湯ノ湖が目に飛び込んだ。息を飲む眺望とはこの事を言うのだろう。

 

女峰山

ここから小真名子山へは422m下って290mの登り、更に大真名子山へは223m下って275mの登り。かなり激しいアップダウンだ。 だが・・・行くっきゃない

い。少し下ってコメツガやシラビソに囲まれた広い雪原に出た。問題は下山道だ。標識やマークは雪の下に埋まっており目印となるものが何処にも見られない。小真名子山が見えていれば見当も付くのだが樹林に囲まれている為、方向が分からない。15度ズレても全く別の所へ行ってしまうので、ここは慎重にならないと大変な事になってしまう。

立ち木の様子を見るとそこに登山道が有るかのように木々の隙間の上に空が延びていた。多分、登山道に違いないと判断し踏み切るも踏まれていない所を歩くのは容易ではなく不安も心細さも増すばかり。重いザックを背負った雄さんは時折、足の付け根までズボッと踏み抜く。折角乾いた靴がまた濡れてしまった。

偶に見つけるペンキマークにホッとしながら下りに下ってコースタイムを大幅に費やし漸く富士見峠に降り立った。何はさて置き靴を脱いで急坂で痛くなった爪先を労わる。その時ウエストポーチに付けていたスイスで購入したマッターホルンのバッチが無い事に気付いた。「またスイスへ行く機会も有るさ」と言う雄さんの慰めに悔しさに踏ん切りを付けたが、今こうして写真整理していると・・・あぁやっぱりクヤシイ。

 



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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
チョコさんへ (たか)
2023-08-19 14:28:54
こんにちわ、チョコさん
パソコンには思い出に残る主だった山しか載せて有りませんが、お役に立っているでしょうか?
地図と睨めっこをして私達の足跡を辿って頂けたのですか!
残雪もなく朝一で登れば日帰り登山も可能ですが、ゆっくり、ノンビリをモットーとする私達ですので一泊で臨みましたが
思いもよらぬ積雪でしたので一泊して良かったとつくづく思いました。

コメント欄はお休みと記しても閉じてはおりませんので遠慮なくコメントして下さいね。
何よりも丁寧に観て下さった事に感謝です。
過去記事にも目を通して下さるとの事、有難うございます。
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Unknown (チョコ)
2023-08-19 00:04:24
手元にある『日光那須上州の山をあるく』の付録地図を広げながら、たかさまの山行き記録を行きつ戻りつしながらたどらせていただきました。
私には到底想像もできない山行きですが、もうドキドキワクワクの繰り返し。
地図を見てここが雪深く…など、自分がまるで歩いているかのような気持ちになりました。
最終話コメント欄を閉じられている日にここにコメントするのも憚られるのですが、地図と照らし合わせながらたかさまの記録を読むのがあまりにも楽しかったのですみません!
過去の記録も再度地図を広げながら改めて読ませていただこうと、新たな楽しみを発見しました。
これからも楽しみにしています!
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akiraさんへ (たか)
2023-08-18 14:11:09
こんにちわ、akiraさん
女峰の山小屋は無人ですので乾燥室も無く私達二人だけでしたので寒さ凌ぎにテントを張りました。
見た通り稜線上は強風に晒されているため雪が飛ばされ岩が剥き出しでしたが下りに転じるとかなりの残雪でした。
戦場ヶ原も良い所ですよね。私も登山の帰り何度か立ち寄っておりますが四季を通して歩いた事はございません。akiraさんとは逆に夏の戦場ヶ原を歩いてみたいものです。
関西の山は機会が有ったら登ろうと手書きの資料だけはたくさん残っているのですが心残りのままスクラップブックに眠ったままです。
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力丸ママさんへ (たか)
2023-08-18 13:57:40
こんにちわ、力丸ママさん
山腹にこれほど雪が残っていたとは想定外でした。一番困ったのは標識が雪の下に埋もれてしまっていた事。
読みが当たって標識の立つ場所に出た時には緊張感もほぐれてヘナヘナとなる程でした。
力丸ママさんはカウベルを購入されましたか。私もスイスで購入した覚えが有りますが土産店の今一な物でしたので長持ちしませんでした。
今、付けているのは北海道で購入した物で正真正銘の国産物でこれは当たりでしたね。
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ベルさんへ (たか)
2023-08-18 13:18:16
こんにちわ、ベルさん
登山道の道しるべであるべき道標の類は雪に埋もれ全く見られませんでしたから積雪1m以上は有ったと思います。数歩、歩く毎にズボッズボッ。これは、かなりの時間的ロスでした。今でしたらGPSと言う便利な機能が有りますが当時は感が頼り、駄目なら歩いてきた道を戻るより有りませんでした。
マッターホルンのバッチはホント残念な事をしました。今になってまた思い出してしまいましたが、やはり残念です。
ご家族でのご旅行お疲れ様。日常に戻って再び北海道旅行を交えながら頑張ってアップして下さい。楽しみにしております。
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tadaoxさんへ (たか)
2023-08-18 12:58:17
こんにちわ、tadaoxさん
>登山記録は読んでいて楽しいですね
   小説家でもあるtadaoxさんにそう言って頂けるのは何よりの喜びです。有難うございます。
ゾーリンゲンの鋏は私も購入して参りました。 雄さんの散髪は私がしておりますので、もう20年以上、使い続けておりますが切れ味は全く変わっておりません。もう一つ購入して来れば良かったと使うたびに離しておりますよ。
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イケリンさんへ (たか)
2023-08-18 12:51:44
こんにちわ、イケリンさん
雷と言えば仙丈ケ岳で、あわやと言う目に遭いましたが長い山歴で初めて味わった経験でした。
女峰の山小屋へ向かう途中の雷は真上では有りませんでしたが逃げ場のない場所での雷と言うのは気持ちに余裕がなくなりますね。
尾根上は強風の為か雪は飛ばされ岩が剥き出し状態でしたが山腹は標識やテープも雪の下でしたから積雪は1m以上は有ったかと思います。
大変では有りましたが、それだけに思い出に残る山となりました。
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meranmeran21さんへ (たか)
2023-08-18 12:39:09
こんにちわ、meranmerann21さん
大切なバッチは私も何度か雪を踏み抜いたりしましたので、その時にウエストポーチから外れてしまったのでしょうね。
あれ以来、国内のバッチも含めて身に付けない事に致しました。
バッチの事はスッカリ忘れていましたのに、この登山記録をアップしたが為にまた悔しさが蘇ってしまいました( ;∀;)
主を無くしたあのバッチ、どなたかの目に留まってくれたら良いのですが。
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女峰山 (akira)
2023-08-17 20:24:34
たかさんへ

山小屋でのテント泊、雨で大変でしたね
小屋なら乾燥室もありユックリ出来るのですが

女峰山縦走雪の中で足を取られ、一人なら大変です
男体山、白根山登りましたが大阪からは遠いですね
女峰山の姿を見ると登りたくなる山ですね!
此の辺りの戦場が原から湯本温泉辺りは好きで何回か来ましたが夏が主で
秋の戦場ヶ原に行って見たいです

関西にも良い山が・比良山系・大峰山系・鈴鹿山系
地元の金剛山、六甲山などあります
たかさんも登山されたと思います!
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こんばんわ (力丸ママ)
2023-08-17 19:30:28
すごく大変そうな登山読んでいるだけでも怖ろしさを感じます
経験から道も間違えることなくさすがです
マッターホルンではカウベルを買いました。
今でも飾っています。
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Unknown (ベル)
2023-08-17 19:26:51
こんばんは
これはまた雪が深い場所
雄さんの足完全に埋まってる
5月にこれだけ残ってる標高の高い場所はまだ冬ですね
アップダウンの連続する山 標識も埋もれてしまって迷いそうな道慣れてる人じゃないと絶対無理な場所ですね
マッターホルンのバッチ残念です

昨夜最終便の飛行機で帰ってきました
んでまた更新します
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楽しい思い出 (tadaox)
2023-08-17 19:14:59
(たか)さんと雄さんの脂の乗り切ったころの登山記録は、読んでいて楽しいですね。
マッターホルンのバッチを失くしたのは残念ですね。
ぼくはマッターホルンの絵皿とカウベルを買ってきましたがもう今ではどこへ行ったか行方知らず。
山には関係のないゾーリンゲンの鶴の鋏だけが残っています。
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Unknown (イケリン)
2023-08-17 18:20:22
たかさん こんばんは。
登山中に轟く雷鳴ほど恐ろしいものはないですね。
登山の番組を見ていると、大木の下は危険で、できるだけ低い窪地などで
通り過ぎるのを待つのがよいとか言っていますが、そういう場所を見つけるのも
簡単ではなさそうですね。
5月でも、これだけの雪が残っている山ですから、登るのも大変だったのだろうと
容易に想像できます。濃霧の中で、一瞬姿を見せてくれた山の風景は感動ものでしたね。
願わくば、全行程で天候に恵まれればよかったのでしょうが、そうはいかないところが
登山の難しさですね。
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Unknown (meranmeran21)
2023-08-17 17:40:05
お疲れ様です!

あらら!マッターホルンの
記念バッチ落としたんです
〜(−_−;)
そら!悔しい〜でも、次が
ある事願ってますから、体
力付けとかないと…😅😅

はい、いつもタメになるお話
しに感謝!ありがとうござい
ました〜😊😊
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