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たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

思い出に残る山(28) 蓼科山(2570・3m)

2018年09月03日 | 心に残る思い出の山

H7年8月 6時50分大河原峠出発


大河原峠から約1時間かかって着いた将軍平は天祥寺原と蓼科7合目からのコースの

合流点で広場に一角には地味ではあるが小奇麗な蓼科山荘が建っている

展望は無いが明るい広場は落ち着きがあり一息入れるには持って来いの場所だ

山頂に入って来た人達が一様に「展望は駄目でした」と言っている

新潟、長野両県のみ快晴と言った予報はどこへやら・・・

そう言えば先ほどから山頂方面からのガスが木々に纏わりつきながら降りて来て

ここ将軍平を包みこもうとしている


次のステップが目の前にあるというゴロ石の登りは山頂まで続きマー君の為に

道の選定に苦慮したが当のマー君は意外や逞しく登りあげている

時に石の上へ飛び乗ったつもりが勢い余って石を飛び越えズッコケたり・・・

やがて傾斜が緩くなり蓼科山頂ヒュッテに着くと頂上は目の前だった


山頂はまるで岩の海、嘗てこんな広い頂を見た事が有っただろうか

蓼科山は独立峰のため展望には恵まれているが(晴れていれば)風当りも強い

ある瞬間、突然ガスが消散すると美しい本当に美しい水色の空が覗く

が、それも束の間 再びガスに閉ざされてしまう

(略)

風が幾らか治まった時、三角点に戻ると厚い雲の切れ目に樹林に覆われた横岳や前掛山が

覗いた。それとばかりにカメラを出すが次の雲がやって来て

中々シャッターを切らせてくれない


マー君は人気者だった

「茶の秋田犬は珍しいな、俺はこの犬を眺めている方が楽しいよ」

「写真、撮らせて貰ってもいいですか?」続いて俺も、俺も・・・と

北春号業政を手帳に書きこんでいる人も居たっけ


そんな事をしている内、横岳の稜線が洗われ、その末端に竜源橋付近の建物や道路が

見えるまでに天気が回復してきた

左の山頂ヒュッテの後ろには前掛山も姿を現し山肌は明瞭な縞枯れ模様を描いている

(略)

余り落ち着けない山頂だったが1時間半の時を過ごし絶望と思われていた展望に感謝し

腰を上げた  山頂ヒュッテのトイレ使用料は50円  一歩、誤ると糞地獄と言う

冷や汗もののトイレで白山のトイレとは言って来る程の差だ 


将軍平までは再び170mの一直線の下降、下り苦手なマー君は不安そうな顔をして

それでも遅れまいと必死に付いて来る 尻尾は下がったままだ

(略)

時間は未だ11時 山荘前は結構ごった返していた

猛暑で茹だる下界では考えられない心地よい風が此処には在った

(略)


天祥寺原に下る細い山道は一転して人気も無く静寂そのもの

樹林帯を抜けゴロ石に代わると右に左に足場を見つけながらの急下降だ

しかし、この下りが滅法長い  

景色が楽しめるでもなくマー君に気を使いながら、只ひたすら下るのみ

赤いペンキに導かれ樹林に分け入ると、やっと人心地つくが今度は笹の間を通過する事に

なりマー君にダニが付かぬよう神経を使い知らず知らずに早足に

最後はとうとう駆け下っていた


「右・竜源橋 左・大河原峠、亀甲池」と書かれていた分岐で休んでいた夫婦が

「水はカラカラだ」と話している

双子池から、わざわざ此処まで水を汲みに来たのだと言う

私達もマー君に思い切りお水を飲ませてあげようと思ったのに、何てことだろう

リュックを下ろし此処で暫く休む事にした  マー君の指の仇からは血が滲み痛々しい

改めて今、下りてきた道を振り返ると蓼科山の上部から白いザレが一直線に

下りているのが見える  あの転がり落ちそうな急斜面を私達は下ってきたのだ

幸い此処から先は笹原に針葉樹を配した明るく広々とした平坦地で

歩く足元には様々な花が咲き乱れザレで痛めたマー君の足にも私達の膝にも優しかった

私達は亀甲池から双子池を周り双子山を登って起点の大河原峠に戻るつもりでいた

しかし、どこでどう間違えたのか呆気なく大河原峠に着いてしまった(1時30分)

双子山を見やれば稜線を歩く登山者の姿、眺める私達の惨めなこと




売店前のベンチに腰掛け雄さんは此処の地酒、マー君には冷たい牛乳

私は温かいコーヒーで一息いれた

マー君は疲れたのか牛乳を飲むと身体を丸めて寝てしまった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大河原峠から蓼科町に向かう途中、興味をそそる岩画有った

岩の先端はスッパリ切れ落ちていてスリルが有りそうだ

車にマー君を残し「トキン岩」と書かれた表示板の脇を通り細い道を登ると

2・3分で開け前方に厳めしいトキン岩が立ちはだかり頂には小さく祠が見えた

下が砂礫でズルズル足を取られてしまうので直接、岩から登った




(あらら、雄さんの足元 ツッカケではないですか)

見た目より簡単に着いた頂からはたった今、登って来た端整な姿の蓼科山

緑濃い北八ヶ岳が望める絶好の展望台だった


「点々を付けたら、ドキンガンになるね」「何だ!まるで俺じゃねぇか」

そんな冗談を飛ばしながら車を走らせると朝は無人だった料金所には係員が居て

しっかり300円を支払わされた

蓼科町は賑やかだった  スキー場のリフトはフル回転し道路に面した売店は一様に

派手な色で塗装され若いカップルがアイスクリーム片手に歩いている

女神湖は、そこから連想する神秘とは程遠い巨大な貯水池の様な湖だ

どこも感激が薄い、私達は早々に退散

ガッカリした埋め合わせか道の両側を飾るコスモスがヤケに優しかった


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (イケリン)
2018-09-03 18:49:56
蓼科山は日本百名山にもなっているようですね。
ゴロ石の登りは一歩間違えば骨折や捻挫の恐れがありそうです。
マー君がズッコケルのも無理ないですね。
山の天気は変わりやすいといいますが、天気が回復してくれたのは幸運でしたね。
途中道を間違えたミスがあったとはいえ、「トキン岩」にも登れて、
マー君共々まずは満足できた一日となったようです。

横岳が出てきたので思い出しましたが、横岳ロープウェイで2回登ったことがあります。
坪庭を歩いただけですけれど・・・。一度はガスに包まれて、周囲がほとんど見えませんでした。
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初めてコメントします。 (カンサン)
2018-09-03 20:15:25
たかたかさんへ、私は去年の8月11-15日に車山-蓼科山-北横岳と歩いてきました。同じところがありました。蓼科山の山頂ヒュッテに泊まりました。朝、展望が開けて、南アルプス、八ヶ岳が見えました。
↓ こちらのfc2のブログの2017年8月11日-15日をご覧ください。
http://tatsu114.blog.fc2.com
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お早うございます (延岡の山歩人K)
2018-09-04 07:10:34
タデシナ山
はい!自分も登った事あります
よく覚えていませんが・・・
登山道の途中から すぐ近くに 北アルプスが一望出来て
感動しました。
頂上は 広々として
見渡す限りの石(岩)が無数に敷き詰められて
一種異様な光景だったことを
なつかしく思い出します
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石ゴロゴロの山 (越後美人)
2018-09-04 07:56:09
なんとこんな石ころだらけの山もあるんですね。
ずいぶん登りにくそうです。

こんな所でもマー君は喜々として登っていったんですかね~♪
ご主人様と一緒が楽しいのでしょうね。
犬は健気だなあと思います。
一緒の写真は良い思い出ですね。
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Unknown (木もれ日)
2018-09-04 09:00:51
🐕愛犬マーくんと登ったとあれば、殊更思い出深い山行になったことでしょう。私の目は、お若いお二人よりも(失礼!)マー君に釘付け😄
登り終えた後の寝姿またまた可愛いですね。何才の登山だったのでしょう?
私も、大河原峠からあの難儀な石ころゴロゴロ道を往復したことがあります。また、馬返し~将軍平経由でも。日頃の行いが悪かったのか
お天気運に見放され、二回とも眺望はダメでした。
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イケリンさん、こんにちわ (たか)
2018-09-04 14:52:27
蓼科山は百名山の一つですが深田氏が入山したのは大門峠(南登山口)からでした。
今は大河原峠(北登山口)まで車で登りあげる事が出来るのですから当時を想えば楽々登山なのでしょうね。
標高差も大門からは1130m 大河原峠からは477m、倍以上の差が有ります。
山麓の観光開発に併せて道路も整備され初心者でも容易に登れる百名山になった訳ですね。

坪庭は私も横岳登山の際にロープウエイを利用しましたので、さわりだけ歩きましたが標高2237mに咲き誇る高山植物はさぞかしだった事でしょう。
私も何れ坪庭だけを、時間を掛けてゆっくり歩いてみたいと思っております。
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カンサン、こんにちわ (たか)
2018-09-04 15:11:05
蓼科山のブログに目を向けて下さいまして有難うございます。大阪から蓼科山は来るだけでも大変でしたね。
お天気は私達が登った時と余り変わりなかった様ですが霧に煙る木々はとても幻想的ですし私達には敵わなかった雲海やアルプスの眺望まで楽しめたのは
羨ましい限りです。、その上「ウソ」までカメラに納める事が出来たなんて・・・ウソみたい。
この辺りは殆ど歩いておりますので懐かしく拝見させて頂きました。
「これぞ!蓼科山頂」と言える石ころだらけのお写真も素晴らしかった!!   今後とも宜しくお願い致します。
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延岡の山歩人Kさん、こんにちわ (たか)
2018-09-04 15:26:34
はるばる九州から蓼科山(諏訪富士)に来られたのですね。
「よう、おいでなんした」とアルプスが勢揃いで歓迎してくれたとは、こちらに住む者としても、とても嬉しい事です。

遠くから眺めた端整な姿からは想像もつかない山頂には驚かれた事でしょう。
直径100mの円型が、まるで石で埋め尽くされているんですものね。
異様な景色として目に映ったのは頷けます。 私もビックリでした。
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越後美人さん、こんにちわ (たか)
2018-09-04 15:43:24
私達が登ったのは距離も最短で標高差477mというアルプスとしては楽しく登れる範囲内の楽々コースでした。
今まで色んな山頂を踏んで参りましたが、見渡す限り立ち木一本ない石だらけと言うのは初めてでした。
Kさんが異様な光景と表現されておりましたが、まさに異様そのものでした。
マー君にとって楽しかったのか辛かったのか・・・下山してグッタリしていたところをみますと「もう、コリゴリ」だったかもしれませんね。
でも、指の間から血を滲ませながらも良く付いてきました。 山好きな夫婦の元にやって来たのが運の尽きですね。
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木もれ日さん、こんにちわ (たか)
2018-09-04 16:14:39
近所の山は結構連れ歩いておりましたが、石ばかりの山は初めて、少々苛酷だった様です。 
疲れ切った寝姿は先代のマー君が絶対に見せなかった姿、ちょっと情けないなぁ・・・ですね。
平成3年、リユックに背負われて登ったのが初登山でしたから4年目、人間で言うと30代といったところでしょうかね。
木もれ日さんは登山口を変えて2度、登られましたか!私は大河原峠からの入山のみです。
名称が「馬返し」とは想像しただけでも相当な急登と伺えますが。  では、もう一度という年齢をとうに過ぎてしまいましたので、もう果たせない夢登山かな!
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