高校球児に限らず、スポーツをやっている青少年が清く正しく明るいなんて幻想は持っていないが
相手チームを携帯のブログ上で侮辱したという話は、後味が悪いというか
面と向かって野次を飛ばすのとはまた別の品のなさだ。
今どきと言えばそれまでだし、そもそも高校生に品がいいことなど求めても無駄である。
はるか半世紀近く昔、わたしの中高時代もそうだったが、真面目だとかきちんとしているとか
ましてや品がいいなんていうのは最も馬鹿にされる対象だった。
根が真面目なわたしは、懸命に不真面目を装い、汚い言葉を覚えた。
皮肉なことに、今でも抜けずにうっかり口にしてしまうことがある。
だから別に、今の青少年に品行方正であれというつもりもないのだ。
だが、50に近い有名新聞社の人間が
ネット上でよからぬ発言をしていたりするのはどう考えればいいのだろう。
宮沢章夫さんがエッセイで
ちょっとメールを交わしただけの見知らぬ人が、何度目かのメールではいきなりタメ口になり
「あきさん」などと呼びかけてくるのに驚いていたが、
ネットというのは距離感をなくしたり、日常とは違ってしまう人が多くいる。
普段大人しいのにネット上ではやたら明るかったり、攻撃的だったり。
その逆もあるだろう。
いい年をした大人がネットの中で分別をなくすのは、ネットが人格を変えてしまうこともあるからだ。
職場でも系列店との間で掲示板が使われているのだが、単なる情報交換や連絡の場ではなく
それ以上のものが書かれていてげんなりする。
普段はそんな話し方はしないのに「~だよーん」などと書かれていると
親しみを覚えるよりも、その人が嫌いになりそうだ。
藤原紀香が離婚の報告をするのに「~だもん」という言葉を使ったり
「心も身体も壊れた」というわりには最後に顔文字(><)だったりしたのには驚いたが
ネットはそういうことが許される特殊世界的な面もあるのかもしれない。
わたしがネット上で一番驚いたのは、みなが同じような言葉を使うことだ。
今はあまり見られないようだが「キリ番取ったら掲示板にカキコしてね」とか。
キリ番が何を意味するかはすぐにわかったが、なぜそれを「カキコ」しなければいけないのだ。
大体「カキコ」ってなんだ。
書き込んでね、じゃ駄目なのか。
正直、(爆)とか(汗)とかいうのもいまいち好きになれない。
初めに書いた人は中々面白いセンスだけど、みんなが真似している状態が不気味なのだ。
@コスメという人気サイトのクチコミで「イエベ」とか「ブルベ」という言葉があり
全くそのことについての説明はなく、しかしそんなことは
このクチコミを見る人は知ってるのさという空気もあり、
いくつかのクチコミを読んでいるうちにそれがなにか理解するのだが。
MMUという言葉があまりに頻繁に出てくるので初めはメーカー名かと思った。
それがミネラル・メイク・アップの略だとわかるのには時間がかかった。
こういうことに対して「排他的」という気はないのだけど、独特の世界。
ネットでは友達ができやすいのかなと思っていたけれど、
わたしに関して言えばそういうことはないようだ。
もちろん、ネット以外では知り合う術もなかった人々と
知り合えたのはネットのおかげだけれど。
この不思議世界で友達らしきものをいっぱい作ろうと思ったら
やっぱり「今日ゎ、疲れたぁ(><)」みたいなことを書かなければ駄目なんだろうか。
無理したら、なんだか具合が悪くなってきた。
いや、無理する必要もないのだが・・・