洗脳だなんだと騒がれているタレントについて、御年76の師匠が
「あれは、失恋がきっかけだったんじゃないの」と言うので
(師匠、結構ワイドショー見てるな)とおかしくなった。
が、あれだけメディアで騒がれていればワイドショーを見なくても知っている人が多いだろう。
まして、元々は人気タレントである。
今の彼女の状態を「どうして・・・」と言える人は健やかな人生を送ってきた人だろう。
ひどく悩んだときに、親身になってくれたり自分のことを見透かすようなことを言われたりすると
心を持っていかれてしまうことがあるというのが、わたしにはよく分る。
相手が宗教だって占い師だって整体師だって、保健室の先生だって隣のおばさんだって
こちらの状態によっては、心を持っていかれてしまうのだ。
わたし自身は、子供の頃から何かを一途に信じることの出来ない性格なので
そういった経験はないのだが、もしも全てを委ねることが出来たら
どんなに安らかな気持ちになるだろうと、想像することはある。
世の中に、信用できる人間などいないというのが持論だが
本当は、信頼に足る良き人がいることは分っている。
だが、そう思って心を預けて足元をすくわれたくないので
そういう人物にはめったに出会えないと思って生きている。
たぶん、多くの人は完全に自分を預けてしまうことなく
家族や恋人や友人や知人やネット上の見知らぬ人に悩みを打ち明けることで
心を軽くしているのだろうと思う。
化粧品のカウンターではきっと、肌や化粧のことだけではなく人生相談も行われているのではないだろうか。
と思ったのは、今日わたしが化粧品カウンターに行って来たからだ。
ものすごく肌が弱いので、使える化粧品が限られている。
カバー力のあるファンデーションを使えば、もっと若々しく見えたり
少しもきれいになるのかもしれないが、まず駄目だ。
そういうファンデーションを使うと、途端にぶつぶつが出る。
しみもしわもくまもくすみも、隠しようがない。
それでも時々、もっと使えるものはないかと手を出しては敗北するのだが。
また懲りずに、某有名化粧品店に立ち寄ってみた。
名前を言えば、誰でも知ってるメーカーである。
ここの化粧品は、成分が強いイメージがあり、これまで使ったことはないのだが
数年前から敏感肌用の化粧品を販売しており、それがなかなかに評判が良いのだ。
ちょっと覗いてみるか・・・
棚を見ていると、きれいなお姉さんが寄ってきた。
(来た・・・)
あれこれセールストークが始まったら嫌だなーと身構えたが軽く声をかけて離れてゆく。
ふーん。
ちょっと手に付けて色を見ていると、絶妙のタイミングで再び声をかけてきた。
小柄な美人、きれいな肌。
年齢不詳。
20代ではないだろうが、しかし30代か40代かも分らない。
まさに年齢不詳。
やや早口だが、きれいな話し方。
わたしの話に上手に相槌を打ち、自分だけが喋ることはしない。
媚びない笑顔。
なんだか楽しい。
色々な接客業の人と話したことがあるが、こちらの投げた球を上手に打ち返す人は少ない。
しかしこの人は、何を言っても上手に打ち返す。
この会社の美容部員はみんなこうなのか、この人だけがそうなのか。
ガツガツ売りつけてこないので、サンプルだけをもらって帰ったのだが
見送られて、少しして振り返ると深々とお辞儀をしている頭が見えた。
きっとわたしはまた、ここに来るのだろう。
美容部員、恐るべし。
「あれは、失恋がきっかけだったんじゃないの」と言うので
(師匠、結構ワイドショー見てるな)とおかしくなった。
が、あれだけメディアで騒がれていればワイドショーを見なくても知っている人が多いだろう。
まして、元々は人気タレントである。
今の彼女の状態を「どうして・・・」と言える人は健やかな人生を送ってきた人だろう。
ひどく悩んだときに、親身になってくれたり自分のことを見透かすようなことを言われたりすると
心を持っていかれてしまうことがあるというのが、わたしにはよく分る。
相手が宗教だって占い師だって整体師だって、保健室の先生だって隣のおばさんだって
こちらの状態によっては、心を持っていかれてしまうのだ。
わたし自身は、子供の頃から何かを一途に信じることの出来ない性格なので
そういった経験はないのだが、もしも全てを委ねることが出来たら
どんなに安らかな気持ちになるだろうと、想像することはある。
世の中に、信用できる人間などいないというのが持論だが
本当は、信頼に足る良き人がいることは分っている。
だが、そう思って心を預けて足元をすくわれたくないので
そういう人物にはめったに出会えないと思って生きている。
たぶん、多くの人は完全に自分を預けてしまうことなく
家族や恋人や友人や知人やネット上の見知らぬ人に悩みを打ち明けることで
心を軽くしているのだろうと思う。
化粧品のカウンターではきっと、肌や化粧のことだけではなく人生相談も行われているのではないだろうか。
と思ったのは、今日わたしが化粧品カウンターに行って来たからだ。
ものすごく肌が弱いので、使える化粧品が限られている。
カバー力のあるファンデーションを使えば、もっと若々しく見えたり
少しもきれいになるのかもしれないが、まず駄目だ。
そういうファンデーションを使うと、途端にぶつぶつが出る。
しみもしわもくまもくすみも、隠しようがない。
それでも時々、もっと使えるものはないかと手を出しては敗北するのだが。
また懲りずに、某有名化粧品店に立ち寄ってみた。
名前を言えば、誰でも知ってるメーカーである。
ここの化粧品は、成分が強いイメージがあり、これまで使ったことはないのだが
数年前から敏感肌用の化粧品を販売しており、それがなかなかに評判が良いのだ。
ちょっと覗いてみるか・・・
棚を見ていると、きれいなお姉さんが寄ってきた。
(来た・・・)
あれこれセールストークが始まったら嫌だなーと身構えたが軽く声をかけて離れてゆく。
ふーん。
ちょっと手に付けて色を見ていると、絶妙のタイミングで再び声をかけてきた。
小柄な美人、きれいな肌。
年齢不詳。
20代ではないだろうが、しかし30代か40代かも分らない。
まさに年齢不詳。
やや早口だが、きれいな話し方。
わたしの話に上手に相槌を打ち、自分だけが喋ることはしない。
媚びない笑顔。
なんだか楽しい。
色々な接客業の人と話したことがあるが、こちらの投げた球を上手に打ち返す人は少ない。
しかしこの人は、何を言っても上手に打ち返す。
この会社の美容部員はみんなこうなのか、この人だけがそうなのか。
ガツガツ売りつけてこないので、サンプルだけをもらって帰ったのだが
見送られて、少しして振り返ると深々とお辞儀をしている頭が見えた。
きっとわたしはまた、ここに来るのだろう。
美容部員、恐るべし。