まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

小心者の小さなよろこび

2020年05月29日 16時32分41秒 | 日々雑感
わたしはとても怖がりで、いろんなことにビビりながら生きているのだが

例えば、お菓子とか海苔の缶なんかに入っている乾燥剤を捨てるのにビビってしまい

なかなか捨てることができず、2年ぶりくらいにやっとのことで捨てたのだ。

なぜ捨てられなかったかというと、石灰成分の乾燥剤は水に濡れると発熱して火事になることがある・・・

と、何かで見たことがあるからだ。

いつ何で見たかは忘れているくせに、水濡れ、発熱、発火、火事・・・と、ビビり脳に刻み込まれた。

とはいえそこまで危険性があるなら、しょっちゅう乾燥剤による火事のニュースがあるわけで

「そういうことも稀にある」という程度のものだとは分かっているのだ。

分かっててビビる。

生ゴミの水分と反応するかも、とか鼻紙の水分と反応するかも、とか。

なんか宮下草薙の草薙君みたいに、心配がエスカレートしてゆく。

だったらゴミ出しの直前に袋に入れればいいと思うでしょう?

集積所で燃え出したらどうしよう、とか思ってしまうわけですよ。

こんなんで日常生活大丈夫かと思われそうだけれど、結構ずぼらで無神経なところもあるので

ビビりながらも日常生活は送れているわけだ。

前に捨てたときは、アルミ箔でぎっちり包んでビニール袋に入れて、その袋をまたビニール袋に入れて捨てたのだが

ビビって捨てられないうちに溜まってしまい、アルミ箔で包みきれないほどになってしまった。

そもそもアルミ箔とは反応しないのか?とか、こんなに大量だと水分がなくても発熱したりしないのか?とか。

キリがない。

そんなとき、一筋の光がさした。

ゴミ収集の時間が遅くなり、落ち着いてゴミ出しできるようになったのだ。

朝早く出して収集場所に長く置いておく心配もなくなったので

収集車が来る直前に乾燥剤を袋に詰めて、それでもやっぱり二重にして捨てた。

大量って言ったって、せいぜい小さなレジ袋にいっぱいなんだけど

ずっと気になっていた乾燥剤を捨てられて、わたしは何事か大きな仕事を成し遂げた気がした。
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可愛いこ

2020年05月28日 21時32分00秒 | 日々雑感
同僚と、「昆虫食」の話になった。

どこからそんな話になったかは置いといて。

田舎育ちなのでイナゴの佃煮は、子どもの頃に食べた。

長野に行ったとき「ハチノコは食べなければ」と力んで食べたが

かなり佃煮っぽく、想像していたような幼虫感はなかった。

というような話をしていたら同僚が「おかいこさんとかね」と言ったので

「やっぱり、『おかいこ』って言うよね!」

例えばですよ。

アリさんとか、蝶々さん・・・なんて言い方はするでしょう。

でも「お」まで付けて呼ばれる虫が他にいるでしょうか。

いや、いない。

犬だって猫だって「お」を付けて呼ばれることはない。

昔は「お犬様」だったけど。

「お猿さん」とは言うけれど、類人猿だからという親しみと

ほんの少し、からかいの気持ちがあったりする。

でも「おかいこさん」は違う。

もう、すごく大事にしてるのだ。

やっぱり、生活を豊かにしてくれたからなんだろうか。

でも蜂蜜を集めるミツバチに「お」は付けない。

小さな幼虫が脱皮を繰り返し、糸を吐いて繭になる。

その繭が美しい絹を生み出す。

そんな神秘性と、繭のまま煮てしまうことへの申し訳なさが

蚕に「お」を付け「さん」を付けさせたのだろうか。

信仰とも結びついているというし。

子供の頃、母親がどこからか蚕の繭をもらってきたことがある。

机の上に置いて、生きてるんだろうかと毎日眺めていたが

夜中に繭から蛾が出てきたときは大興奮だった。

つぶらな瞳で羽根を震わせていたが、飛びもせずほどなく死んでしまった。

そもそも成虫には口がなく、生殖が終わればすぐに死んでしまうのだ。

好きな俳句がある。

『吹く風に 顔を上げたる 捨蚕かな』  倉田紘文

「捨て蚕」(すてご)というのは春の季語で、病気になって捨てられた蚕のことだそうだ。

哀れなのだが、その風は気持ちの良い風だったように感じるのは

きっと作者も「おかいこさん」が好きだったんだろうと思うからだろうか。
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ちなみに漢字では「幼気」です

2020年05月23日 15時39分58秒 | 日々雑感
買い物の帰り、3歳くらいの男の子がマスクをしてにこにこと、赤ちゃんを抱いた母親に笑いかけているのを見た。

(いたいけだなぁ)

と思ってから、いたいけって英語でなんて言うんだろう・・・

そもそも、このシチュエーション「いたいけ」で合ってるよね?

「けなげ」とはまた違うよね?

つまりこの子はまだ、なぜマスクをしているか分かっていないと思うのだ。

分かっていないけど、嫌がることもなく楽しげにしているのは、もしかして

小さな子が晴れの日でも長靴を履きたがるように、マスクがなにかしら楽しいアイテムとして

この子に受け止められているからではないかしら。

この状態は「いたいけ」だと思うのだ。

もしもこの子が、マスクを着けるのは嫌だけれど、しないと怖い病気にかかってしまうかもしれないし

周りの大人もマスクをすれば喜んでくれる。

だから嫌だけれど我慢してマスクをしている・・・なら「けなげ」だと思う。

ちなみに英語では「いたいけ」はイノセンスで「けなげ」はブレイブということになっているので(辞書によって違うでしょうが)

事態が分かっているか、意思や決意があるか。

そこが「いたいけ」と「けなげ」の分かれ目だと思う。

幼い子供が、亡くなった人に対して、起きてと言うのは「いたいけ」で

懸命に涙をこらえているのは「けなげ」。

変な例えになってしまったけれど。

いたいけでいられる時期は短いのだ。
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金銭感覚

2020年05月22日 20時05分29秒 | 日々雑感
クレジットカードもスマホも持たないアナログ人間だが

SuicaとPASMOとnanacoは持っている。

やっぱり便利。

ひょんなことから近所のスーパー専用の、電子マネー兼ポイントカード(というのか?)を持つことになり

これまで全く関係なかった、キャッスレス還元の恩恵に浴した。

5%還元

100円買って5円・・・大したことないな。

1,000円買って50円・・・大したことないな。

10,000円買って500円・・・大きいよね。

100,000円買って5,000円・・・大きいよね!

1,000,000円買って50,000円・・・大したことないな。

リターン。

なぜ。
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味がある・・・

2020年05月17日 18時03分13秒 | 日々雑感
空家ではないかと思いながら、定点観測を続けているベランダのミノムシだが

これもし、中身がいない場合はミノムシではなくでミノ、と言うのだろうか。

それともミノムシのミノ、になるのだろうか。

まあ、それは置いといて。

そのミノムシはプラスチック製の大きな漬物樽に付いているのだが

なぜ漬物樽がベランダにあるかということも置いといて。

その樽には雨水が溜まっていて、なぜか虫が溺れている現場に出くわす。

水が溜まっているのだから、虫が溺れても不思議はないのだが、

たった今、溺れた!という虫をよく見るのだ。

名前が分からないマイナーな虫ばかりだが、まあ助けるのだ。

葉っぱや木の枝で掬って救い出し(ダジャレです)

プランターの土の所に放しながら必ず言う。

「あんたね、わたしが困ったときには助けなさいよ」

蜘蛛の糸とか、鶴の恩返しとか。

そういうことを期待しているわけです。

この前ハマグリを調べたとき『蛤女房』という昔話が紹介されていた。

全国的に分布しているというが、初めて知った。

昔話も民話も、好きでよく読むんだけどな。

内容は、男のもとに女が訪ねてきて女房になり、おいしい汁を作る。

(なんか、嫌な予感がしてきましたね)

不思議に思った男がこっそり調理現場をのぞくと女房は

汁の中に小便を・・・

(え、ひどい!)

怒った男が追い出すと女房はハマグリの姿になって去る・

あまりの展開に笑ってしまった。

この話の不思議なところは、ふつう女房に入るきっかけは

やっぱり助けられての恩返しというパターンが多いのに

蛤女房はその辺がはっきりせず、押しかけ女房の形になっている・・・のだそうだ。

恩も受けていないのに勝手にやってきて、美味しい汁を作って、

怒られて逃げて行くって、ただのいたずら者じゃんか。

こういうオチも教訓もない話、好きだ。
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