まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

悩める者は

2015年05月25日 22時55分37秒 | 日々雑感
気持ちが荒んでいるときに、ふらふらと

「生きるのが楽になる」というジャンルの本が並んでいるところに

吸い寄せられるように近付いてしまった。

タイトルを見るだけで、プラセボ効果はありそうな気もするが

こんなにも、この類の本が出版されているということは

ダイエット本や収納本と同じで「決定版!これさえあれば!!」というものが結局ないということで、

これらの本は、悩める子羊を狙った善良なマルチ商法みたいなもんじゃなかろうかと

なにせ心が荒んでいるから、心で悪態つきながら数冊を手に取ってみる。

ありのままの自分を受け容れる、とか他人と比べないとか、弱さをさらけ出してみよう、とか

これまでに耳にしたような目にしたようなことが書かれている。

おそらく多くの子羊が「分かってるけど、出来ないから悩んでるんだよ!」と

わたしと同じように毒づいたことだろう。

「気付き」「許し」みたいな言葉が多用されるのも特徴で、

気付いたり許したりして救われた人もいることだろう。

しかしこういう本を読んでいると、身の回りで起きるほとんどのことが気にすべきことではなく

肉体的な痛みや暑さ寒さ以外は気の持ちようと言われているような気になる。

まあ確かに気の持ちようなのだ。

下手すると痛みや暑さ寒さでさえ気の持ちようかも。

毒づきつつも、数冊をパラパラしただけでバカバカしくなり、

なんとなくわたしは荒むのをやめた。

全面的にじゃないけれど。

効果があったということか?

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好きじゃなくてもいいから、嫌わないで

2015年05月23日 19時12分37秒 | 日々雑感
虫の人気は落ちる一方らしい。

男女問わず、虫の苦手な人が多い。

気持ち悪い、のだそうだ。

田舎育ちなので、子どもの頃から身近に虫がいるのは当然で

トンボを捕ったり蝶を追ったり、蜘蛛をつついたり、そんなことをして遊んでいた。

生き物を殺すのは嫌なので、子どもの頃からキャッチ&リリース。

虫を傷つけないように遊んできた。

男の子の中には、わざと足をもいだり残酷なことをする子もいたが

たぶん今は、そういう子は少ないだろう。

優しいからとか分別があるからではなく、気持ち悪くて触りたくないから。

思えば半世紀以上前、まだ10代だったわたしに20代前半の男の子が

真っ青な顔をして、職場に入り込んだ蝶を捕ってくれと頼みに来たことがあった。

ということは、虫が苦手な男の子というのも昔からいたのだろう。

近所の子供がカブトムシを見て泣いていたのも、驚くほどのことではないのかもしれない。

もっともわたしは、なんでも平気な自分が基準にならないことは分かっている。

夜、外を歩いていて、何かが洋服に勢いよく止まったことがある。

なんだか分からないし、さすがにビックリしたがゴキブリだと分かると

なんだ・・・、えいっと払って終わり。

ゴキブリが部屋に出ると警察に電話してしまう人もいるらしいから

そういう人から見れば、わたしがおかしいわけだ。

ナメクジなんかもじっと見てると可愛いので、飼ってみようかなと思ったりもするのだが

死なせてしまうと可哀想なのでやめておく。(ちなみに、手づかみできる)

なんでも自然が良いのだよ。

虫が気持ち悪いという人は、形が嫌なのだろうか。

しかし、虫から見れば人も異形なわけで。

虫は複眼だから余計にどう見られてるか分からないし。

好きになってくれなくてもいいから、虫だってだけで毛嫌いしないで欲しい。

(前世で親だったかもしれないし)と思えば、迂闊に虫も殺せまい。

前世なんて大して信じていないけど、虫嫌いの人は一瞬考えてほしいなあ。

母親は「でも現世では虫なんでしょ」と一刀両断。

身もふたもない・・・

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働くということ

2015年05月06日 23時00分37秒 | 日々雑感
仕事をしていて「出来ない」とか「分からない」と言うのは恥ずかしいことだと思っていた。

出来ないなら出来るようになる、分からないなら分かるようになる。

給料をもらうって、そういうことだと思っていた。

そんな風にしていると、頼りにされたり疎まれたり、肩肘張ってるように見られたり色々だったけど

そのうち「出来ない」とか「分からない」と言える人は

見栄を張ったり知ったかぶりをしない偉い人なのかも・・・と考えるようになったりもした。

でも最近、やっぱりそんなこと口に出せる人って

そういうことを口にしても、自分の価値が目減りしないって確信がある人なんだろうなって思う。

そもそもわたしが頑張るのは、頑張らなかったら職場でわたしに価値があるか?

と思うからで、それはそれで問題だけど。

ちょっと頑張れば出来るようなことを、本当は分かるようなことを

出来ない、分からないって言ったほうが喜ぶような男もいるし。

だからなんだというわけでもない。

こういうこと、もやもやしたって、結局うらやましいんでしょって思われちゃうし。

男受けするのがうらやましくないと言い切る自信はないが

助けてもらうのが嫌だから、助けてもらわないで済むようにしてきたんであって。

こういうのって性分でしょう。

助けたい人助けられたい人。

男とか女にかかわらず。

こういうことでもやもやしてる自分を青臭いと思う。

多くの頑張り屋が、このもやもやをくぐり抜けてきたんだから。

女性が輝く社会っていうと、すぐに働く女性しか輝かないのかとか

そういう議論になるけれど、基本、働いてる人は輝いてないから。

働く男だってちっとも輝いてないのに、女だけ輝くわけないし。

輝かなかったらいけないのか、女が仕事してたら。

そもそも仕事が楽しいとか、仕事で輝くとか、まやかしだから。

楽しかったら遊びだし。

結果として、達成感や充実感を得られることはあるにしても

働いてる時のほとんどは、神経すり減らして体力消耗してぐったりだ。

何のために働くって、生活のためです。

税金を払ってゆくためだ。

やりがいとか輝きとか、きれいな言葉で仕事を冒涜しないで。

目の前の仕事を不足なくこなすこと、それだけで充分なのに。

だからやっぱりわたしは、出来ないも分からないも言いたくない。

言える人をうらやむ必要も蔑む必要もない。

ただ目の前の仕事をガツガツするしか能がないのだから。







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迷宮

2015年05月05日 23時02分17秒 | きれいになりたい?
アパレル関係の新聞を読んでいると新しいブランドを立ち上げた理由として

「自分の着たい服がなかった」ということが度々語られている。

度々語られているところをみると、誰が立ち上げても着たい服が見付からない人が多いのだろう。

「わたしたちの着る服がない」と嘆くのは40代から50代、昔だったら簡単に

「おばさん」という生き物になってフッァッションを手放す自由があったのに。

美魔女だの美熟女だの、意欲があればきれいでいられるというサンプルがあると

なんだか自分も、うっかり手放してはいけない気がして、頑張らないといけないような

若く美しくあることで得られる特権を放棄してはいけない気になってしまう。

もっとも若かった時からそんなに特権を手にしていたわけではないのだけど。

異性の視線とか、下心からの親切とか、そんなに得ていたわけではない。

だけどいざ、本当に失う状態になってみると今更ながら、失うのは惜しい!と

妙にいやしい気持ちになってしまう。

同年代のすべてがそうだとは思わない。

個人差はあるでしょう。

ただファッションに関して言うなら、多かれ少なかれ

もう、何を着ても似合わないとか

何着ていいかわからない、といった嘆きがあるんじゃないかしら。

去年まで似合っていた服が急にちぐはぐに思えたり。

これでいいか、と思って出かけたのに出先のデパートの鏡で見て

なに、この格好!?と我ながら呆れたり。

体型は変わらないけれど、ミニスカートは確実に似合わないし

30代まで平気だったレースやフリルもまったく似合わない。

といって、ミセス向けの洋服って別な意味で装飾過多。

結局、ある程度の年になったらとにかくシンプル、に尽きるのだが

じゃあユニクロが似合うかというと、なんだか貧乏臭くなる。

ユニクロを馬鹿にしているのではない。

ユニクロをセンス良く着こなすには、それなりのセンスが必要なのだ。

どこかへ出かけようと思っても、着ていく服がない。

出かけるために来ていく服を買いに行くための服もない。

もうお出かけなんかしたくない。

悪循環。

誰かセンスのいい人に、お金を渡して「これで一式買ってきて!」と頼みたい気分。

しまいには、「おしゃれになんの意味があるの?」なんて哲学的な問いかけをして逃げ出そうとする始末。

これでもアパレル関係の仕事をしているなんて信じられない。

アパレルも色々だけれど。

余談ながら、今年は麻が流行っているらしく、あちこちで「フレンチリネン」というタグを見かける。

ただのリネンじゃなくて「フレンチ」がつく。

フレンチリネンて、「北海道牛乳」みたいなもんだろうか。

おしゃれからますます遠くなる・・・





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ミステリアスハンター

2015年05月03日 23時32分33秒 | 日々雑感
赤文字系の雑誌という言い方を今もするのかどうか知らないけど

いわゆる「もて顔メーク」とか「モテ服」とか「男受け」みたいなことを

結構恥ずかしげもなく全面的に打ち出しているファッション雑誌がある。

自分でお金を出して買うこともなければ本屋で手に取ることもないのだが

仕事の関係で見る機会ががたまにある。

「読む」ものではない。

本当に、「見る」ところしかないのだが「男の子の本音座談会」みたいな

読む前からイライラすることが分かっているのに、ついつい読んでしまう特集があり

そこには外資系勤務28歳とか大学生21歳とかIT企業26歳とか、

クローズアップ現代さながら、どっから調達したのかわからない、爽やかイケメン男子の写真が載っているのだ。

魅力のある女の子についてみたいな特集だったのだが

「合コンで自分の話をする子や騒ぐ子より、静かな子が気になる」

「そうそう、ミステリアスだよね」

数行読んだだけで雑誌を燃やしたくなる。

確かに合コンで騒ぐ女の子の中には目立ちたがり屋とかでしゃばりとかいう子もいるでしょう。

でも、そういう女の子の中に「盛り上げないと気まずい」と思っている子もいるのだ。

話題が弾まないと焦ってしまって、ちょっとうるさいくらいにはしゃいじゃうって子がいるはずだ。

それは、自分がつまらない子と思われたくないというのもあるけれど

相手に退屈な思いをさせたら悪い、と思って一所懸命に話をしてしまうっていうこともあるのだ。

そういう場で黙っていられる子って、確かに男の思うような控えめな子やおっとりとした子もいるけれど

自分は盛り上げ役なんかにならなくていいって思ってる子もいるのだ。

うつむいてもじもじしてたら(そういうフリしてたら)、誰かが話しかけに来てくれるって自信があればこそ黙っていられる。

大体合コンで地味な子が静かにしてても誰も相手にしないでしょう。

このイケメンども(もう、どもでいいや)が言うミステリアスとかいうのはちょっとこぎれいな子でしょう。

ケバくなく派手じゃなく、こぎれい。

こういう子は、下手に騒いで雑魚どもに寄って来られちゃ迷惑だから狙った獲物が来るまでじっと待つ。

いや、じっとり待つ。

狙うはカツオの一本釣りなのだ。

焦らず騒がず、大きな獲物を釣ればいい。

立派な漁師だ。

とはいっても、腕の立つ漁師だから雑魚も釣ってしまったりしてもう入れ食い状態。

何の話だ。

まったく、こういう雑誌をうっかり手にすると。




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