人生楽ありゃ

10代の頃、20代になればもっとしっかりした人間になると思っていた。

20代の頃は30代になれば、もっと動じない人間になると思っていた。

30代になるとさすがに気づいた。

多分、４０になっても５０になってもあまり変わらないんじゃないのか。

40を越えた今、その予想は確信に変わった。

「不惑」なんていうのは理想である。

というより、惑わない人は二十歳でも惑わないし、

惑う人間は死ぬまで惑いっぱなしなのだろう。

酸いも甘いもかみ分けた大人になりたいと思っていたが

酸っぱいといってはうろたえ、甘いといっては浮かれて

落ち着かないことこの上ない。

もっとふてぶてしくなりたいなあと思うのだが

それは子供のときに身に着けるべき(あるいは生まれ持った性質）であり

この年になっては身に付かない生き方だ。

まあいいんだ。

わたしはこのまま４０少女、５０少女で生きていくから。

と思うしかないではないか。

うまく立ち回ろうと思わなくもないのだが、大体失敗するのだ。

やりなれないことはするものではない。

人よりいい目に遭いたいという卑しい心はあるのだけれど

（そういうのもないほど清ければ、苦労もないのだ）

うまく立ち回る能力がないんだなあ。

しかし反対に、こんなに幸せな毎日を送っていていいのかと

おののきを覚えることもあるくらい恵まれた毎日を送っている自分に

ふっと気づくこともあり、人の考えというのは

なんだかんだ考えているようでも大したことは考えていないのだと思うと

あっという間の人生にあたふたしている自分に、おかしさを覚えたりもする。

言うに言われぬ

お喋りといえば、女の専売特許のように思われがちだが、案外と男もお喋りである。

まあ昔から結構、自分を語る男は多いが最近増えたと思うのが

奥さんとか彼女の悪口を言う男。

とある男の人から奥さんの悪口を聞かされたとき、

まあそういうこと言いたいときもあるんだろうな、と思ったのだが

後で周りに聞くところによると、いろんな人に奥さんの悪口言ってたらしく

なんだかそういうのはよろしくないんじゃないかなーと思っていたら

子供二人作って離婚してしまった。

別の男の人が、婚約者の愚痴を言うので

まあそういうこと言いたいこともあるだろうと思ったのだが

やはり周りの女の人みんなに彼女の愚痴を言っていて

そういうのはよろしくないと思っていたら結婚が延期になったとか。

離婚も婚約解消も勝手だが、周りに自分の一番身近な人の悪口を言いふらすという

その行為が嫌だ。

なんだかみっともない。

とてもかっこ悪い。

男はさ（女もね）女の悪口なんか言っちゃ駄目。

とはいえ人の悪口は言うも聞くも楽しいという一面があるからなあ。

しかも悪口言ってる同士の結束を固めたりするし。

でもわたしは言った後で具合悪くなるから、あんまり言わないようにしてる。

なんか、他人を悪く思う毒にやられるみたい。

虚弱・・・