まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

火山

2003年07月31日 22時21分00秒 | 日々雑感
髪を切って数日、わたしは職場で「時の人」であった。

同じ店の人だけではなく他のテナントの人たちからも色々と声をかけられた。

その中に「もったいない!」という言葉を浴びせかけてきた人がいるのだが

もし、病気じゃなくて切ったとしてもそんな言い方されたら嫌じゃない?

いくら前の髪型のほうが似合っていたにせよ、すぐには元に戻せないのだから。

わたしは誰かが髪型を変えたのに気付いたらよほど似合ってないときは黙っているが

たいてい、そんなにひどいときはないので

「あら、可愛くなっちゃって」

「軽い感じでいいじゃない」

「さっぱりしたねー」

などと声をかけている。

あれこれ言われるのも鬱陶しいが、何も言われないのもさびしいってこともあるしね。

わたしだってこんな状態で切ったんじゃなければ平気でいられるんだけど。

ほんとうに鬱陶しい数日間であった。

なぜ一日で済まないかといえば、それぞれの休みが違うからだ。

一度で済んでくれたなら、どんなにかわたしも気楽であったろうに。

ウチの店は和気あいあいとしてアットホームだと思うが

こういうときは本当に疲れる。

一日目はなんとか我慢したのだが、二日目、髪を切ったわたしを初めて目にする数人が

口々に驚きの言葉とお約束の「なんで、どうして」を発したとき、頭にきて

「切ったら切ったでいいじゃないの、なんで大騒ぎするのよ。うるせーな!」

怒鳴ってしまった・・・

それ以来、誰一人髪のことを口にしない。

仲良しのkさんによれば「怖くて何も聞けない」そうだ。

はじめっから「湿疹がひどくて切った」って言えばみんな大騒ぎしなかったのかなって、

わたしもちょっと反省したの。

で、その後テナントの人たちに「なんで切っちゃったの!」と聞かれて

「湿疹が出ちゃって」と答えたら

「えっ、どこに?」

「どんな風に?」だって。

よその店の人だから笑って流したけど、うるせーんだよ。



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サナトリウムで踏むものは

2003年07月22日 20時18分00秒 | 日々雑感
わたしの家では、足踏みミシンを使っている。

かれこれ三十年近く使われているのではないだろうか。

電子部品が使われていないので壊れる気配がない。

ただ、動かすためのベルトは消耗品であるので、たまにブチッと切れる。

それを取り替えて使い続けているのだ。

母は電動ミシンを買ったら、と言うがスピード調節がたやすい足踏みが好きだ。

大きくて場所を取るのが玉にきず。

中学の頃、家庭科の成績は万年2であった。

不器用なせいもあるが、あまり人の話を聞いてないわたしは

先生の説明を聞き漏らすらしく、言われたとおりのことが出来なかった。

提出も遅れがちで、せっかく縫い上げた物を目の前でほどかれたときは悔しかったな。

しかし、そんなわたしが今は縫い物を楽しむのだ。

きっかけは生地屋で働いたことだ。

それまで、針の種類も糸の太さも生地との相性も知らなかったわたしだったが

働くうちに必要に迫られ、段々に覚えた。

そうこうするうち、端布を使って何か縫ってみたくなった。

簡単な袋を縫ってみんなに見せると、思ったより好反応であった。

それに気をよくして、徐々に凝った物を縫うようになった。

思うに家庭科の成績が悪かったのは、やる気と興味がなかったせいだろう。

好きこそものの上手なれ、かな。

中島らもさんのエッセーに「怖いもの」として

怒っているのに無言のままミシンをかけ続ける女房・・・というのがある。

確かにねぇ。

でも、男からすりゃ怖いかもしれないけど、あれでなかなか気が晴れるのだ。

頭にきているとき、ガーガーと掃除機をかけたり思いっきりミシンをかけたりするのは

あてつけでもあり、気晴らしでもあるのだ。

近頃、体調が悪いのでどこかで静養したいと思う。

薄幸の美女が静養するのは高原のサナトリウムであろう。

しかし、日光にも当たれないわたしは日中の散歩もままならず手持ち無沙汰であるに違いない。

憂鬱と退屈と寂しさを紛らわすために、わたしはミシンを踏むのだ。

待てよ、あれ持って行くのはちょっと大変かしら。




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杞憂?

2003年07月21日 21時30分00秒 | 日々雑感
kさんはキムタクが好きだ。

「キムタク」と聞いて「木村拓哉」のことだと子供から年寄りまで分かってしまう人気者。

わたしは別に好きじゃないけど「かっこいい」とは思う。

顔の造作はそれほどでもないと思う。

この人より整った人はいくらでもいる。

仕草とか、目線のやり方とか間の取り方とか、かもし出す雰囲気がかっこいいのである。

でも、わたしの好きなかっこよさではない。

自分の魅せかたというものを熟知して、存在そのものがかっこいいとさえ言われる彼だが

そのせいでどこにいても何をやっても「木村拓哉」にしか見えない。

この人のドラマはどれを見ても

「キムタクショー」だと言った人がいたけどうまいこと言ったもんだ。

これがもし、浅野忠信であったなら『冷たいプレーボーイ』も『さえないサラリーマン』も

『涙もろい体育教師』も演じられるのだろうに。

思うに「演技力」というより(ま、それも大事だが)目鼻立ちじゃないかと思う。

浅野忠信や永瀬正敏のように、一重(奥二重)の顔というのはちょっとした表情で

優しくも冷たくも、気弱そうにも見える。

しかし、キムタクみたいにはっきりくっきり大きな二重から

細やかな感情というものを、わたしは感じ取れない。

俳優としては決して悪くはないのだろうけど、幅は狭いと思う。

どんなにかっこ悪くてもてない役をやったって、きっとかっこよく見えてしまう。

そういえば、10チャンネルで高橋克典主演のドラマをやってるんだけど

会社ではさえないサラリーマンだが、その実態は

会長の特命を受けて暗躍するかっこいい男・・・

クラークケントもビックリの荒唐無稽なストーリーだが、演じ分けてるからすごい。

と思ったら、彼もやっぱり目が細いのね。

顔だけではなく、さえない男のときの猫背っぷりは必見。

ああ、姿勢って大事だなと思った。

で、話戻るけど「キムタクっていつまでかっこいいのかな」とkさんに疑問をぶつけてみたら

「そりゃ、いつまでもじゃない?高倉健みたいに」

そうきたか。

そんなkさんの心配は

「もしキムタクが若くして病気で死んだりしたらどうしよう。日本中が大騒ぎになっちゃう」

・・・だそうだ。



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困るわ~(うれしはずかし)

2003年07月20日 23時35分00秒 | 日々雑感
商品整理をしていると、若い男子の二人組に声をかけられた。

もちろんナンパではない。

「このタンクトップを重ね着で着たいんですけど、何色を合わせたらいいですか」

えっ。

わたし、若い男子の服の好みなんて分からないわ。

ズボンをずり下げて履くあなた達のセンスも理解できないし。

でも、せっかく聞いてくれたのに分からんとも言えないし。

ここは店員さんらしくアドバイスしなければ。

「え~と、同系色をもってきてもすっきりしますし、反対色でもはっきりしていいですね」

いい加減だ。

「白をもってくれば涼しげですし、まあ無難は黒でしょうか」

ますます。

「じゃ、無難に黒にします」

笑顔で決断する若い男子。

「ありがとうございます~」

ほっとしつつ、心なしトーンの高いわたしでした。
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寝言は寝て言え

2003年07月19日 20時43分00秒 | 日々雑感
昨日、店でまた置き引きがあったという。

「また」であるのであまり驚かないが、久し振りだ。

お荷物は手にしっかりとお持ち下さい、という貼り紙をしたり

カートに無造作にバッグをのせた人を見かけると「手にお持ち下さい」と注意を促しているが

怪訝そうな顔をされたり、大きなお世話ってな顔をされる。

昨日の被害者であるおばはんは、レジの人に言ったそうな。

「前にも置き引きがあったなら、放送で注意したり怪しい人を見張ってくれなきゃ困るじゃない」

そりゃ、泥棒は悪いけど。

どう見たってあんたの不注意だってば。

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