まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

猛獣使い

2003年08月28日 21時42分00秒 | 日々雑感
本屋に立ち寄り、少し読んでいこうと備え付けのテーブルに近付くと、クマが寝ていた。

もとい、クマのような娘がテーブルに突っ伏して寝ていた。

真っ黒に焼けた肌に金髪、ノースリーブからのぞく盛り上がった二の腕を持つ娘が爆睡していた。

うわ、なんかすごい。

学生時代の教室ならいざ知らず、社会に出ると

電車やバス以外で眠る他人を見る機会はほとんどない。

しかも、うたた寝といった程度ではなく本格的に寝ている。

なんだか見たくないものを見てしまった気がしたが、仕方なく本を読み始めた。

しばらくしてクマ、いや娘の所に男の子がやってきて「もう行こうか」と声をかけた。

顔が見えないのが残念だが、背格好は普通で、多分このクマより華奢である。

話し方も優しい感じだ。

声をかけられたクマは、いや娘は「んがっ」と起きて

「めっちゃ寝ちゃったぁ」と甘えた声を出した。

クマのくせに。

「これ、ゴミ?」

男の子がたずねる。

その場所は飲食禁止なのだが、どうやらクマがお菓子を食べ散らかしたらしい。

彼はそれをきちんと片付け、荷物を持ってやり

クマが座っていた椅子を、きちんとテーブルに戻してクマと一緒に去って行った。

野生動物には愛情を持って接さなきゃいけないんだな、とわたしは思った。

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今日の一句

2003年08月27日 21時20分00秒 | 57577または575
「さよならの 代わりに雨を 降らせたい」
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聞いてもなんにもならないけれど

2003年08月22日 19時14分00秒 | 日々雑感
複数の男の人と付き合ったり、男を翻弄してひどい目にあわせたりすると

「魔性の女」などと言われる。

でも、スキャンダルや映画の中などで「魔性の女」と呼ばれる人は

わたしから見ればただの「計算高い女」あるいは「性悪女」である。

分かりやすい欲深さや振る舞いは「魔性」とは言わない。

「わたしって悪女なの」っていう女がただのバカ女であるのと同じだ。

本物の悪女に悪女の意識はない。

まあ、人それぞれ考えもあるだろうから、「これが魔性の女だ」と言い張る気もないが

わたしが思う「魔性の女」とは自分が傷つくことも厭わず思いのままに行動し

そんな気などなかったのに結果として男を翻弄してしまう女である。

知り合いの知り合い(遠いな)の妻がそのタイプだった。

彼は若いうちに彼女と結婚していて、当時結婚否定論者だったわたしは

「結婚なんてなにがいいの?」と絡んでケンカになった。

彼は「結婚して良かったよ、俺は」と言って、初対面のわたしに

「お前みたいな女、大っ嫌いだ」と言った。

そう言われても腹が立たなかった。真面目な彼に好感を持った。

のちに、彼の妻と知り合ったときに言われた。

「あの人が、初対面の女の人にそんなこと言うなんて、よっぽどあなたが気に入ったんだね」

不思議な縁で、彼女とわたしは同じ職場で働くことになった。

前の職場で彼女は「パックン」と呼ばれていたという。

気に入った男の人、みんな食っちゃうから。

それが遊びじゃなくってどれも本気だっていうんだから。

「うちのだんな、外で遊んでおいでって言ってもあんまり行かないのよね~」

「浮気してきてもいいって言ってるんだけどね」

そういう彼女は夜遊びが大好きで、常に浮気していた。

それを悪びれもせずに周りの人に話した。

自慢とかそういうことではなく、恋愛中の人が、そのことを話さないではいられないのと同じで

「進行中の恋」として、楽しげに初々しく話した。

彼の上司とも付き合い、そのことは彼にばれて「もうしません」と約束させられた。

こんな彼女だが、誰からも好かれていた。

明るく、気取らず親しみやすい人だったので、女の人からも好かれていた。

美人ではなくスタイルも悪かったが、笑顔がものすごく可愛かった。

わたしは彼女が嫌いだった。

奔放な行動に対する嫉妬というより、なぜか波長が合わなかった。

彼女にもそれが伝わるらしく、わたしには距離を置いていた。

それからしばらくして、彼女は離婚することになった。

原因は「嫁姑」とわたしには言ったが、すでにその頃、昔の上司と付き合い始めていて

その上司の離婚が成立したばかりだった。

当然、一年もしないうちに再婚し、子供が生まれたと人づてに聞いた。

わたしを「嫌いだ」と言った彼は、きっと彼女を憎んでいないと思う。

だって、会ったその日に「俺のところに来いよ」と言ったくらい彼女のとりこだったのだから。

彼に会う機会は、もうないと思うけれど、もしも会ったなら聞いてみたい。

「結婚っていいと思う?また誰かと結婚したい?」




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今日の短・歌

2003年08月22日 18時45分00秒 | 57577または575
「去ってゆく 短い夏に 置いてけぼりの ツクツクボウシ」
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今日の短・歌

2003年08月20日 23時37分00秒 | 57577または575
「やるせなさ かかえて食べる 納豆ご飯 現実は かくも滑稽」
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