こういう人、結構いそうな気がする。
見たいものはネットで見られるし、特に不便はなさそうだ。
テレビがつまらなくなったのはコンプライアンスのせいと言われがちだけど
それは一因として置いといて。
20年以上前から、テレビはつまらなくなったと言われているのだから
コンプライアンスだけが原因なのだろうか。
逆に、テレビが面白かったのはいつだ?
それはもちろん、テレビの黎明期だと思う。
番組の内容がどうというより、魔法の箱の中で人が動いているだけで面白かったでしょう。
それが徐々に音楽やドラマ、バラエティと内容が充実してきて
その結果、映画館や寄席や劇場の集客に打撃を与えた。
テレビはつまらなくなったと言われるけれど、つまらなくなったというよりも
視聴者がテレビに飽きたのと、慣れたこともテレビ離れの原因じゃないだろうか。
何でも見せてくれる魔法の箱はいつの間にか「裸の王様」になり
こういうものが見たいんでしょと差し出される物は、もう心を躍らせるような物ではないことに
テレビの側の人たちだけが気づいていない。
若者VS中高年とか
嫁VS姑とか
お金持ちVS貧乏とか
単純な対立を見せたり、若者にわざと無礼な口を利かせてみたり。
天然とかお馬鹿キャラとか、演出はかまわないけど
そんなものを見て、視聴者が優越感に浸るとでも思っているのだとしたら
お約束に気づいてないとでも思っていたら
昔はともかく、今はもうそっぽを向かれてしまうでしょう。
イライラさせるような芸能人や、こちらがうらやむようなライフスタイルの人を見せたりして
まあ、この辺はネットも変わりないけど。
そう思うと、テレビを駆逐しているかに見えるネットもすでに飽きられ始めているのかも知れない。
大体、テレビもネットもコンテンツが多すぎる。
後から後から味わう間もなく出されたら、どんなに美味しい食べ物でも飽きてしまう。
満腹になった後に、更にデザートは別腹でしょうと差し出されても
食べたところで美味しいかどうかなんて分からなくなってしまうだろう。
たくさんのコンテンツを楽しめるのは豊かさの象徴だけど
心に残るドラマや映画を挙げられないのは貧しいとすら感じる。
映画館も寄席もなくならなかったように、テレビもなくなることはないだろう。
ラジオみたいにエモーショナルな媒体として復活するかも知れないし。
そのときSNSはどうなっているのだろう。
何かに駆逐されているのだろうか。
わたしはこれから流行るのは文通だと思う。
嘘だけど。